臨床研修ブログ
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胸水 その3
前回の続きです。
今回は胸水についてのまとめを
シェアします。
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<胸水の鑑別の進め方>
まず胸水は滲出性か漏出性かに
分けます。
滲出性胸水の診断基準として有名
なのが、Lightの基準です。以下の
3項目のうち1項目以上満たせば
滲出性の診断となります。
・胸水/血清蛋白比>0.5
・胸水/血清LDH比>0.6
・胸水LDH値が血清LDHの上限値
よりも2/3以上
その他に調べると良い項目としては
主に以下が挙げられます。
・グラム塗抹や培養:細菌感染
・細胞数:好中球優位なら肺炎随伴性、
悪性、肺塞栓、膵炎、リンパ球優位なら
腫瘍性、結核性、心術後
・糖:低値だと肺炎随伴性、悪性、
結核性、リウマチ性など
・pH:胸水の正常pHは7.64。pH<7.2の
場合膿胸の存在を強く疑い、胸腔
ドレナージの適応。その他膠原病や
消化管穿孔、悪性腫瘍も疑われる
・アミラーゼ:膵炎や食道破裂
・細胞診:悪性所見がないか。ただし
1回目の細胞診で診断できるのは
60%程度。
前回の記事で、肺炎随伴性胸水の
ドレナージ適応の部分で触れましたが、
pH<7.2だと膿胸のリスクが高くなり、
ドレナージ必須です。
PH低下の原因としては胸水中のLac上昇、
細菌代謝によるCO2上昇が挙げられる
ようです。
糖の低下、LDH上昇も認められる所見
ですが、pH<7.2は単一で予後を規定する
とのことで、pHが重要な所見であると
わかりました。ちなみに、胸水pHだけでも
早く確認したい時の裏技として、採取した
胸水にヘパリンを数滴加えて血ガス用の
機械で測定する方法もあると指導医の
先生から伺い、驚きました!
(ナオちゃん)
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