臨床研修ブログ

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入院中の発熱には「8つのD」

2025.02.27
カテゴリー: カンファレンス 内科

あなたは、高齢の肺炎患者さんを担当しています。

 

入院時は低酸素血症も認めていましたが、徐々に酸素も減らせて昨日から終了できました。食事も摂れていて、むせ込みもありません。WBCもCRPもだいぶ改善してきました。明日には抗菌薬も投与終了の予定で、家族と退院の日程調整も終えたばかりです。

 

ところが、夕方の申し送りの時間帯に看護師さんから「先生、○○〇さんが、38℃と熱発していますよ。どうしますか?」と言われました。

 

なんで、このタイミングなの?と、がっかりする状況ですが、 こんな時、あなたはどう対応するでしょう?考えてみてください。

あなたが、

「ホントは明日で抗菌薬は終了予定だったけど、そのままもう少し継続しよう」と考えたのなら、あまり賢明な選択とは言えません。

 

発熱の原因は、肺炎なのでしょうか?例えば、尿道カテーテルが入っていて、尿路感染症かもしれません。点滴刺入部のところが発赤していて、点滴ラインからの感染かもしてません。もしかしたら、患者さんの膝が発赤して、熱感を持っていて、偽痛風の発作かもしれません。

 

つまり、他の感染巣を検索する必要があるのです。最低でも、患者さんを診察して、血液培養をとって、新たな異常所見がないか確認しましょう。

 

そして、こんな時に、熱源検索に役立つのが、「8つのD」です。

Device(デバイス)

・CD(CD腸炎)

・CPPD または Pseudogout(ピロリン酸カルシウム結晶沈着症 または 偽痛風)

DVT(深部静脈血栓症)

Drug(薬剤)

Decuvitus(褥瘡)

・GB Debris(絶食による無石性胆泥)

Deep abscess(深在性膿瘍)

 

以前に、徳田先生から7Dと教わりましたが、当院では最後のDeep abscessを加えて、「8つのD」で覚えるようにしています。もう少しで治療が終わるとか、退院目前といった患者さんの発熱を見たら、「8つのD」思い浮かべながら診察をしていきましょう。

(編集長)

総合内科の回診の一コマ

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