臨床研修ブログ

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鑑別疾患のあげ方(解剖学的アプローチ)

2020.11.03
カテゴリー: カンファレンス 内科

引き続き、鑑別疾患のあげ方を

紹介します。編集長が勧める

方法は2つ。

 

1つ目はVINDICATE!!!P

そして2つ目が、解剖学的アプローチ

です。

 

この方法が、具体例を出した方が

分かりやすいので、やってみましょう。

 

では、「胸痛」の鑑別をできるだけ

たくさんあげてみてください

いくつ鑑別をあげられましたか?

 

狭心症、心筋梗塞、大動脈解離、

肺塞栓、気胸・・・・

多くの研修医は、ERで見落とすと

ヤバい疾患はすぐに言えても、あまり

ヤバくない(生命にすぐにかかわらない)

疾患は、なかなか挙げられません。

 

この時、解剖学的に近い臓器や組織を

考えていくと思い出しやすくなります。

 

具体的に、胸に近い臓器は

皮膚:帯状疱疹

 

乳房:乳癌、乳腺炎

 

:肋骨骨折、圧迫骨折、骨転移

 

筋肉:筋肉炎

 

肺(さらに胸膜、肺胞、間質、気管支、

気管と分けて考えましょう)

気胸、胸膜炎、肺癌、肺炎、気管支炎

 

心臓(冠動脈、心外膜、心筋、弁)

狭心症、心筋梗塞、急性心外膜炎、

心筋炎、肥大型心筋症、大動脈弁狭窄症、

 

大血管(大動脈とその分枝、大静脈)

大動脈解離、大動脈瘤破裂

 

縦隔:縦隔炎、縦隔気腫、縦隔腫瘍

 

食道:逆流性食道炎、食道破裂、食道腫瘍

 

:胃炎、胃潰瘍、胃癌

 

肝臓:肝膿瘍、肝腫瘍

 

胆嚢・胆道:胆石、胆嚢炎、胆管炎

 

甲状腺:甲状腺炎

 

神経:肋間神経痛、帯状疱疹後神経痛

 

横隔膜:横隔膜下膿瘍

 

まだまだあると思いますが、このように

解剖学的に近いものを順に頭に浮かべて、

それに関する疾患をあげていくと

意外とたくさん出てきます。

 

臨床の現場では、前回紹介した

VINDICATE!!!+Pと、この解剖学的に

攻める方法を無意識に組み合わせて

鑑別疾患を考えていると思います。

 

医学生や研修医のうちは、鑑別疾患を

たくさんあげるトレーニングを意識しましょう。

と同時に、鑑別疾患を広げるだけでなく、

目の前の患者さんの診断に至るように

鑑別を絞り込むトレーニングも大事な

ことを忘れないようにして下さい。

(編集長)

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