臨床研修ブログ

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紹介状の書き方 その5

2018.02.10
カテゴリー: 初期研修

今回は紹介してくれたクリニックや病院に

報告し、フォローをお願いする時の紹介状

について考えてみましょう。

 

個々のケースで記載する内容や重要

ポイントは異なりますが、忘れて欲しくない

のは、あなたが書いた紹介状は、その

クリニックの先生だけが読むものではない、

ということです。

 

その患者さんが他の理由で別の病院を

受診する時に、あなたが書いた紹介状の

コピーが一緒に別の病院に行くかもしれ

ません。そこを意識して、今後の診療に

関わる先生たちにも分かるように書くと

良いですね。もちろん、いきなり略語は

使わないこと。使うなら初めて書いた

ところにカッコ書きで略語を示します。

 

記載すべき内容としては、入院サマリー

のような詳細な経過は通常必要ありま

せんが、診断の根拠となった検査所見や

手術などの術式は重要です。

 

悪性腫瘍であれば治療選択の根拠と

なる病理所見と進行度分類(ステージング)

を記載すれば共通認識が出来るので

細かいことは書かなくてもよいかもしれません。

 

肺炎や心不全であれば、人工呼吸器管理を

要したなど経過の中の重要ポイントを記載

します。クリニックの先生が患者さんと

話した時に、事情が分って話を合わせ

られるように入院中のイベントを記載する

と良いと思います。

 

今後のフォローに関しては、あなたの

診療科では当たり前と思っていることでも、

クリニックの先生や専門が異なると全く

分からないものです。なので、少々くどい

くらいに、どんな点に注意してもらいたい

のかを明示した方が安全です。

 

たとえばある薬剤を追加したので、3か月

ごとに採血で肝機能をフォローして欲しい

とか、抗血小板薬は出血のトラブルが

なければ6ヶ月は継続してもらい、その後

は減量可能だが完全に中断はしないで

ほしいとか。もし、出血のトラブルが

あれば、勝手に中止しないで受診して

もらうなど。

 

薬剤を追加した理由も簡単に触れておくと

こちらの意図を理解して、患者さんに

上手く説明してくれることも多くあります。

 

一番悲しいのは、やめてほしくない薬剤

が中止されてしまうことです。そうならない

ように、きちんと伝えるようにしましょう。

 

また、かかりつけのクリニックと自分の

病院の両方でフォローしていく場合も

ありますが、どちらで内服処方するのかを

はっきり記載しておかないと、両方から

処方されていたり、処方されていなかったり

する事態が起こり得ます。

 

繰り返しますが、あなたにとっては当たり前

のことでも、クリニックの先生にとっては

全く分からないことだらけです。そこを

意識して記載してみて下さい。

           (編集長)

 

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