臨床研修ブログ

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市民公開講座のご報告

2025.02.20
カテゴリー: カンファレンス 内科

こんにちは、水戸済生会 脳神経内科のKiです。

 

普段は神経内科の一般診療を中心に行っていますが、その他には急性期脳梗塞に対する脳血管内治療(脳血栓回収療法)や、1-2週に1回のドクターヘリ乗務(フライトドクター)をしており、三刀流のつもりで頑張っています。

 

先日2月8日の土曜日の午後に私と脳神経外科のKo先生と認知症ケアナースともに、水戸市の内原イオンで市民公開講座を行ってきました。実は当院は内原イオンと提携して、年に3-4回市民公開講座を行っており、今回は脳神経系としては初めて市民の皆様の関心の高い、脳卒中と認知症についての講演会を行いました。

 

 

最初にKo先生から脳卒中の予防について、2番目にAさんから認知症患者さんとの向き合い方、最後に私から認知症の診断や最新の治療についてお話をしました。

 

脳卒中予防についてのKo先生の講演では、脳卒中は日本人の死因第4位、介護を必要とする疾患では第1位となっているため、予防が非常に重要性だとのお話がありました。予防としては生活習慣の改善が中心になります。脳卒中であれば高血圧の予防のために、塩分制限や適切な運動、毎日の過剰な飲酒は控えるべきですし、糖尿病の予防のために過剰な炭水化物接種を控えることも大事です。

 

また、特に急性期脳梗塞では、血栓溶解療法、血栓回収療法という、発症間もない時間に病院に来てもらわないとできない治療があり、発症したらすぐに病院を受診する、もしくは救急車を呼ぶことが重要です。ちなみにKo先生は脳血管障害の手術のスペシャリストで、特に脳血管のバイパス術を得意としており、実際に手術を行った症例についても紹介もされました。

 

認知症の人との接し方についての認知症ケアナースからの講演では、認知症患者さんの徘徊や、突然怒り出すことについても、本人なりの理由があり、それを尊重することが大事だというお話をされました。患者さんの意思を尊重することは、認知症患者さんの人権を尊重することにもつながります。

 

また、認知症のケアにおいては、患者さんのみではなく、介護する周りの家族の方の心と体の健康も非常に重要であり、どちらも保たれてこそ認知症のケアがうまくいきます。現在は水戸近辺にも認知症治療を中心に行う医療機関が何個かあり、それらを積極的に活用していくことが大事です。

 

最後に私からは、軽度認知機能障害や初期アルツハイマー型認知症に対する治療薬である、レケンビ®(レカネマブ)、ケサンラ®(ドナネマブ)についてお話をしました。

 

どちらの薬でも適応になるのは、かなり早期の段階であり、そのときの症状に気づくには、周りの家族がしっかり注意している必要があります。また、アルツハイマー型認知症では糖尿病がアルツハイマー型認知症のリスクであることが明らかになっており、こちらもやはり脳卒中と同様に生活習慣の改善が予防につながります。

 

その他には、講演会以外にもブースを設けて医師・看護師・栄養士の相談コーナーを用意して、リハビリからは高齢者の疑似体験、当院に併設する健診センターで用意している「のうKnow」という認知機能チェックのコーナーも用意しました。

 

 

脳神経系のイベントとしては初めての試みで、どのくらいの人が集まってくれるか心配でしたが、事前の予約だけで40人以上の予約があり、当日は全てのコーナーを含めて、のべ200人弱の方々に集まっていただき大変盛況でした。来ていただいた方々、当日のイベントのお手伝いをしてくれた当院スタッフの皆様にはただただ感謝です。

 

脳卒中と認知症は、現在の高齢化社会において非常に重要な疾患でもあり、今後も定期的にこのようなイベントを開催していこうと思っています。

(Ki)

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