臨床研修ブログ

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感染は今みえるところだけ?・・・松永先生の感染症カンファ

2021.10.02

維持透析中の患者さんが、腰痛と発熱でER受診しました。発熱以外のバイタルは問題なく、MRIで化膿性脊椎炎と診断され、血培を取って抗菌薬治療目的に入院となりました。血液培養の結果はMSSA。抗菌薬の感受性も当たっているので安心していましたが、数日して脳出血を起こしてしまいました。

 

何が起こったのでしょうか?考えてみてください。

当院の研修医には繰り返していますが、化膿性脊椎炎や椎間板炎を見た時はその背後に感染性心内膜炎(IE)が隠れていないか探しに行く必要があります。この症例はIEがあって、IEの合併症の一つである細菌性動脈瘤が頭蓋内にできてしまい、それが破裂しての脳出血でした。

 

9月に開催された松永先生の感染症レクチャー@Zoomでも、感染は今見えるところだけ?と立ち止まって考える必要性を教えてもらいました。以下は、松永先生のスライドからです。

 

感染症を見たら

1. 原発性・・・例えば肺炎

2. 二次性

  a)近傍:解剖学的に隣接しているところからの波及

     縦隔炎 ← 傍咽頭間隙 ← 齲歯

   頸部リンパ節炎 ← 齲歯

   眼窩蜂窩織炎 ← 副鼻腔炎(←齲歯)

   髄膜炎 ← 副鼻腔炎(←齲歯)

   腹腔内膿瘍 ← 虫垂炎穿孔、憩室炎、PIDなど

   膿胸 ← 肺炎

  b)遠隔 血流にのって生着

   脊椎炎 椎間板炎 ← IE、カテ感染、シャント部感染

   腸腰筋膿瘍 ← IE

 

あなたも、何か背後に隠れていないか、ちょっと立ち止まって考えてみてください。

(編集長)

こちらは髄膜炎のスライド

これも大事ですよ♪

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