臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

栄養とADL

2020.09.15
カテゴリー: カンファレンス 内科

例えば、80歳代の男性でADLは自立、

敷地内の別棟に息子さん家族が

住んでいる(茨城はこのパターンが

多いんです)方が、肺炎で入院しま

した。

 

幸い、順調に経過し、血ガスも

胸部レントゲンも、WBCやCRPも

改善しています。

 

では、そろそろ退院してもらおうと

家族に話をしたら、

「こんなんじゃ、おじいちゃんを

連れて帰れません!」

と言われてしまいました。

 

なぜだか分かりますか?

 

食事は食べれるけどむせ込まないように

誰かがついてないといけません。

摂取量も十分とは言えない。ADLも

歩けているけど歩行器を使用していて

自宅で一人での移動は無理。

 

家族からすれば、今まで全く手が

かからなかったのに、常にだれか

家にいなくてはいけないなんて、

家族みんな仕事しているから無理! 

となる訳です。

 

こんなことは、あなたもこの先必ず

経験するハズです。

 

特に高齢者では、入院を契機に急速に

ADLの低下を来します。脳梗塞を

起こしたわけでもないのに、嚥下機能が

落ちたり、食事量も激減することは

しばしば日常で遭遇します。

 

すべての入院患者さんについて

「栄養とADL」を意識しておきましょう。

 

入院前の生活に戻れるのか?

転院や施設を考慮した方がいいのか?

 

早い段階で、家族に見通しを伝え

退院に向けての準備を始めないと

退院直前になって、冒頭のような

ことになってしまいます。

 

疾患のことばかりでなく、いろいろ

目配せが大事ですが、特に

「栄養とADL」はキモになる

ことを覚えておくとイイですよ。

(編集長)

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