臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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入院中から忘れず評価すべきこと・・・栄養とADL
80歳代の男性でADLは自立、敷地内の別棟に息子さん家族がんでいる(茨城はこのパターンが多いんです)方が、肺炎で入院しました。幸い、順調に経過し、血ガスも胸部レントゲンも、WBCやCRPも改善しています。
では、そろそろ退院してもらおうと家族に話をしたら、「こんなんじゃ、おじいちゃんを連れて帰れません!」と言われてしまいました。
なぜだか分かりますか?
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その患者さんは、食事は食べれるけどむせ込まないように誰かがついてないといけません。摂取量も十分とは言えない。ADLも歩けているけど歩行器を使用していて自宅で一人での移動は無理。
家族からすれば、今まで全く手がかからなかったのに、常にだれか家にいなくてはいけないなんて、家族みんな仕事しているから無理! となる訳です。こんなことは、あなたもこの先必ず経験するハズです。
特に高齢者では、入院を契機に急速にADLの低下を来します。脳梗塞を起こしたわけでもないのに、嚥下機能が落ちたり、食事量も激減することはしばしば日常で遭遇します。
なので、すべての入院患者さんについて「栄養とADL」を忘れずに評価しておきましょう。
入院前の生活に戻れるのか? 転院や施設を考慮した方がいいのか? 早い段階で家族に見通しを伝えて、退院に向けての準備を始めておかないと、退院直前になって冒頭のようなことになってしまいます。
疾患のことばかりでなく、いろいろ目配せが大事ですが、特に「栄養とADL」はキモになることを覚えておきましょう。
(編集長)
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