臨床研修ブログ

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肺炎患者の対応・・・院内肺炎(HAP)

2023.07.01
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回から院内肺炎(HAP)です。

 

HAPの定義は入院48時間以上経過した患者に新たに発症した肺炎でした。また、HAPには人工呼吸器関連肺炎(VAP)も含まれます。

 

さて、HAPに遭遇した際にまず行うことは何でしょう?

 

成人肺炎診療ガイドライン2017によれば、まず「患者背景のアセスメント」を提唱しています。具体的には

 

・誤嚥のリスクが高いか?

・癌患者の終末期や老衰などの状況か?

 

などを評価して、状況によっては、肺炎の治療を行わないという選択肢も検討します。

 

では、治療をするなら、次にすることは何でしょう?

 

CAPと同様に、①重症度の判断、②敗血症の有無の判断 を行ったうえで、さらに③耐性菌リスクの判断 を行っていきます。

 

敗血症の有無についてはCAPと同様で、qSOFAとSOFAを用います。

重症度の判断は、CAPではA-DROPでしたが、HAPでは使えません代わりにI-ROADと、2つの重症度規定因子を用いて評価を行います。

 

 

軽症群は、I-ROADが2項目以下+重症度規定因子なし

中等症群は、I-ROADが2項目以下+重症度規定因子あり

重症群は、I-ROAD3項目以上

となっています。

 

ちなみにI-ROADに含まれているFiO2>35%は、だいたいカヌラで4L以上の酸素流量に相当します。

(編集長)

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