臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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アルドステロン症の見つけ方  その8

2018.01.16
カテゴリー: カンファレンス循環器

前回は副腎静脈サンプリング(AVS)の

評価方法について紹介しました。

コルチゾール値で適切にサンプリング

されているのかを評価したうえで、

片側性病変と診断されたら手術を

考慮します。

 

手術は、腹腔鏡下の片側副腎全摘術

になります。最近は腹腔鏡手術も

単孔式で行われているようです。

 

どこに紹介したらよいのかは、その地域

ごとに異なると思いますが。泌尿器科が

手術を行っていることが多いようです。

大学病院によっては内分泌外科が行う

こともあります。ちなみに当院では

泌尿器科で行っています。

 

なお、編集長はまだ見たことがありません

が、症例の多い病院ではAVSも副腎内の

分葉内静脈支脈ごとの超選択的にサンプ

リングを行う選択的副腎分葉内支脈採血

(Segment-selective adrenal tributary

sampling: S-ATS)を行って、片側副腎の

部分切除で済ませるということもできるそう

です。こうすることで約10%程度にみられる

両側性のアルドステロン産生腫瘍(APA)

においても外科手術が可能になるとともに、

対側に病変を生じた場合の副腎不全を防止

できる利点があるそうです。

 

術後はアルドステロン拮抗薬を中止して

大丈夫ですが、経験的に全例で降圧剤が

全く不要になるわけではありません。

血圧を見ながら降圧剤を減量していきます。

 

さて、アルドステロン症に関して紹介して

きましたが、これでおしまいです。

 

思っている以上にアルドステロン症の

患者さんがいることが分かって

きましたので、ぜひ見つけて、

小さくガッツポーズをしてください(笑)。 

           (編集長)

執刀中(副腎全摘ではありません(>_<))

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