臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
リウマチ性多発筋痛症 その1
80歳台の女性
ADLの自立した患者さん。
糖尿病で近医加療中ですが、
コントロールはあまりよくない。
今回は、1か月前から両肩と両膝の
痛みを自覚。1週間前には整形外科を
受診し、痛み止めを追加された。
しかし、前日から疼痛が悪化し、
立ち上がれなくなったため、ERを
受診しました。
バイタルはBP:150/90mmHg、HR:90bpm
BT:37.1℃ RR:16 SpO2:97%
痛みを訴える場所には発赤・腫脹なし
熱感なし
さて、これだけの情報で、あなたは
どんな鑑別を挙げますか?
考えてみてください。
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この症例はリウマチ性多発筋痛症
(Polymyalgia rheumatica:PMR)でした。
高齢者の不明熱の原因になるなど、
名前は聞いたことがあると思います。
除外診断が基本ですが、もうすぐ
初期研修を終えるマッキーが
PMRについて、まとめてくれたので
紹介します。
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【PMRの臨床的特徴】
・50歳以上(多くは60歳以上)に発症し、
男女比は1:2
・病因は不明だが、炎症の局在は
筋ではなく、滑液包や滑膜
・頚・肩・腰・大腿などの近位筋部に疼痛や
こわばりを訴え、一般的に両側性
・炎症を反映した安静時のこわばりで
肩関節周囲の滑液包炎のため
「朝から昼まで、両側上肢の挙上が
できない」という訴えが多い。
・微熱、倦怠感、体重減少などの
全身症状を伴う
・症状は2週間以内に完成し、慢性関節
リウマチより比較的亜急性の経過を取る
・側頭動脈炎と合併することもある
(欧米に比べ、本邦は少ない)
・両側の肩峰下滑液包と大腿骨転子部、
坐骨結節に、同部位の炎症を反映した
圧痛がある
・筋力低下はないものの、筋痛のために
筋力テストが困難なことがある
(マッキー)
次回は、PMRの検査や診断基準に
ついて紹介します。
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有する
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