臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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こんな症例を経験しました
J1の研修医Sがはじめてブログに投稿してくれました。彼が担当した患者さんのことを調べてまとめてくれています。ぜひご覧ください。
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先日のことですが、こんな症例を経験しました。
50歳代後半の男性。主訴は発熱。現病歴は2週間前から38度台の発熱を自覚。その後も軽快せずに救急外来を受診しました。発熱以外の自覚症状はなく、一見して元気そう。既往歴も内服歴もありませんでした。発熱以外のバイタルは正常でした。
このような患者さんなら、僕なら話を聞いてたぶん解熱剤を処方して、翌日の内科外来を受診してくださいと言って帰宅としてもらったと思います。
ところがこの患者さんを診察した先生は、身体所見をとり、聴診で心尖部の汎収縮期雑音に気づきました。結果として感染性心内膜炎(IE)の診断となりました。
咳嗽や右季肋部通など、ある程度臓器を推定できる症状があれば鑑別疾患を思い浮かべるのは比較的簡単ですが、症状がはっきりしない、パッと見て分からない、原因となる臓器を推定できない時には丁寧に身体所見をとることが大切だと改めて気づいた症例でした。
Head to toe approachという、発熱患者にとるべき全身の身体所見を示したものがあります。
頭頚部:蜂窩織炎・蝶形紅斑・ヘリオトロープ疹・リンパ節腫脹・頸静脈怒張・甲状腺痛
眼:眼瞼結膜蒼白・眼球結膜黄疸・点状出血
口腔:扁桃腫大・白苔・齲歯
胸部:呼吸音・心雑音・胸肋鎖関節痛
背部:呼吸音、CVA叩打痛、褥瘡、棘突起叩打痛
腹部:圧痛・Murphy徴候、肝叩打痛・腹膜刺激徴候
上肢:肩関節・上腕部筋把握痛・ゴットロン徴候・Mechanic’s sign・爪囲紅斑、Osler、Janeway
下肢:膝・足関節の熱感・腫脹、蜂窩織炎、大腿部筋把握痛
上に挙げたもの以外にもさまざま追加できるので、症状などに合わせて自分でカスタマイズして、一通りの診察ができるようになれるといいですね。
(研修医S)
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