臨床研修ブログ

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感染後咳嗽

2024.08.27
カテゴリー: カンファレンス 内科

遷延性・慢性咳嗽の原因として、今回は感染後咳嗽を取り上げます。

 

外来などで咳が長引く患者さんには、「かぜなどの感染後に咳が長いこと残ることが多くて、感染後咳嗽なんて呼ばれています」といつも説明するのですが、感染後咳嗽の定義は何かと言われると答えられないことに編集長は気づきました。

 

そこで、定義から確認すると、

「呼吸器感染症(特にかぜ症候群)の後に続く、胸部X線写真で肺炎などの異常所見を示さず、通常、自然に軽快する遷延性ないし慢性咳嗽」となっています。

 

付け加えると、原因微生物が気道から排除され、抗菌薬治療の適応がない、感染の後遺症としての咳嗽を指しています(マイコプラズマ肺炎や百日咳などは3週間以上となっても気道中に原因微生物が存在することがあるので、この場合は該当しません)。

 

感染後咳嗽は、臨床的な診断が基本で、以下の3点がある場合に診断されます。

①かぜ症候群が先行していること

②遷延性咳嗽あるいは慢性咳嗽を生じるた疾患が除外できること

③自然軽快傾向がある

 

成人の遷延性咳嗽に占める感染後咳嗽の割合は35%という報告がありますが、感染後咳嗽に対する特異的な薬剤はないため、中枢性鎮咳薬など非特異的治療となります。なので患者さんへは、禁煙やマスクの着用、飲水やアメなので喉を湿潤させることなどを指導します。咳のピークが過ぎて、他の疾患が除外されていれば自然軽快を待つように指導することも必要となります。

 

参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

           (編集長)

回診の一コマ

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