臨床研修ブログ

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ADLを確認する時は・・・DEATHとSHAFTT

2025.10.23
カテゴリー: 初期研修

肺炎で入院した高齢患者さんの状態が改善してきたので、カンファの時に「そろそろ退院できそうなので、家族に連絡しましょう」という話になりました。でも、続いて指導医から「ところで患者さんのADLは落ちてないの?」と質問されました。こんな時、あなたはどんな風に答えていますか?

 

特に高齢の患者さんでは、入院することでADLが一気に低下してしまうことがあります。もちろん病院では病気を治すだけでなく、ADLや栄養状態を悪化させないように、いろいろな職種が関わってくれていますが、「肺炎は治ったけど、寝たきりになりました」となっては、家族は困惑するだけです。

 

入院中に限らず、患者さんのADLを把握することはとても重要ですが、ADLを把握するには、どうポイントをおさえれば良いでしょう?

 

そんな時に使うのがDEATHSHAFTTです。

 

DEATHとは

 D : Dressing (衣服の脱着)

 E : Eating (食事)

 A : Ambulation (移動)

 T : Toilet (排泄)

 H : Hygine (入浴)

 

これらをBasic ADL(基本的日常生活活動)と言います。

 

SHAFTTには

 S : Shopping (買い物)

 H : Housekeeping (掃除)

 A : Acounting (家計管理)

 F : Food (食事の準備)

 T : Transportation (交通機関の利用)

 T : Telephone (電話の利用)

 

こちらはInstrumental ADL(道具的日常生活活動)と呼ばれるもので、Basic ADLを越えた、より複雑な活動を把握する時に役立ちます。また、介護保険の書類を書くときにも便利です。

 

プレゼンの時の具体例としては、「食事はセッティングで自立、おむつ着用で入浴は介助が必要ですが、車いすへの移動は軽介助で可能です」などと言えば、その患者さんのADLが伝わりますよね。ぜひ覚えておいてください。

(編集長)

 

山中先生のレクチャーでの一コマ

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