臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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CRBSIの治療   松永先生の感染症カンファより

2018.03.08

松永先生の感染症カンファから

「人工物・デバイス感染」の内容を

紹介しています。

 

前回は血管内留置カテーテル関連菌血症

(CRBSI)の診断について紹介しました。

今回はCRBSIの治療についてです。

 

CRBSIであっても、それ以外の人工物や

デバイスの感染であっても、治療の原則は

・抜くのが基本

・静注抗菌薬での治療    です。

 

CRBSIの場合、カテーテルを抜いてしまえば

OKと安心して、抗菌薬が使われていない

状況に遭遇することがあります。菌血症

(血培で陽性)になっているのですから、

必ず抗菌薬は使用しないといけません。

 

では、抗菌薬の投与期間は具体的に

どのくらいが必要となるのでしょう?

 

コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)

抜去した場合 5-7日

・抜去なしの場合 10-14日

  (抗菌薬ロックを加える)

 

黄色ブドウ球菌

・抜去のうえ14日以上

 

腸球菌

・抜去のうえ7-14日

 

グラム陰性桿菌(GNR)

・抜去のうえ7-14日

 

カンジダ属菌

・抜去のうえで、初回血液培養陰性から14日

 

繰り返しますが、CRBSIでは抜いただけでは

ダメです。静注抗菌薬での治療を忘れない

ようにしましょう。

(編集長)

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春の合同病院説明会のご案内

春休みに病院説明会が開催されます。

当院も参加しますので、ぜひブースに

お越しください!

 

茨城県臨床研修病院合同説明会

日時:平成30年3月11日(日) 午後1時~午後5時

場所:イーアスつくば 2Fイーアスホール

詳細はこちら

http://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/jinzai/ishikakuho/isei/ishikakuho/mstudent/godosetsumeikai.html

 

レジナビフェアスプリング2018東京

日時:平成30年3月18日(日)午前10時~午後5時

場所:東京ビックサイト 西1ホール

詳細はこちら

https://www.residentnavi.com/rnfair/ts180318

 

 

◆春休みを利用して、当院へ病院見学に

 来ませんか?

 

当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?

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参加してみたい方こちらからご連絡ください。

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CRBSIの診断   松永先生の感染症カンファより

2018.03.01

先日行われた松永先生の感染症カンファ

からのご紹介です。今回のテーマは

「人工物・デバイス感染」でした。

 

人工物やデバイスを植え込む状況は多く

ありますが、感染症的には短期留置型

デバイスと長期留置型デバイスに分けて

考えます。

 

短期留置型デバイスには

・血管内留置カテーテル

・尿道留置カテーテル

・人工呼吸器関連感染

・脳室ドレナージ

などがあります。

 

長期留置型デバイスには

・長期留置型血管内留置カテーテル

・心血管系デバイス

 心臓植え込み型電子デバイス(CEID)

 機会弁

 血管グラフト

・整形外科関連

 人工関節

・脳神経外科関連

 脳室―腹腔シャント

などですね。

 

さて、日常で多く遭遇するのは使用頻度の

多い血管内留置カテーテル関連菌血症

ですね。短期留置型デバイス感染の代表

です。英語ではCatheter-related Blood

Stream Infectionと言って、CRBSIと

略されます。

 

このCRBSIは疑うことが大事で、治療には

抜去+抗菌薬の投与が基本です。でも、

患者さんの状態によっては抜けない、

抜きたくない、抜いても次を入れられない

という切羽詰まった状況も出てきます。

つまり、感染でなければ残しておきたい・・・・。

 

こんな時はどう判断したら良いでしょう?

 

一つ参考になる方法が松永先生から紹介

されていました。それは、CRBSIを疑った

ら末梢血から血培1セットとカテーテルから

血培を1セットそれぞれ採取します。末梢血

に比べて、カテーテル血の方が2時間以上

速く培養陽性となればCRBSIと判断して

良いだろうとのことでした。

 

重症患者さんほど判断に悩む時が多いので、

試してみる価値がありそうですね。

 (編集長)

 

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グラム染色のネクタイピン? 松永先生の感染症カンファ報告

2018.02.24

このブログでもたびたび紹介している

帝京大学感染制御部の松永先生に

お越しいただき、今年度最終となる

カンファが2月22日に開催されました。

 

今回のテーマは「人工物・デバイス感染」

 

臨床でも、人工物やデバイスを植え込む

状況は多くあります。CVカテーテルや

PICカテーテル、尿道カテーテルは

日常のことです。さらに人工関節や

ペースメーカー、人工弁、人工血管、

ステントやステントグラフト、脳室―腹腔

シャント、腹膜透析カテーテルなどなど

 

人工物やデバイス関連感染症でも

感染症診療の流れは変わりません。

 

「どこに? 何が?」という診断の2つの軸

「物理的、化学的」という治療の2つの軸

 

ただ、人工物やデバイス関連感染症には

押さえるべきポイントがあります。それは

  • 疑うことが大事
  • 抜くのが基本
  • 静注抗菌薬での治療

先生はこの点を何度も強調していました。

 

さて、あなたに役立つ内容の紹介は

次回以降にすることにして

今回はカンファ後の様子を紹介します。

 

今年度最後のカンファだったので、

松永先生が今まで読んだ本から

J2それぞれの進路に合わせた本を

チョイスしてプレゼントしてくれました。

 

 

一方、J2からはお世話になったお礼に

ネクタイピンを贈りました。レインボーを

イメージしたドットがあるデザイン。

 

 

なかなか素敵なネクタイピンで、羨まし

かったのですが、これを選んだ理由が、

「ドットがグラム染色に見えたので、

松永先生にぴったり!」 ??

なるほど、と妙に納得しました(笑)。

 

初期研修を終えてそれぞれの専門に

進んだとしても、感染症と縁を切ることは

できません。

 

松永先生のカンファで繰り返された

「どこで? 何が?」を忘れることなく、

それぞれの領域で診療に当たって

ほしいと思います。

 

新年度も松永先生の感染症カンファが

開催されます。感染症に興味のある

あなたはぜひ参加してみて下さい!

(編集長)

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