臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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肺炎患者の対応・・・院内肺炎(HAP)
今回から院内肺炎(HAP)です。
HAPの定義は入院48時間以上経過した患者に新たに発症した肺炎でした。また、HAPには人工呼吸器関連肺炎(VAP)も含まれます。
さて、HAPに遭遇した際にまず行うことは何でしょう?
成人肺炎診療ガイドライン2017によれば、まず「患者背景のアセスメント」を提唱しています。具体的には
・誤嚥のリスクが高いか?
・癌患者の終末期や老衰などの状況か?
などを評価して、状況によっては、肺炎の治療を行わないという選択肢も検討します。
では、治療をするなら、次にすることは何でしょう?
CAPと同様に、①重症度の判断、②敗血症の有無の判断 を行ったうえで、さらに③耐性菌リスクの判断 を行っていきます。
敗血症の有無についてはCAPと同様で、qSOFAとSOFAを用います。
重症度の判断は、CAPではA-DROPでしたが、HAPでは使えません。代わりにI-ROADと、2つの重症度規定因子を用いて評価を行います。
軽症群は、I-ROADが2項目以下+重症度規定因子なし
中等症群は、I-ROADが2項目以下+重症度規定因子あり
重症群は、I-ROAD3項目以上
となっています。
ちなみにI-ROADに含まれているFiO2>35%は、だいたいカヌラで4L以上の酸素流量に相当します。
(編集長)
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