臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
水戸済生会の外来研修2024
水戸済生会の臨床研修の特徴の一つに1年間を通して内科外来を行う外来研修があります。具体的にはJ1の秋からJ2の秋までの1年間に週1回の外来を継続するというものです。このようなスタイルで外来研修を行っている施設はほとんどないと聞きていますが、長期間にわたって患者さんをフォローできるという大きなメリットがあります。そして今年度も11月からJ1の外来研修を開始します。
そもそも外来研修では、研修目標として「コンサルテーションや医療連携が可能な状況下で、単独で一般外来診療を行える」ことが掲げられています。もちろん困ったときには指導医に聞いたり、コンサルテーションすればよいのですが、外来診療はERや病棟での診療とは対象となる患者さんや疾患も異なってくるので、やり方も変えていく必要が出てきます。
ERではヤバイ疾患を見逃さないことが重要で、そのために検査を一気に行う傾向があります。一方で外来診療では「患者さんの問題を解決する」ことが重要になってきます。そして患者さんの問題を解決するために「時間を味方につける」ことがポイントになります。診察したその日に検査を一気にやって診断を付ける必要はないのです。
例えば、倦怠感を主訴に受診した70歳代女性があなたの外来を受診したとしましょう。体重減少もなく、受診日の採血では貧血はなく、甲状腺ホルモンも正常で軽度の肝機能異常のみでした。1週間後の外来で行ったエコーで脂肪肝のみ。心配になって悪性腫瘍も考えて胸部CTを撮影して、その1週間後に読影結果を説明するために受診してもらったところ、「だいぶ元気になりました」と笑顔で言われてしましました。
よくよく聞くと、同居している高校生のお孫さんの受験のことを考えると眠れなくなっていたのですが、無事に合格したのですっきりしたとのこと。ウソのようですが、何度もフォローすることで初めて把握できることがたくさんあるのです。
水戸済生会の外来研修では、時間を味方につけて患者さんの問題を解決できるような臨床能力を身につけてもらいます。
(編集長)
研修医外来の風景
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
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【今年も走りました♪】第9回水戸黄門漫遊マラソン
10月27日に開催された第9回水戸黄門漫遊マラソンの報告です。
水戸黄門漫遊マラソンは水戸で開催されるフルマラソンの大会で、今回で9回目になります。参加者が1万人を超える規模で、第1回大会から出走だけでなく救護を担当するなど、当院とかかわりの深い大会です。
今年も当院の職員が多数参加しましたが、研修医らもJ1,J2合わせて10名が出走しました。他にも救護係として参加してくれた研修医もいました。出走した10名のうち2名が途中棄権したものの、一番速い人は3時間40分という記録でした!
さすがに大会翌日は院内をつらそうに歩いているのかと思いきや、みな平然としているのはすごいですねえ。普段のトレーニングが大事ということですね。
病院関係者で記念撮影
(中央は院長先生)
来年は10周年記念大会ということで、いろいろと豪華な大会になるという噂です。あなたも出走でも、スタッフとしてでも、ぜひご参加ください!
(編集長)
スタートから3㎞程度の千波湖のそば。まだ余裕があります。
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【御礼】5年連続フルマッチ!
10月24日にマッチングの結果が発表されましたが、当院は5年連続でフルマッチでした!
これも関係者の皆様のご協力のおかげです。特に見学に来てくれた医学生らに、当院の研修医たちが丁寧に対応してくれたことが大きかったと思っています。心より感謝申し上げます!
今年も希望者も多く、マッチングの中間公表で当院を1位指名してくれた方が定員の10名を超えていました。ホントにどの方も、病院見学の際や面接の際でも一緒に仕事したいなと思う方ばかりだったので、順位を決める院内会議では委員の先生たちと昨年以上に時間をかけて悩みに悩みました。マッチしなかった方にはホント申し訳ない気持ちでいます。でも、当院には後期研修などの今後の機会でお越しいただき、ぜひ一緒に仕事をしたいと思っています。
来春から仲間に加わってくれる10名には、有意義で実力のつく初期研修を行ってもらい、期待以上の成長をサポートできるように、指導医はもちろん先輩となる今のJ1も心して準備を進めたいと思います。
医師国家試験まではもう少し時間があります。寒くなる時期ですので、体調を崩さずに頑張ってください!
(編集長)
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ERでSTMIに遭遇した時の対処法⑤
前回までは急性心筋梗塞患者がERに搬送されて、カテ室に行くまでの流れを整理しました。今回はSTEMIの中でも、取扱いに注意が必要な右室梗塞についてまとめてみようと思います。
右室梗塞は単なる右冠動脈の心筋梗塞のことではありません。右冠動脈の近位部が閉塞することで、左室の下壁領域が壊死に至るだけでなく、右室の壁運動が障害された結果、右室から肺動脈への拍出が出来なくなり、左室への潅流が減って血圧低下に至るものです。
STEMIの時に血圧低下に至るのは、通常は左室の収縮が低下して肺うっ血を来すパターン(心原性ショック)が多いのですが、右室梗塞では肺動脈への血流が低下するので、肺うっ血を来さずに、頸静脈の怒張を来します(閉塞性ショック)。
もし、あなたが下壁のSTEMIに遭遇した時に、
①血圧が低く
②SatO2が下がっていない(=肺うっ血がない)
この2つがあれば、右室梗塞を疑ってください。そして頸静脈怒張の有無を短時間で確認しましょう。
心電図では下壁梗塞(Ⅱ、Ⅲ、aVF)でのST上昇を確認したら、次にV1のST上昇がないかを確認します。V1のST上昇は右冠動脈近位部の閉塞を示すからです。
さらにV4の電極を、胸骨を挟んで反対側に付け替えて(V4Rと言います)心電図を記録し、ST上昇があれば確実です。
さて、混乱しやすいのは治療です。
STEMIですから、速やかにPCIなど再灌流療法を行うのは言うまでもありませんが、STEMIなら硝酸薬とか、肺うっ血を伴っていれば利尿剤を使いたくなりますよね。
しかし右室梗塞では利尿薬や硝酸薬を使用するのは危険です。利尿剤や硝酸薬を使って前負荷が低下すると、さらに血圧が下がるからです。
逆に生理食塩水などで輸液をどんどん入れる必要があります。さらに右室から肺動脈への拍出を増加させる目的でカテコラミン(ドパミン、ドブタミン)を使用します。
初期対応を間違えずに行えば、PCI後には比較的速やかに血圧が落ち着くことがほとんどですが、遷延する時はIABPやECMOの使用を考えます。
(編集長)
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ERでSTMIに遭遇した時の対処法④
前回に続いて、PCIの準備ができるまでの少し時間で患者さんから情報を聞き出すポイントを紹介しています。
4.本人や家族への説明
患者さん本人はじっくり話を聞く余裕がありませんし、点滴されたり、薬を飲まされたり、フォーレを入れられたりと訳が分からない状況でしょう。そこで家族がいれば病状や治療の必要性を要領よく短時間で説明します。原則として同意書にサインをもらう必要もあります。
でも日常臨床では家族がいなかったり、救急車に同乗してきたのが高校生の孫で、あとから他の家族が自家用車で向かっているなどという状況があります。個々の事例で判断していくしかないと思いますが、筆者の個人的な考えとしてはSTEMIであれば「Time is Muscle (時は心筋なり)」と「虎穴に入らずんば虎児を得ず」を判断の基準にしています。つまり家族の到着を待たずにPCIをやらなければいけないことは実際にありますし、状態の悪い人ほどPCIが起死回生の決め手になり得ます。
また、カテ室に移動した後でもERに残ったあなたや看護師さんから家族に簡潔に状況を説明して安心してもらうことは重要だと思います。ドクターはPCIのことで頭がいっぱいになり、家族のことまで気が回らないことが多いでしょう。でも家族は一体どうなっているのか早く知りたいと思っています。仮に良くない結果になった場合、ここでのコミュニケーションが上手くいっていないとあらぬ疑いをかけられるかもしれません。あなたの冷静な状況判断と適切な対応が大きなカギを握っています。
5.カテ室へ移動する時は
AMI患者がERにいる場合、常に心電図モニターを見えるようにしておく必要があります。何故かというと、いきなり前触れなくVT(心室頻拍)やVF(心室細動)を起こすことがあるからです。
AMIで死亡する患者の大半が病院到着前に亡くなっていますが、これはVTやVFなどの致死性不整脈が原因です。再潅流性不整脈と呼ばれるもので、冠動脈が血栓で閉塞してAMIになりますが、血栓が自然に溶けて再び冠動脈に血液が流れ込む時にVTやVFが起こりやすいのです。当然こういったことがERにいる間にも起こり得ます。筆者の印象ですが、年に1例くらいは経験します。起こるかもしれないと心の準備があれば、慌てずに電気的除細動をすればすぐに戻ることが多いのですが、心の準備がないとかなり焦ってしまいますね。
なので、モニターをいつも見えるようにしておくこと、患者を一人きりにしないこと、カテ室に移動する時もできればAEDや除細動器と一緒に移動しましょう。特にエレベーター内で患者さんの具合が悪くなると編集長でもちょっとビビってしまいます。研修医の先生などでも構いませんから、この症例のように移動の際にもドクターがそばにいるのが望ましいです。
(編集長)
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ERでSTMIに遭遇した時の対処法③
さて、PCIを行う方針が決まりました。PCIの準備ができるまで、少し時間が出来るかもしれません。こんな少しの時間でも、ドクターは少しでも患者さんの情報を得ようと色々と話を聞き出します。
この時に聞き出すポイントは何でしょう?
1.発症時間
発症からの時間を確認します。治療開始が早いほど心筋のダメージが小さくて済みますが、6時間以内がゴールデンタイムとされています。もちろん6時間を越えてもPCIを行いますが、12時間を越えると心筋のダメージが出来あがってしまいます。胸痛症状が残存する場合は心筋壊死が進行中とみなしてPCIを行うことも多いです。逆に24時間を越えて症状もなければ、急ぐ必要はなくなります。
またガイドラインでは発症からの時間だけでなく、ERに搬送されてからPCIで閉塞していた血管にバルーン拡張するまでの時間(Door to Balloon Timeと言います)を90分以内にするよう推奨されています。
先にも述べましたが、慌てる必要はありませんが常に時間を意識して行動する必要があります。
2.既往症や禁忌の確認
冠危険因子をチェックします。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、家族歴は確実に聴取する必要があります。これからPCIを行うので腎機能障害を指摘されたことがないかも聞くようにします。
といっても、STEMIの場合はPCIなどの再潅流療法をしなければ死亡率が30%と非常に高いのですが、再潅流療法を行えば死亡率が5~6%と明らかに低下します。このため腎機能が悪かったとしても結局はPCIをやります。ですが、やはり術前の説明で透析導入の危険があることを良く話しておく必要がありますね。
同時に出血するような病気、具体的には脳出血、胃潰瘍や痔からの出血の既往、癌などの最近の手術歴を確認します。これはAMIの治療には抗凝固療法(ヘパリン)や抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル)など、出血しやすくなる薬が必須ですので、出血のトラブルを避けるために必要となります。
3.アクセス(カテーテルを挿入する部位)の決定
先ほども述べましたが、PCIについて各施設でルールがある場合にはそれに従いましょう。ちなみに当院ではSTEMIは術者の判断で橈骨動脈か大腿動脈かを決めていますが、STEMIではあらゆる状況に対応する必要があるため、少なくとも鼠径部の消毒だけはして、いつでも使えるようにしています。
アプローチ部位の選択については、編集長なら高齢者で不穏が予想され術後の安静が維持できなさそうな場合や閉塞性動脈硬化症などでソケイ部の動脈触知が微弱な場合などは橈骨動脈アプローチで行います。ところが橈骨動脈に関しても、以前にバイパス手術の既往がある場合や透析患者では橈骨動脈をグラフトに使用されていたり、シャントのためアクセスとして使用できない場合もあるので確認が必要です。
PCIの合併症では、実際のところ穿刺部に絡むトラブルが多くあり、ソケイ部から出血した場合は死に至ることもあり得ますから、せっかくPCIが上手くいっても何にもなりません。こういった判断は術者が患者と話をしながら短時間で決めています。次回も続きます。
(編集長)
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ERでSTMIに遭遇した時の対処法②
ERでSTEMI患者さんに遭遇した時の対応を紹介しています。
前回は、
①患者の到着前に少ない情報から鑑別疾患を考えておく。過去のカルテがあるなら目を通しておく。
②患者が到着したら、まず患者さんを見て第一印象で全身状態の把握をする。
③バイタルサインの確認と共有。
ここまでを紹介しました。今回はその続きで心電図からです。
バイタルサインの確認と共有をすると同時に心電図の確認をしていきます。ガイドラインでは「問診・身体所見・心電図をERに到着してから10分以内に評価」と記載されています。実際のERではそれほど慌てる必要はありませんが、常に時間を意識してスピーディな対応をしましょう。心電図をとるのに前後してモニターの装着も必須ですね。
そして点滴ラインの確保もほぼ同時に行いましょう。入院時採血のオーダーも忘れてはいけませんね。
他に、点滴のメニューやラインの長さ、三活の位置など細かいルールを決めている施設も多いと思います。スピードアップのために大事なので、その施設のルールを良く把握しておくことが重要ですが、なぜそうしているのか?を理解しておきましょう。いざという時に応用が利きます。
例えば当院では、点滴ラインを長くしておかないとPCI中にカテ台を動かす時に点滴台が倒れてしまうからとか、三活の位置を患者に近いところでつけておかないと側管から投与した薬がなかなか体内に入らず効きが遅くなるとかの理由でルールを決めています。もちろんこういったものには、たまにホントかどうか疑問なものもありますが、そうなった経緯や理由は知っておいて良いと思います。
心電図で明らかにST上昇を認めればSTEMIとしてPCIを行います。ST上昇がどの誘導で見られるかで前壁梗塞なのか下壁梗塞なのかを推定します。これによってPCIの時に必要なもの、例えば前壁梗塞なら「IABPが必要になるかも」とか下壁梗塞なら「徐脈になる可能性が高いから一緒に一時ペーシングも入れた方がよさそうだな」と想像します。
もし、PCIが出来ない施設であれば、できる施設へ速やかに搬送することを考えます。状況によっては血栓溶解療法を選択する場合がありますが、日本では圧倒的にPCIが選択されます。
PCIについては各施設のルールがあればそれに従いましょう。例えば橈骨動脈(手首)からなのか、ソケイからのアプローチなのかとか、フォーレを必ず入れるとか、使用する薬剤(ヘパリンなど)を決めているなどです。
またSTEMIでは抗血小板薬は必須の薬剤です。PCIでステントを入れることを考えるとアスピリン(バイアスピリンやバファリン)に加えてプラスグレル(エフィエント®)やクロピドグレル(プラビックス®)が必須薬です。ですからSTEMIと診断されたらERで速やかに内服してもらうことが必要です。
ちなみにアスピリンは口の中で噛み砕いて服用すると30分程度で抗血小板作用が出てきます。プラスグレルには20㎎錠と3.75㎎錠の2つの規格があります。高用量(20㎎錠)だと、効果発現まで2~4時間と速いので、PCIをやる施設ではこちらを使用することが多いと思います。プラスグレルがなければクロピドグレルを用いますが、通常量の1錠(75mg)を服用しても効果発現に2~3日かかりますが、最初に高用量(4錠、300mg)を服用すると約6時間後には効果が出てくると言われています。
(編集長)
救急車を待つER
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ERでSTMIに遭遇した時の対処法①
水戸済生会のERは3次救急なので、重症の患者さんが搬送されてきますが、寒くなるこれからの季節は急性心筋梗塞(STEMI)の患者さんが増えてきます。
あなたもすでにSTEMIの患者さんを経験したことがあると思いますが、ERでSTEMI患者さんに遭遇したら何をするのか準備はできていますか?
もちろん循環器医をコールするのは大事ですが、あなたが循環器医をコールして「おしまい」では、いつまでたっても応用が利きません。自分がカテをやらなくても、いろいろとやることがあるので整理しておきましょう。
設定としては当院のように経皮的冠動脈形成術(PCI)を年間を通して緊急で行える中規模以上の病院で、あなたはERで夜勤をしています。救急隊のホットラインが鳴って、これから胸痛を訴える人が搬送されてくるという状況です。
まずはあなたが患者さんが到着するまでにすることは何でしょう?
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一番大事なことは、救急隊からの少ない情報から鑑別疾患を考えておくことです。そうすれば心の準備だ出来ているので、慌てないで済みます。
例えば、「○○救急ですが、50歳代の男性の胸痛患者です。既往は高血圧で○△クリニックで薬をもらっているようですが、それ以外は不明。10分で到着します。」と言われたら、STEMI以外に、急性大動脈解離も忘れてはいけません。もし80歳代なら心不全でも胸痛を訴えることもあります。
また、過去のカルテがあるならば、ざっと目を通して既往を確認します。過去の心電図や胸部レントゲンなども比べられるように見ておくと素晴らしいですね。いずれにせよ「思い込みは禁物」。胸痛の患者さんだけど、STEMIではなかったときどうするのか?少ない情報から色々な鑑別疾患を考えながら到着を待ちましょう。
さて、患者さんが到着しました。最初にすることは何でしょう?
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あなたがERで最初にすることは、患者さんを見ることです。まず患者さんの顔色をみて全身状態を把握します。重症か?そうでもないのか?挿管が必要そうか?バイタルサインはもちろん重要ですが、この一瞬の全身状態の把握で対応の順番も変わりますし、鑑別診断も変わってきます。
次にバイタルサイン。もちろん心電図も早く知りたいのですが、バイタルサインだけでも色々なことを推定できます。
例えば看護師さんから、「先生、到着しました。血圧170/100でレートは92です。」と言われたら、当然STEMIを考えますが、高血圧もあるので大動脈解離も捨てきれません。もし血圧が低く、頻脈で酸素飽和度も低いなら肺血栓塞栓症も重要な鑑別になります。
バイタルサインは診断を絞り込んだり、重症度の判定をするのに必須です。もし看護師さんが他のことに手を取られていたら、待つことなくあなたがバイタルをチェックして、他のドクターを含めた周りのスタッフに大きな声で知らせ、情報を共有して下さい。
3番目は心電図になりますが、今回はここまでにします。次回に続きます。
(編集長)
STEMIのPCI
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鼻なら眼科にコンサルト??・・・ハッチンソン兆候
8月末に引き続き10月8日に水戸協同病院皮膚科の田口先生をお招きして、皮膚科レクチャーを開催しました。
今回のテーマは帯状疱疹。ERでも外来研修でも遭遇する頻度の高い皮膚疾患です。最近は予防接種のコマーシャルも流れているので、患者さんや家族から疾患のことや予防接種のことを聞かれることが多くなりましたので、あなたも知識をアップデートしておく必要があります。今回はそのレクチャーからHutchinson(ハッチンソン)兆候を紹介します。
帯状疱疹が顔面に出た時は痛みが残りやすいと言われており、抗ウイルス薬を早期に開始することが大事なのはご存じですね。
同時に、帯状疱疹は耳にも目にも悪さをするので、それを見逃さないことも非常に大事です。耳ならRamsay-Hunt症候群(味覚障害顔面神経麻痺難聴)、眼ならヘルペス性角膜炎/虹彩炎ですね。ですから、耳や目の近くに水泡がある時、すこしでも気になる時は耳鼻科や眼科にコンサルトするのを躊躇してはいけません。
ところで、鼻に帯状疱疹の水泡を見つけた時はどう対応するのが良いでしょうか?
鼻尖部および鼻背部に帯状疱疹を認めた場合、高率に眼合併症をきたすとされていて、これをutchinson(ハッチンソン)兆候と呼んでいます。これは、三叉神経V1の枝→鼻毛様体神経の感染と関連で説明されています。
鼻に及んだ帯状疱疹(ハッチンソン兆候)
(田口先生レクチャーの資料より)
実は前の週に開催した山中先生の危ない皮疹のレクチャーでも、このハッチンソン兆候が取り上げられていました。それだけ重要ということですね。
あなたも帯状疱疹に遭遇した時には「鼻なら眼科コンサルト」を忘れないで下さい。
(編集長)
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動画がアップされています♪
イバラキドクターズライフというサイトをご存じでしょうか?
イバラキドクターズライフのトップページ
茨城県地域医療支援センターが運営している茨城県内の医師に関係する情報が充実しているサイトです。例えば、医学部進学を考えている高校生向けに地域枠や修学資金制度の案内や、医学生には県内の臨床研修病院の情報が、他にも女性医師向けの情報ページなど、県内の医療機関や利用できる制度も見つけやすいのが特徴です。
このイバラキドクターズライフには県内の臨床研修病院を紹介する動画ページがあって、水戸済生会の動画ではJ2の先生たちが登場しています。ショート動画とフルバージョンがありますので、ぜひご覧になってください。(下の写真はショート動画のページから)
もちろん他の研修病院の動画も見比べてみるのも大事です。冬休み期間中の病院見学に向けての情報収集に、ぜひ役立ててください!
(編集長)
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