臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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アルドステロン症の見つけ方 その7
前回は副腎静脈サンプリング(AVS)の
具体的なやり方について紹介しました。
AVSは右副腎静脈のサンプリングが
最大の難関ですが、うまくサンプリング
できたかどうかの判定はコルチゾールで
判定します(つまり、AVSでは
左右副腎静脈、IVCの3か所から
ACTH負荷前後でアルドステロン、
コルチゾールを測定します)。
具体的には副腎静脈とIVCのコルチゾール
濃度比(Selectivity Index:SI)または
コルチゾール濃度を用います。
日本内分泌学会のコンセンサス
ステートメントでは、
SIのカットオフ値を
ACTH負荷前のSIは2.0以上、
ACTH負荷後のSIは3.0または5.0以上
で適正なサンプリングと判断します。
コルチゾール濃度については
ACTH負荷前では40μg/dl以上、
ACTH負荷後は200μg/dl以上
で適正なサンプリングと判断します。
さて、コルチゾールでサンプリングが
適正に行われたことが確認されれば、
局在診断(片側性か両側性か)の判定に
移ります。
局在診断にはACTH負荷後の
Lateralized ratio(LR)と
Contralateral ratio(CR)を用います。
LRは左右副腎静脈で比較し、
(高値側のアルドステロン/コルチゾール)
÷(低値側のアルドステロン/コルチゾール)
で求めます。
CRは
(副腎静脈低値側のアルドステロン/コルチゾール)÷(IVCのアルドステロン/コルチゾール)
で求めます。
LR>4かつCR<1.0で片側性と診断し、
手術適応を決定するように推奨されて
います。
実際にはこれに当てはまらない
グレーゾーンがあるのですが、
総合的に判断するか、AVSをやり直して
みることになります。
明らかな結果であれば心配いりませんが、
判定に悩む時には内分泌専門医に
相談したほうが良いですね。
(編集長)
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