臨床研修ブログ

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胸水 その3

2020.12.05
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回の続きです。

今回は胸水についてのまとめを

シェアします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<胸水の鑑別の進め方>

まず胸水は滲出性か漏出性かに

分けます。

 

滲出性胸水の診断基準として有名

なのが、Lightの基準です。以下の

3項目のうち1項目以上満たせば

滲出性の診断となります。

 

・胸水/血清蛋白比>0.5

・胸水/血清LDH比>0.6

・胸水LDH値が血清LDHの上限値

 よりも2/3以上

 

その他に調べると良い項目としては

主に以下が挙げられます。

 

・グラム塗抹や培養:細菌感染

・細胞数:好中球優位なら肺炎随伴性、

 悪性、肺塞栓、膵炎、リンパ球優位なら

 腫瘍性、結核性、心術後

・糖:低値だと肺炎随伴性、悪性、

 結核性、リウマチ性など

・pH:胸水の正常pHは7.64。pH<7.2の

 場合膿胸の存在を強く疑い、胸腔

 ドレナージの適応。その他膠原病や

 消化管穿孔、悪性腫瘍も疑われる

・アミラーゼ:膵炎や食道破裂

・細胞診:悪性所見がないか。ただし

 1回目の細胞診で診断できるのは

 60%程度。

 

前回の記事で、肺炎随伴性胸水の

ドレナージ適応の部分で触れましたが、

pH<7.2だと膿胸のリスクが高くなり、

ドレナージ必須です。

 

PH低下の原因としては胸水中のLac上昇、

細菌代謝によるCO2上昇が挙げられる

ようです。

 

糖の低下、LDH上昇も認められる所見

ですが、pH<7.2は単一で予後を規定する

とのことで、pHが重要な所見であると

わかりました。ちなみに、胸水pHだけでも

早く確認したい時の裏技として、採取した

胸水にヘパリンを数滴加えて血ガス用の

機械で測定する方法もあると指導医の

先生から伺い、驚きました!

(ナオちゃん)

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朝のカンファで症例のプレゼン

—–

胸水 その2

2020.12.03
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回の続きです。

今回は胸膜炎の症状について

シェアします。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<症状>

肺炎と同様。胸痛がないからといって

胸膜炎を否定することはできず、

抗菌薬投与にもかかわらず改善に

乏しい場合には、肺炎随伴性胸水や

膿胸を疑わなければならない。

 

<治療>

原因に対する治療を行う。感染症に

対しては抗菌薬、癌性に対しては

抗がん剤投与など。胸水量が多い

場合は胸水穿刺も行い、癌性胸膜炎

の場合は胸膜癒着術を行う場合もある。

 

前回提示した症例は細菌性肺炎に

伴う肺炎随伴性胸水でした。この場合、

胸腔ドレナージの適応となるのは

以下のことが挙げられています。

 

・   合併疾患の存在

・   抗菌薬治療に不応性

・   嫌気性菌が原因菌

・   pH<7.2

・   胸部Xpで胸腔の50%以上の胸水

(ナオちゃん)

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胸水 その1

2020.12.01
カテゴリー: カンファレンス 内科

J1のナオちゃんが肺炎・胸膜炎の

症例を経験して、疑問点をまとめ

てくれたのをシェアします。

 

経験した症例のことをきちんと

調べておくと、記憶に残りやすい

ですし、効率的に勉強できますね。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

60代男性

吸気時の左背部痛を主訴に来院。

血液検査でWBC、CRPが上昇し、

胸部レントゲンで左胸部浸潤影と

左胸水を認め、肺炎・胸膜炎の

診断で抗菌薬を開始始しました。

入院翌日に胸部レントゲンを再検

すると左胸水の増加を認めました。

 

胸水は増えているけれど、どういう

状況だったら穿刺やドレナージを

しないといけないのか?

胸水の検査は何をすればいいのか?

心配されている患者さんやご家族に

胸水が増えていることをどのように

説明すればいいだろう?

と疑問点がたくさんあったので、

調べてみました。

 

【 胸膜炎】

胸膜炎とは、胸膜の炎症によって

胸水が貯留した状態であり、通常は

病歴と診察で疑われ、胸部X線などの

画像検査で胸水の貯留が確認できます。

 

<診断>

胸部X線、エコー、CTなどの検査にて

胸水を認め、胸水検査によって診断される。

 

<原因>

感染症や悪性腫瘍が多い。罹患率は

地域により異なっており、日本では

癌性胸膜炎と結核性胸膜炎が多く、

全体の60-70%もの割合を占めている。

 

胸膜炎の原因はいろいろありますが、

UpToDateには以下のような疾患が

記載されていました。

 

・感染症

細菌性肺炎、結核性胸膜炎

寄生虫、真菌感染、非定型肺炎

(ウイルス性、マイコプラズマなど)

ノカルジア、アクチノミセス

横隔膜下膿瘍、脾膿瘍

肝膿瘍、肝炎、食道破裂

胆嚢炎

 

・医原性・外傷

CVカテーテルの誤挿入、移動

薬剤性、食道穿孔、食道硬化療法

胃管の誤挿入、肺腫瘍へのラジオ波

血胸、乳び胸

 

・悪性腫瘍

肺がん、リンパ腫、悪性胸膜中皮腫、

白血病、乳び胸、悪性随伴胸水

など

 

・その他の炎症性疾患

膵炎、肺梗塞、石綿暴露、放射線照射

尿毒症性胸膜炎、サルコイドーシス

ARDS、Postcardiac injury syndrome

 

・悪性腫瘍や炎症に伴う胸腔内陰圧増加

肺のエントラップメント

コレステロール胸水(結核、慢性関節リウマチ)

 

・膠原病

SLE、リウマチ性胸膜炎、MCTD

好酸球性多発血管炎性肉芽種症

(Churg Strauss syndrome)、

家族性地中海熱、

多発血管炎性肉芽腫(Wegener肉芽腫)

 

・内分泌疾患

甲状腺機能低下症、

卵巣過剰刺激症候群(OHS)

 

・リンパ管異常

悪性腫瘍、乳び胸

 

・腹腔内からの移動

膵炎、膵仮性嚢胞、Meigs症候群

乳び腹水、がん性腹水、横隔膜下膿瘍

肝膿瘍、脾膿瘍、脾梗塞

 

・その他

肺静脈狭窄、子宮内膜症、溺死

電撃症、毛細血管漏出症候群

髄外造血

(ナオちゃん)

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尿中肺炎球菌抗原

2020.11.17
カテゴリー: カンファレンス 内科

80歳台の男性

ADLは自立し、何とか自宅で生活

していました。今回は食欲低下と

体動困難を主訴に救急要請し、

当院に搬送となりました。

 

体温38.6度、呼吸回数22回という

以外はバイタルに問題なく、SpO2は

室内気で92%でした。

 

胸部レントゲンでは、右中肺野に

肺炎像を認め、尿中肺炎球菌抗原

検査は陽性であったことから、

肺炎球菌性肺炎による発熱、

体動困難、低酸素血症と診断しました。

 

ここで家族に検査結果等を説明して

いたら、実はちょうど1か月前に、

肺炎と診断され、かかりつけ医で経口

抗菌薬を処方されていたことが分かり

ました。その時の抗菌薬が何かは不明。

 

となると、今回の尿中肺炎球菌抗原が

陽性というのは、どう解釈したらよいの

でしょうか?

尿中肺炎球菌抗原検査はよく使われる

検査なので、ここでまとめておきます。

 

肺炎球菌の莢膜多糖を検出する

検査で、感度は70~80%,特異度は

94~99%程度

 

抗原を見ているので、抗菌薬開始後

でも診断に使えます。

 

尿中で検出されるのは、発症から3日目

以降とされ、発症直後は陽性にならない

場合があります。逆に、いったん陽性に

なると数週間から数か月にわたって

陽性が持続します。

 

他の微生物と交差反応性はありません

が、共通抗原をもつ Streptococcus mitis 

による偽陽性があります。

 

小児では、鼻咽頭に保菌している場合、

症状がなくとも陽性になることが知られ

ており、有用性は低くなります。

 

肺炎球菌ワクチン接種後の数日間は

陽性になることがあります。

 

冒頭の症例では、1か月前の肺炎が

肺炎球菌性肺炎であったかは不明ですが、

検査結果の解釈には注意が必要です。

この場合は、尿中抗原検査だけに頼らず、

喀痰のグラム染色を確認することが

鑑別に役立ちます。

 

グラム染色で陽性球菌がみられたら、

肺炎球菌と考えてOKですが、はっきりしない

場合は他の起炎菌も考慮する必要が

あります。

(編集長)

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今日も患者搬送お疲れ様です!

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鑑別疾患のあげ方(解剖学的アプローチ)

2020.11.03
カテゴリー: カンファレンス 内科

引き続き、鑑別疾患のあげ方を

紹介します。編集長が勧める

方法は2つ。

 

1つ目はVINDICATE!!!P

そして2つ目が、解剖学的アプローチ

です。

 

この方法が、具体例を出した方が

分かりやすいので、やってみましょう。

 

では、「胸痛」の鑑別をできるだけ

たくさんあげてみてください

いくつ鑑別をあげられましたか?

 

狭心症、心筋梗塞、大動脈解離、

肺塞栓、気胸・・・・

多くの研修医は、ERで見落とすと

ヤバい疾患はすぐに言えても、あまり

ヤバくない(生命にすぐにかかわらない)

疾患は、なかなか挙げられません。

 

この時、解剖学的に近い臓器や組織を

考えていくと思い出しやすくなります。

 

具体的に、胸に近い臓器は

皮膚:帯状疱疹

 

乳房:乳癌、乳腺炎

 

:肋骨骨折、圧迫骨折、骨転移

 

筋肉:筋肉炎

 

肺(さらに胸膜、肺胞、間質、気管支、

気管と分けて考えましょう)

気胸、胸膜炎、肺癌、肺炎、気管支炎

 

心臓(冠動脈、心外膜、心筋、弁)

狭心症、心筋梗塞、急性心外膜炎、

心筋炎、肥大型心筋症、大動脈弁狭窄症、

 

大血管(大動脈とその分枝、大静脈)

大動脈解離、大動脈瘤破裂

 

縦隔:縦隔炎、縦隔気腫、縦隔腫瘍

 

食道:逆流性食道炎、食道破裂、食道腫瘍

 

:胃炎、胃潰瘍、胃癌

 

肝臓:肝膿瘍、肝腫瘍

 

胆嚢・胆道:胆石、胆嚢炎、胆管炎

 

甲状腺:甲状腺炎

 

神経:肋間神経痛、帯状疱疹後神経痛

 

横隔膜:横隔膜下膿瘍

 

まだまだあると思いますが、このように

解剖学的に近いものを順に頭に浮かべて、

それに関する疾患をあげていくと

意外とたくさん出てきます。

 

臨床の現場では、前回紹介した

VINDICATE!!!+Pと、この解剖学的に

攻める方法を無意識に組み合わせて

鑑別疾患を考えていると思います。

 

医学生や研修医のうちは、鑑別疾患を

たくさんあげるトレーニングを意識しましょう。

と同時に、鑑別疾患を広げるだけでなく、

目の前の患者さんの診断に至るように

鑑別を絞り込むトレーニングも大事な

ことを忘れないようにして下さい。

(編集長)

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いくらERが忙しくても、鼻マスクはアウトですよ

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鑑別疾患のあげ方(VINDICATE!!!P)

2020.10.31
カテゴリー: カンファレンス 内科

早いもので、もう11月ですね。

J1のあなたも、だいぶ仕事に慣れて

来たはずです。J2のあなたは、

後期研修先をどうするかで、

まだ悩んでいるかもしれません。

 

研修医のうちに必ず身に着けて

もらいたいことの一つに、

「鑑別疾患のあげ方」があります。

 

鑑別疾患は、星の数ほどあるので

全部覚えることは無理です。

 

でも、鑑別疾患のあげ方(フレーム

ワーク)をおさえておくと、考え

やすくなるだけでなく、抜けが

なくなるのでぜひ覚えて下さい。

 

編集長が勧める鑑別疾患のあげ方は

2つあります。

 

1つ目は病因から攻める方法

有名な VINDICATE!!! + P

(ヴインディケイト+P)です。
 

2つ目は解剖学的に攻める方法です。

 

今回はVINDIVATE!!!+P

(ちなみに!!!にも意味があります)を

紹介します。

V:Vascular (血管系)
I:Infection (感染症)
N:Neoplasm (良性・悪性新生物)
D:Degenerative (変性疾患)
I:Intoxication (薬物・毒物中毒)
C:Congenital (先天性)
A:Auto-immune (自己免疫・膠原病)
T:Trauma (外傷)
E:Endocrinopathy (内分泌系)
!:Iatrogenic (医原性)
!:Idiopathic (特発性)
!:Inheritance (遺伝性)
P:Psychogenic (精神・心因性)

 

これは有名なティアニー先生が

紹介していたものですが、すごい

ところは全ての疾患が網羅されている

ところです。もともとティアニー先生が

病理学をやっていたので、こんな

アプローチに至ったと聞いたことが

あります。

 

原因が良く分からない、どこに

とっかかりを求めればいいのか

わからない、そんな時に呪文を

唱えながら鑑別を考えてみて下さい。

 

次回は解剖学的に攻める方法を

紹介します。

(編集長)

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徳田先生のカンファより

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HIT その3

2020.10.17
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回はこのシリーズ最後になります。

HITの治療についてです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

HITの治療としては、病態の中心となる

トロンビンの産生抑制と、すでに産生

されたトロンビン不活性化が目標となる。
 

つまりヘパリンの速やかな中止と、

抗トロンビン剤の使用を行う。
代替の抗凝固剤としては、選択的かつ

直接的抗トロンビン剤であるアルガトロ

バンが推奨される。

 

これはヘパリンと構造上相同性がない

こと、分子量が小さいため抗原性に

乏しいことが理由である。

 

アルガトロバンはトロンビンによる

血小板凝集を強力に阻害するが、

血小板刺激作用はない。ワーファリンや

血小板の輸血はtype 2の急性期治療には

原則禁忌である(むしろ増悪させる)。
 

血小板数が回復した時点で,抗トロン

ビン薬と併用する形で投与を開始し,

臨床症状が落ち着いた時点でワーファリン

単独治療への切り替えを行う.
 

抗血小板剤はHIT抗体によって活性化

された血小板を抑制する作用は強くない

ので通常使用されない。

 

アルガトロバンは高価な薬ではあるが、

これを使用するしかないのが現状である。

(Suzu)

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カルテを書くのに、ちょっと飽きてきたところ♪

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HIT その2

2020.10.13
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回もHITの続きです。

今回は病型についてです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

HITはtypeⅠと typeⅡの2つの病型に

分類される。

 

TypeⅠは、ヘパリンによる血小板への

直接刺激により血小板数減少が引き

起こされる。投与2~3日後に10~30%

の血小板減少が生じる。

 

通常、血小板数が10万以下になる

ことは少ない。頻度は使用例の約10%、

使用量依存性に発症すると言われる。

一般にヘパリンを中止することなく、

血小板数は自然に回復する。

一方、重篤な合併症が問題となるのは

TypeⅡである。このタイプでは

ヘパリンと血小板第4 因子(PF4)から

なる複合体に対する抗体(HIT抗体)が

血小板に結合し、血小板を活性化し、

血小板数減少と血栓形成を引き起こす。

 

免疫学的機序を介するため、ヘパリン

使用量が少量でも発症する。発生頻度は

0.5~5%という欧米からの報告がある。
 

HIT抗体は、ヘパリン開始後5~14日

以内に出現するが、ヘパリン投与開始後

急速に発症するタイプがあることも知られ

ている(もともとHIT抗体を持っている人と

考えられている)。
 

血小板板が2万/μL程度にまで急激に

減少する。検査としては、ELISAによる

HIT抗体の検出や、ヘパリン惹起血小板

凝集能の測定が有用である。

 

Type Ⅱは免疫疾患なのでヘパリンの

再使用は避ける。点滴のヘパロックも

禁忌である。

(Suzu)

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ICUで指導医と議論中

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HIT その1

2020.10.10
カテゴリー: カンファレンス 内科

入院中の患者さんで、採血フォローを

していると、血小板数が微妙に低下

していることに気づくことがあります。

 

例えば15万→11万→9万という

感じで、急激に低下するとは限らない

ので、見落としている時もあります。

 

血小板数が低下する理由は色々と

ありますが、意外と隠れているのが

HITです。

 

今回もSuzuがHITについてまとめて

くれたのでシェアします。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:

(Heparin-induced thrombocytopenia)は、

出血に次ぐ、ヘパリンの重大な副作用の

一つである。欧米からの報告が多いが、

本邦ではその認識は案外十分ではない。

 

HITの病態としては、

①(未分画、低分子分画を問わない)

ヘパリン投与中に発症し、急激に

血小板数が減少すること

②ヘパリン投与中止により血小板数が

速やかに回復すること

③動静脈塞栓症をしばしば合併すること、

が挙げられる。
 

ハイリスク群が知られていて、重度の

冠動脈硬化症の患者、糖尿病腎症、

悪性腫瘍、血管合併症を認める透析患者

(導入期)、手術後などが報告されている。
(次回に続きます)

   (Suzu)

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ちゃんと力入れてる?

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中葉(舌区)症候群

2020.10.08
カテゴリー: カンファレンス 内科

数か月の間に3回も右中葉の肺炎に

罹患した症例を経験しました。その際に

Meguが調べてくれたことをシェアします。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

中葉(舌区)症候群とは、右中葉や

左舌区に反復して起こる無気肺や

慢性炎症のことをいう。
 

これらの部位は構造上閉塞しやすく、

リンパ節の腫大等でも気管支が圧迫

され、拡張不全をきたすことがある。

また、構造上発育も不十分なことが

あり、生体防御力が他の肺の部位に

比較して低いことも要因の一つである。
 

臨床症状は繰り返す肺炎、咳嗽、

胸膜の刺激による胸痛等がある。

診断は、胸部レントゲンにて中肺野の

透過性低下、単純CTにて中葉や

舌区の含気不良や萎縮像と、その中に

拡張した気管支を認める。

気管支鏡では腫瘍等による物理的な

閉塞がある場合を除き、気管支は拡張

していることが多い。感染が加わると、

粘膜の発赤・腫脹や膿性分泌物、

病巣部からの出血がみられることもある。
 

治療は、感染がある場合は病原体を

同定し抗菌薬加療を行う。気管支拡張

については去痰薬、体位ドレナージ等

気管支拡張症に準じた治療を行う。

 

繰り返す肺炎や喀血で、病変が限局

する場合には外科的切除を検討する。

(Megu)

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