臨床研修ブログ

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レジオネラ肺炎の肺外症状

2021.07.03
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回も3月まで当院で研修していたマナ先生の書いてくれた記事です。外来研修中に経験したレジオネラ肺炎についてです。

 

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50代男性、頭痛、発熱を主訴に内科初診外来を受診しました。身体所見上髄膜刺激徴候はなく、その他の部位にも明らかな感染徴候はありませんでした。採血をしてみるとCRP 45以上の著明な炎症反応上昇を認め、CTを撮像したところ著明な肺炎像を認めました。そして、検査の結果レジオネラ肺炎の診断になりました。

 

 

他の方がレジオネラ肺炎のことについてはまとめてくださっていたのですが、肺外症状から診断に至ったレジオネラ感染症を経験することができたので、今回はこの肺外症状について簡単にまとめたいと思います。

過去のレジオネラの記事はこちら

 

●症状

・潜伏期間は2-10日程度。

・全身倦怠感、頭痛、食欲不信、筋肉痛など全身症状から始まり、乾性咳嗽、悪寒、胸痛、呼吸苦が見られるようになる。

・傾眠、昏睡、幻覚、四肢振戦などの中枢神経系の症状や下痢が見られるのが特徴的である。

・適切な治療介入をされなかった場合、1週間以内の経過で急速に進行し、多臓器不全を呈することもある。

 

レジオネラ肺炎の肺外症状として見られることが知られているのは以下の症状である。

・意識障害、頭痛、腹痛、下痢、相対的徐脈、低ナトリウム血症、一過性トランスアミナーゼ上昇など

 

私はレジオネラ肺炎の肺外症状の知識が全くなく、外来で診察した当初は全くレジオネラ肺炎を疑うことはできませんでした。実際に頭部から骨盤までのCTを撮影して初めて肺炎に気づいた状況でした。

 

しかし本症例は入浴施設に行った10日後に頭痛、発熱で発症した、比較的経過としては典型的な症例であったことがわかりました。尿中レジオネラ抗原が陽性であったことからレジオネラ肺炎の診断に至り、抗菌薬治療を開始して経過は良好でしたが、診断が遅れると急速に呼吸障害が増悪することもある疾患であり、診断に至ることができ、よかったです。そして、自分が外来で担当させていただいた患者さんを入院中も担当し治療をさせていただけて心に残る症例となりました。

 

今後外来をするにあたって今回のように最初は診断が思いつかず難しい症例も多いと思います。研修医の間に、指導医の先生のご指導のもと内科初診外来を担当させていただける環境に感謝し、1人ひとりの患者さんから吸収し、たくさんのことを勉強させていただきたいと思います。

(マナ)

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