臨床研修ブログ

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結節性紅斑 その1

2020.02.29
カテゴリー: カンファレンス 内科

肺炎で入院していた70歳台男性。

抗菌薬の治療も終了し、そろそろ退院

という状態でした。ところが、数日前から

両側下腿の痛みを訴えるようになりました。

 

診察すると、下腿前面にわずかに隆起した

圧痛を伴う紅斑を3か所ほど認めました。

皮膚科に診てもらうと、結節性紅斑

(Erythema Nodosum:EN)の診断でした。

感染に伴うものとの診断で、サワシリンを

1週間服用し、痛みもなくなりました。

 

このENですが、

皮下結節と圧痛を伴う境界不明瞭な紅斑を

特徴とする、炎症性の脂肪織炎です。

慢性炎症や悪性腫瘍、感染、薬剤などで

見られることは聞いたことがあるはず。

 

20~40歳代の女性に多く、典型的には

下腿前面か側面に生じますが、他の

部位に認めることもあります。

 

たぶん、サルコイドーシスとか悪性腫瘍との

関連があることは、あなたも国試的な知識

として知っていると思いますが、半数以上

(文献によっては55%程度)は特発性

なんだそうです。

 

逆に言うと、4割以上で基礎疾患が隠れて

いるので、原因検索が必要です。

 

例えば、感染に伴うものであれば、

A群β溶連菌結核が有名ですが、

結核によるものは非常にまれになって

いるようです。

 

炎症性疾患ではサルコイドーシス、

潰瘍性大腸炎やクローン病といった

炎症性腸疾患、ベーチェット病、

スウィート病などで関連があります。

 

悪性腫瘍であれば、急性骨髄性白血病、

カルチノイド腫瘍、膵臓癌が関連する

そうです。

(編集長)

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