臨床研修ブログ

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3カ月未満の発熱 その1・・・・第4回水戸医学生“小児科”セミナーより

2019.12.19

水戸医学生“小児科”セミナーの

ミニレクチャーから紹介します。

 

小児の発熱は、ERでよく遭遇します。

発熱があっても、子どもが元気そうなら

ほとんどの場合大丈夫です。

 

でも、ERで遭遇したら、

必ず小児科医にコンサルトを

しなければいけない発熱がある

のを知っていますか?

 

それは、生後3カ月未満の発熱です。

小児科セミナーでの、2つ目の

ミニレクチャーでは、こども病院の

池邉先生から3カ月未満の発熱に

関してまとめてもらいました。

 

なぜ、3カ月未満の発熱に遭遇したら

小児科医にコンサルトしなければ

いけないのかというと・・・・

 

そもそも、出生時から生後6カ月頃

までは、乳児に母親からの移行抗体が

残っています。

 

→母親の持つ抗体で抵抗できる

 ものには感染しにくい。

 

また、生後数カ月間は基本的に

家の中で過ごすことが多いので、

Sick contactが少ない。

 

→流行性のウイルス感染などに

 罹患することが少ない。

 

一方で、

・自身の免疫機能は未発達のため、

 感染に対する防御策に乏しい。

・移行抗体はIgGのみのため、

 気道粘膜などIgAなどが関与する

 局所防衛が弱い

・気道が狭いため、感染症による

 症状が重症化しやすい

・血液脳関門による防御システム

 が未発達、などの理由から

 

→気道感染が重症化しやすい。

→敗血症・髄膜炎などの重症

 感染症を起こしやすい。

 

さらに、

月齢が低いと、症状が分かりにくい。

 

→重篤な状態なのかどうか判断が

 しにくい。

 

と言うことで、生後3カ月未満の

発熱では、重症疾患の可能性を

考慮し、見逃しがないように十分な

検査を行う必要があります。

 

重症細菌感染症の頻度は10~15%

され、発熱以外の症状がはっきり

しない場合も多く、身体所見では

除外困難です。

 

このため、特に1か月未満では

全例でSepsis work upを行います。

 

具体的には、血液検査、胸部レントゲン、

尿検査、髄液検査、血液、尿、

喀痰(咽頭)、髄液の各種培養の

すべてのサンプルを採取します。

(編集長)

メディカルラリーでの

PALSステージ

勉強したはずなのに、

なかなかできません!

 

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