臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

患者さんとの会話をスムーズにするコツ

2022.12.27
カテゴリー: 初期研修

80歳代後半の男性患者さんが入院してきました。ADLは自立していたものの、当然ながら軽度の認知症もあります。病歴を聞こうと思っても、なかなか話を分かってくれないし、自分からは話をしてくれません。

 

こんな時、あることを尋ねたら、その後は患者さんがいろいろ話をしてくれるようになりました。

どんな質問をしたのでしょうか?考えてみてください。

答えは、「以前の職業」です。

 

この患者さんは、若いころから魚屋さんをやっていたそうです。その話を聞き出したことをきっかけに、患者さんはいろいろ話してくれるようになりました(病歴とは関係ない話もだいぶありましたが・・・笑)。

 

患者さんが、あまり話してくれないことはよくありますが、こちらとしては結構ストレスですよね。こんな時は、FORMを意識して

質問してみるといいかもしれません。

 

FORMとは

Family:家族のこと

Occupation:仕事のこと

Recreation:趣味のこと

Message:自分の信念や人生観など

 

これらのことは、自分から話しやすいからです。また職業について言えば、現役で仕事している方なら、今後の検査プランや、治療プランをどうするかにも関わるので、編集長は必ず聞き出しています。

 

初めのうちは、何となく聞きにくいかもしれませんが、いろいろ役に立つので、必ず聞き出しておきましょう。

(編集長)

患者さんのところに行く前の情報収集中

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あなたが入院時から取り組むべきこと

2022.12.22
カテゴリー: 初期研修

指導医から、「入院が入ったから、先生よろしく」と連絡が来ました。

 

あなたは、何の疾患?主訴は? 今回の入院中にやることは? こういったことを指導医に確認するはずです。

 

この時、指導医が言わなくても、あなたが考えておかなければならないことがあります。それは何でしょう?

答えは 「どうやって退院させるか?」 です。

 

特に高齢の患者さんの場合、今まで自宅で生活していた人でも入院することでADLが一気に悪くなり、自宅での生活が困難になってしまうことがあります。

 

患者さん自身は何とかなりそうだとしても、いわゆる老々介護と呼ばれる高齢の夫婦だけの世帯では、配偶者も病気を抱えていたりするので、完全に元のレベルに戻らないと、自宅で生活できないことが良くあります。高齢者の独居者の場合では、その子どもは遠方に住んでいたり、全く身寄りがいなかったりすることもあります。

 

しかも、今まで困っていなかったので、介護保険などの社会的リソースを全く利用していなかったり、たとえ同居の家族がいても、日中は仕事で不在のため、事実上の一人暮らしだったり。

 

医学的には病気が治ったり、寛解状態に持ち込めても、このように、「退院できない」「退院させられない」という状況に、日常臨床では非常に多く遭遇します。

  

大事なことは、入院の段階で患者さんの退院後の生活をイメージして、看護師やソーシャルワーカーやリハビリスタッフと相談しながら、退院に向けての準備を始めることです。

 

研修医のうちは、どうしても医学的なことに関心が向かいます。もちろんこれは悪いことではありません。でも、入院患者さんの病気を治しても、自宅に帰れないとか帰せない時にどうしたら良いのかアイデアがないと非常に困りますね。

 

ちなみに当院の総合内科では、担当患者さんの入院から退院、さらに退院後のフォロープランまで計画を立てる段階から関わっていくことを求められます。そんな総合内科をローテーションを終えた研修医は、「患者さんの退院のさせ方を今まで考えたことが無かった」 「どうやって退院させるかについて、看護師さんやリハビリと情報を共有するようになった」とよく言ってくれます。

 

疾患を治すこと、コントロールすることは重要ですが、患者さんにとって、どういう形で退院してもらうか?そのために何をすべきなのか?あなたも入院の時点から考えてみてください。

(編集長)

さて、退院どうしようか?

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ものの見方・・・多職種カンファの重要性

2022.12.13
カテゴリー: 初期研修

「もしあなたが金槌しか持っていなければ、全ての問題は釘に見えるだろう」

(欲求階層説で有名な心理学者アブラハム・マズロー)

 

いきなり何のこっちゃと思われるかもしれませんが、この言葉の意味はこんなことです。

患者さんのことで、何かの問題を解決する必要に迫られた時、

・消化器内科医は消化器内科の観点で

・消化器外科医は消化器外科の見地で
・循環器内科なら循環器内科の視点で

・看護師なら看護師の視点で、解決策を考えます。

 

つまり自分の持っている「最も使いやすく手近な道具」を使って解決する傾向が強い、ということです。

 

「自分が最も使いやすく手近な道具」使って問題を解決するということは、もちろん悪いことではありません。これは言い換えれば「長所発揮」であり、強みを生かして課題や困難にチャレンジすることは重要です。

 

しかし、当然ながら全ての問題が「自分が最も使いやすく手近な道具」解決できる訳ではありません。ところが、無意識に「手近な道具」を使って考えているので、そのことに気づくのに時間がかかります。

 

これを日常臨床に当てはめると、患者さんの問題を解決するためにカンファレンスなどで他の診療科の先生と議論をしたり、看護師さんやリハビリ、ケースワーカーなどと患者さんについて意見を出し合う場が必要ということです。自分の診療科内だけでなく、他の診療科や職種との議論は、自分が気づかなかったアプローチを気づかせてくれる貴重な機会なのです。

 

特に多職種が参加するカンファでは疾患のことだけでなく、患者さんの居住環境、交通手段、さらに職業や家族関係が問題となることがしばしばあります。逆に言えば、これらを無視して治療は成立しないのです。そのことに気づかせてくれる重要な機会と考えると、多職種カンファを違った視点で楽しめるかもしれません。

 

「自分が手にしているのは、多くの場合金槌である」ということを自覚しておかないと、自分の知っている範囲でしか考えなくなり、こじつけて解釈したり、手段が目的化してしまう危険性があります。

 

医学生や研修医のあなたの強みは、診療科や職種を気にすることなく、いろいろな人に相談できることです。積極的に相談して、幅広い見方を出来るように、日々トレーニングしてください。 

(編集長)

多職種との回診風景

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患者さんに挨拶して、その次にかける言葉は?

2022.12.06
カテゴリー: 初期研修

ERでも病棟でも、患者さんから話を聞く時や診察する時に、あなたは患者さんの名前や生年月日を確認して、「こんにちは、研修医の○○と言います。よろしくお願いします。」と、まず挨拶して名乗りますよね?

 

では、挨拶した次に、あなたは患者さんにどんなことを言っていますか? ちょっと今日の病棟のことを思い出してみてください。

もしかして、いきなり「普段のお薬はどこでもらっていますか?」とか、「いつから痛かったんですか?」など、指導医から聞いて来いと言われたことを聞いていませんでしたか? それって患者さんはどう感じたでしょうか?

 

実はだいぶ昔の話ですが、編集長が病棟の患者さんのところに行って、話を聞いて立ち去ろうとしたら、こんなことを言われました。

 

「聞きたいことだけ聞いたら、さっさといなくなるんだな」

 

そう、こちらの聞きたいことを矢継ぎ早に質問して、それが終わればさっさと立ち去ってしまう。患者さんからすれば、いきなり来て、意図のよくわからない質問をされたけど、いったい何しに来たのか分からない、というのが正直なところでしょう。

 

患者さんに言われたこの言葉は、当時の編集長の胸に刺さりました。

 

どうして挨拶の後に、「今つらいところはどこですか?」「腹痛で来院されたと聞いたのですが、今はどうですか?」 というように、患者さんをいたわる言葉をかけなかったんだろうと反省しました。

 

そして今でもこのことは気を付けています。挨拶の次に具合を尋ねたり、いたわる一言があるだけで、患者さんは間違いなく安心してくれてます。

(編集長)

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済生会のアツい指導医講習会

2022.12.01
カテゴリー: 初期研修

いつも救命救急センターだよりを書いてくれているNao先生ですが、今回はいつもと違ったトピックで記事を書いてくれました♪ ぜひご覧ください!

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皆さん、空飛ぶ消化器内科を目指すnaoです、こんにちは。

先週末の11月26日、27日は済生会の指導医講習会でした。

 

皆さんは“指導医”という制度についてご存じでしょうか。

 

○○学会専門医・指導医

など、指導医という言葉がいろいろなところで用いられていますが、初期臨床研修における“指導医“は特別な意味があります。

 

それは厚労省の認める指導医養成プログラムでしっかりと学び(“しっかり”というのは、厚労省により厳密なルールが定められていて、非常に厳格で、全ての参加者がしっかりとその全てのプログラムを修了したことを証明する必要があります)、修了した医師に“指導医”という資格が与えられます。

 

実は済生会グループでも初期臨床研修制度が始まった頃から指導医講習会を行っておりまして、今回で第48回を迎えました。そして、なんと!次回49回は当院(水戸済生会総合病院)が主幹となります!!!

 

済生会の指導医講習会の講師(タスクフォースと呼びます)は非常にアツい方が多いです。どれくらいアツいかというと、まだ臨床研修制度が始まってすぐ、研修制度がまだまだ未熟だったころから指導医講習会のためにアツく議論し、臨床研修はどうあるべきか、指導医はどうあるべきかを突き詰め続けてきたセンセイたちの集まりです。このセンセイたちによる二日間の講習は非常に濃いもので、研修に来た指導医の先生たちは、明日からの研修医指導へのアツい想いとともに各病院へ帰っていきます。

 

もっと細かくお話ししたいですが、実際に参加していただかないとなかなかこの強い想いは伝えられないかと思いますので、是非とも7年目以降に実際に指導医講習会を受けていただければと思います。

 

そしてこのブログで何が言いたいのかと言いますと…

 

私たち臨床研修センターのスタッフは次回の指導医講習会の主幹病院として私のほか、院長、センター長、臨床研修センターの事務スタッフ(ほかにも運営にかかわる事務スタッフ)と臨床研修センターの全てのメンバーがこの講習会に参加してきました。もちろん次回も、運営スタッフとして参加します。

 

運営としてでも指導医講習会に参加することで、初期臨床研修へのアツい想いを全員で受け取り(院長、センター長、私は当然もともと指導医ですので過去に指導医講習は受けておりますが、今回参加することで初期臨床研修に対する想いを新たにすることができました)、より良い臨床研修に結び付けていくことができますので、これからさらに当院の初期研修がパワーアップしますので、ご期待ください! 

(Nao)

 

 

指導医講習会でのタスクフォースを務めたNao先生

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内定式を開催しました

2022.11.29
カテゴリー: 初期研修

マッチングが発表されて、もう1か月がたちますが、当院にマッチした10名を迎えての内定式をZoomで開催しました。

 

我々の歓迎の気持ちや、同期になる仲間同士の顔合わせ、そして先輩になるJ1に危機感(!)を持ってもらいたいという意図で初めて企画しましたが、最初はやや表情が硬かったものの後半はだいぶ打ち解けてくれて良かったです。

 

内定式では院長からの歓迎のあいさつと、内定者全員の自己紹介、直接の先輩となるJ1数名から歓迎のメッセージと続きました。最後は編集長が〆のあいさつで中締めとなりました。

 

中締めの後は司会をしてくれたNao先生が「もう我々の仲間ですから、何でもきいてください」と入職までの質問などを受け付けて、J1がそれに答えてくれていました。アパートに住む場合には、場所はどの辺がいいのか?いつから探し始めるのがいいのか?など、具体的な質問が多かったようです。

 

卒試が終わった大学もあれば、もう少しという大学もあります。国試まで残された時間が短くなってきましたが、体調に気を付けながら最後まで頑張ってください。

(編集長)

内定式@Zoom

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◆今夜です!エムスリーの研修病院ナビ座談会

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2022年11月29日(火)18:30~19:00

 

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退院までの道のり(3)

2022.11.24
カテゴリー: 初期研修

今回は実際に転院調整のながれを見てみましょう.

 

転院調整が必要になる患者さんは,食事摂取困難であったり,痰が多く頻回の口腔内吸引が必要になる患者さんが多くを占めます.転院/新規施設退院の必要がある場合,まずはソーシャルワーカー(MSW)さんに相談します.この時に必要になるのが,患者家族との治療,ADL回復のゴール設定と共有です.転院後の治療目的を共有することと,急性期病院と慢性期病院の医療提供体制の違いの認識共有もまた,事前に必要な事項です.

 

これらを患者や家族から聴取したら,多職種での情報共有後に本格的に転院調整を行なっていきます.MSWさんが家族と面談,電話相談をとってくれて,具体的な転院先の提示を患者家族にします.その後,数回の話し合いを経て希望の転院先が候補がいくつか決定します.

 

転院先が決定したら,患者さんの現状の紹介状を作成し,転院先候補にに診療情報提供します.そこで転院待ちの状態となり,順番が回ってきたらいざ転院といった流れとなります.

 

大まかな流れは以上ですが,我々が行わなくてはならないことを挙げると

●入院した時点での大まかな退院への道筋の共有.

●状況が変化した場合に,家族への連絡を欠かさず,転院が必要性についての説明.

●退院するにあたってのADLのゴール設定.

●多職種間での患者さんのゴール設定の共有と,現状の共有.

●転院打診時の紹介状作成.

●転院直前の現状報告の紹介状作成.

 

これらができて初めて,転院調整の第一歩を踏み出すことができます.

ここで強調しておきたいことは,入院した時から転院調整は始まっていると言うことです.皆さんも頑張ってください!!

 

(Nくん)

朝回診でのプレゼン♪

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退院までの道のり(2)

2022.11.22
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今回は退院,転院調整についてです.

 

自宅退院できるほどに回復した患者の退院はさほど難しくはないです.しかし入院期間が長くなってしまい,サルコペニアが進み栄養状態が悪くなってしまった患者さんの退院先をどうしようかと悩む場面はこの先必ず遭遇します.そういった場合に利用できる医療,介護資源は以下の3つが挙げられます.

 

1.回復期リハビリ病床

2.療養病床

3.施設介護サービス

 

1.回復期リハビリ病床

入院の目的:社会生活への復帰を目標とする転院

入院の要件:主病名が以下に示す対象疾患であること(図1)

適用される保険:医療保険

この病床に入るためには,入院主病名が対象疾患でないといけません.(大腿骨頸部骨折でこの前まで入院していたが,退院後に廃用が進んだからとの理由では入床できません)

 

 

2.療養病床

急性期の医療必要度が無くなった患者さんが,退院後の通院が困難であり,継続的に医療による介入が必要な場合に転院先となる病棟です.急性期が過ぎたけど,経管栄養に依存していて自宅退院や施設退院ができない患者さんはこういった病院への転院を行う場合が多いです.気管切開や難病等の患者の疾患や状態に応じた「医療区分」,患者のADLに応じた「ADL区分」により評価され,診療報酬体系が変化します.

 

入院の目的:早期退院を目指す転院

入院要件:疾患が慢性期にあること

できる医療内容:胃ろう,TPN,インスリン,吸引や抗菌薬加療,人工呼吸器管理

月額利用料金:10万円ほど

適用される保険:医療保険

看護師人員配置:20:1(夜間帯に患者を見る人数比)

(参考資料)

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/06/dl/s0613-3c.pdf

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000110607.pdf

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000145177.pdf

 

3.施設介護サービス

公的施設と民間施設があり,公的施設の方が月額費用が安い傾向にあります.しかし,24時間の看護師在駐がないところもあり,医療依存度の高い方は,療養病床での転院となります.

 

公的施設としては (*この順で、要介護度が高 → 低となります)

特別養護老人ホーム  介護老人保健施設  ケアハウス

 

民間施設としては (*この順で、要介護度が高 → 低となります)

介護付き有料老人ホーム  住宅型有料老人ホーム  サービス付き高齢者向け住宅  健康型有料老人ホーム  グループホーム          

 

民間施設は前払金が必要な場合や,月々の費用が高額に設定されている場合が多いですが,その分早期に入所できるメリットがあります.対して公的施設は前払金が必要なく,月々の費用も低価格で設定されている分,入所希望が多く,早期の入所はあまり期待できません.また,これらの介護施設に入所するためには,要介護申請を経て要介護度を明らかにしなければ,入所する施設を選ぶことができません.このため,普段からの家族内での高齢者の介護についての話し合いと,かかりつけ医による介護サービスの導入と定期的な要介護度の見直しが非常に重要になってきます.

 

当院に限らずERには,施設入所中の発熱や食事摂取不良で搬送されてくる患者がとても多いですが,そういった場合,急性期を早期に乗り越え,ADLが低下しないうちに早期にもとの施設に退院を目標として加療していきます.しかし入院が長くなり,医療依存度が高まってしまうと施設退院の適応がなくなってしまい,退院先がなくなって療養転院を余儀なくされることもしばしばあります.

(Nくん)

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退院までの道のり(1)

2022.11.17
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 入院患者さんで、特に高齢者では、せっかく元気になったのに退院できないということが日常的にありますが、こんな時は他の職種と力を合わせて退院に向けて、患者さんや家族、関係先に働きかけを進めていくこともドクターの大事な仕事の一つです。このような場面ではソーシャルワーカーや看護師だけでなく、リハビリや薬剤師などからの情報も統合したうえで家族に話をしますが、退院までの道のりの全体像を頭に入れておかないと、話がかみ合わないことがあります。

 この記事は昨年8月に、当時J2だったNくん(現在は麻酔科専攻医)が書いてくれたものですが、良くまとまっていて病棟で必ず役に立つ内容だと思います。病棟での仕事をこなせるようになってきた今の時期に、もう一度読み直してみてください。

(編集長)

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当院の総合内科では、自分が主治医になって治療にあたります.それは医師として当たり前の仕事なので納得できると思いますが,高齢者であればあるほど,家族による退院の受け入れ体制が脆弱になり,施設の利用や介護サービスの介入が重要になってきます.

 

その理由としては,

・独居である場合

・高齢の配偶者と2人ぐらしで子どもは別の場所で暮らしている場合

・子どもや孫と同じ住居であるが,もともと介護に時間がとられ,慢性的に介護疲れしている場合

・施設入所しており、すでに家族との関係が疎遠になっている場合

などなど.あげだしたらきりがないです.

 

退院先の受け皿を広くする役割を持つのが

・ケアマネージャ

・介護保険申請

・特別養護老人ホーム等の施設型介護福祉施設

・かかりつけ医

 

これらの福祉サービスのいずれかを何らかの理由で享受していない場合,高齢者の退院は非常に難しくなります.

 

そのため,特に救急搬送されてくる患者に関しては,ERで患者家族がいる時点で「要介護度は?(介護保険は申請していますか?)」「ケアマネはいますか?連絡先は?名前は?」「施設の利用は?」と聞いておくことが大切です.

 

次回から,転院や退院の際に私たちが知っておくべきことを紹介していきます.

(Nくん)

研修医部屋(通称:大研)の一コマ

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病院見学のススメ

2022.11.10
カテゴリー: 初期研修

マッチングも終わり、編集長はホッと一息つきたいところですが、すぐに来年度のローテーション作成などに取り掛かる時期です。そして4年生もしくは5年生のあなたは冬休み中の病院見学をどうしようかとそろそろ考え始めるころでしょうか?

 

年が明けるとあっという間に春休みで、それが過ぎると気づいたらマッチング面接の時期になってしまいますから、まだ時間があると思わないで、少しずつでも情報収集を始めるのが良いと思います。

 

でも、コロナも第8波の始まりと言われるようになっており、当院でも患者さんの増加を実感しているところですから、なかなか病院見学に行きにくいかもしれませんが・・・・、

 

可能な限り、病院見学に行ってください。

レジナビなどのWeb病院説明会で情報収集をするのが当たり前になりましたが、それだけでは不十分だと思います。実際に行ってみると、それぞれの病院によって想像以上に雰囲気が違うことに気づくはずです。行けない時には、Web病院説明会で質問コーナーや個別面談のようなコーナーを設けているものが増えているので、積極的に利用して雰囲気をつかむのが良いと思います。

 

病院見学に行った際のポイントは・・・、

指導医クラスの話は、半分程度に聞いておけばOKです。なぜかと言えば、基本的にイイことしか言わないからです(編集長も自覚があります・・・)。

 

必ず研修医たちに直接話を聞きましょう。そしてあなたの知りたいことを質問してみましょう。研修医も1年前には同じように悩んでいた訳ですから、たとえあなたがつまらない質問かもと思っても、そのような質問こそ聞いておくべきです。一番参考になる答えが返ってくるはずです。

 

そして研修医たちの元気の良さや看護師さんや技師さんたちの雰囲気にも注目してみて下さい。研修医を育ててくれるのは指導医だけではありませんからね。

 

さらに、気になっている病院や候補として考えている病院には2回、3回と見学に行ってみることをおススメしています。何故かと言えば、どうしても初めてのところは緊張するし、余裕がないので周りを見ているようで見えていません。2回目になると余裕ができて、おなじ病院見学でも見える風景が違うはずです。

 

加えて1回目にあった研修医が、2回目にはものすごく頼りになる研修医に見えるはず。この時期なら、1年目でもかなり仕事ができるようになっていますので、そんな研修医の姿を見ると、あなたの研修のイメージも描きやすくなるはずです。

 

当院に病院見学に来ていただいた方からは

・研修医の先生が担当してくれて質問しやすかった。

・昼食の時に研修医の先生とお話する時間が確保されていて、聞きたいことを全部聞くことができ、とても参考になった。

・研修医の先生方が当たり前のように現場に溶け込んでいて、手技もこなしていて、自分もこんなにできるようになれるのか、という驚きと期待感が強く印象に残りました。

 

などのコメントをいただいています。

 

そろそろ冬休みの病院見学の申し込みをいただいています。コロナの影響は読めないところがありますが、できるだけ病院見学を受け入れる方針でいます。あなたもお早めに下のリンクからお申し込みください!

病院見学の申し込みはこちら

(編集長)

先日は徳田安春先生に

お越しいただきました♪

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水戸済生会総合病院の臨床研修は

総合診断能力を有するスペシャリスト

を目指します

◆エムスリーの研修病院ナビ座談会にご参加ください!

研修病院ナビのフルマッチ病院特集に当院が参加します。

編集長と研修医があなたの質問にお答えします。ぜひご参加ください

 

2022年11月29日(火)18:30~19:00

 

*下記エムスリーのページからお申し込みが必要です

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◆専門研修ブログもご覧ください!

当院には基幹型内科専門研修プログラムがありますが、その強みは消化器内科、循環器内科、腎臓内科の診療体制です。あなたも最短で内科専門医、そして施設を異動することなくサブスペシャルティ専門医と関連する各種の資格を取得できます。そんな内科専門研修プログラムを紹介するブログもぜひご覧ください。

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