臨床研修ブログ

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ものの見方・・・多職種カンファの重要性

2022.12.13
カテゴリー: 初期研修

「もしあなたが金槌しか持っていなければ、全ての問題は釘に見えるだろう」

(欲求階層説で有名な心理学者アブラハム・マズロー)

 

いきなり何のこっちゃと思われるかもしれませんが、この言葉の意味はこんなことです。

患者さんのことで、何かの問題を解決する必要に迫られた時、

・消化器内科医は消化器内科の観点で

・消化器外科医は消化器外科の見地で
・循環器内科なら循環器内科の視点で

・看護師なら看護師の視点で、解決策を考えます。

 

つまり自分の持っている「最も使いやすく手近な道具」を使って解決する傾向が強い、ということです。

 

「自分が最も使いやすく手近な道具」使って問題を解決するということは、もちろん悪いことではありません。これは言い換えれば「長所発揮」であり、強みを生かして課題や困難にチャレンジすることは重要です。

 

しかし、当然ながら全ての問題が「自分が最も使いやすく手近な道具」解決できる訳ではありません。ところが、無意識に「手近な道具」を使って考えているので、そのことに気づくのに時間がかかります。

 

これを日常臨床に当てはめると、患者さんの問題を解決するためにカンファレンスなどで他の診療科の先生と議論をしたり、看護師さんやリハビリ、ケースワーカーなどと患者さんについて意見を出し合う場が必要ということです。自分の診療科内だけでなく、他の診療科や職種との議論は、自分が気づかなかったアプローチを気づかせてくれる貴重な機会なのです。

 

特に多職種が参加するカンファでは疾患のことだけでなく、患者さんの居住環境、交通手段、さらに職業や家族関係が問題となることがしばしばあります。逆に言えば、これらを無視して治療は成立しないのです。そのことに気づかせてくれる重要な機会と考えると、多職種カンファを違った視点で楽しめるかもしれません。

 

「自分が手にしているのは、多くの場合金槌である」ということを自覚しておかないと、自分の知っている範囲でしか考えなくなり、こじつけて解釈したり、手段が目的化してしまう危険性があります。

 

医学生や研修医のあなたの強みは、診療科や職種を気にすることなく、いろいろな人に相談できることです。積極的に相談して、幅広い見方を出来るように、日々トレーニングしてください。 

(編集長)

多職種との回診風景

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