臨床研修ブログ

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退院が近づいたら・・・栄養とADL

2025.10.25
カテゴリー: カンファレンス 内科

例えば、80歳代の男性でADLは自立、敷地内の別棟に息子さん家族が住んでいる(茨城はこのパターンが多いんです)方が、肺炎で入院しました。幸い、順調に経過し、血ガスも胸部レントゲンも、WBCやCRPも改善しています。

 

肺炎が良くなってきたので、そろそろ退院してもらおうと家族に話をしたら、「こんなんじゃ、おじいちゃんを連れて帰れません!」と言われてしまいました。なぜだか分かりますか?

 

実は、食事は食べれるけど、むせ込まないように誰かがついてないといけません。摂取量も十分とは言えない。ADLも歩けているけど歩行器を使用していて自宅で一人での移動は無理。

 

家族からすれば、今まで全く手がかからなかったのに、常に誰か家にいなくてはいけないなんて、家族みんな仕事しているから無理!となる訳です。あなたもこの先、似たような状況を必ず経験するハズです。

 

特に高齢者では、入院を契機に急速にADLの低下を来します。脳梗塞を起こしたわけでもないのに、嚥下機能が落ちたり、食事量も激減することはしばしば日常で遭遇します。

 

そこで、退院の見通しがついた入院患者さんについて、「疾患」のことだけでなく、「栄養とADL」に注目してみましょう。

 

入院前の生活に戻れるのか? 転院や施設を考慮した方がいいのか? 早い段階で家族に見通しを伝え、退院に向けての準備を始めないと、退院直前になって冒頭のようなことになってしまいます。

 

退院してもらうには、疾患だけでなく、いろいろ目配せが大事です。特に「栄養とADL」はキモになることを覚えておくとイイと思います。

(編集長)

「おはようございます!」と朝の回診

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