臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

常陸大宮済生会病院でツツガムシ病の症例に出会いました

2021.08.19

地域研修で常陸大宮済生会病院の内科で研修中のNくんからのレポートです。常陸大宮済生会に行って早々にツツガムシ病を経験したそうです。ツツガムシ病は国試でも良く出題されますが、本文中にもあるとおり頻度は少なく、実際に自分で経験できることはほとんどないはずですから、非常に貴重な経験ですね(編集長も自分で診断した経験はありません)。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

60代男性,7月に川釣りにいき,テントで寝転がり休憩していた.その後間欠熱をきたし常陸大宮済生会病院外来にて精査をされていたが,熱源がはっきりせず,不明熱であった.8月上旬の再診で頸部に痂皮化した刺し口(写真1)ができていることに気づき,虫刺症を疑われた.発熱,刺し口の2つがあり,熱型からツツガムシ病を疑われた.

(写真1)頸部の刺し口

 

ツツガムシ病は4類感染症で茨城県では年に10症例ほどしか出会わない稀な感染症で,Orientia tsutsugamushi を起因菌とするリケッチア症であり、ダニの一種ツツガムシによって媒介される。患者は、汚染地域の草むらなどで、有毒ダニの幼虫に吸着され感染する。発生 はダニの幼虫の活動時期と密接に関係するため、季節により消長がみられる。また、かつては山形県、秋田県、新潟県などで夏季に河川敷で感染する風土病であったが(古典型)、戦後新型ツツガ虫病の出現により北海道、沖縄など一部の地域を除いて全国で発生がみられるようになった.

 

潜伏期は5 ~14 日で、典型的な症例では39℃以上の高熱を伴って発症し、皮膚には特徴的なダニの刺し口(写真2)がみられ、その後数日で体幹部を中心に発疹(写真3)が見られる事がある.

(写真2)典型的な刺し口

 

(写真3)体幹の皮疹 

 

発熱、刺し口、発疹は主要3徴候とよばれ、およそ90%以上の患者にみられる。また、患者の多くは倦怠 感、頭痛を訴え、患者の半数には刺し口近傍の所属リンパ節、あるいは全身のリンパ節の腫脹がみられる。臨床検査ではCRP強陽性、ASTおよびASL などの肝酵素の上昇がおよそ90%の患者にみられる。また、治療が遅れると播種性血管内凝固(DIC)をおこすことがあり、致死率が高い。

 

確定診断は主に間接蛍光抗体法、および免疫ペルオキシダーゼ法による血清診断で行われている.また,痂皮のPCR検査により菌種同定に至る場合もある.

 

治療はテトラサイクリン系抗菌薬の投与である.ドキシサイクリン100mg内服7〜14日間投与して終了する.

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/436-tsutsugamushi.html

感染症プラチナマニュアル2018

  (Nくん)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水戸済生会総合病院の臨床研修は

総合診断能力を有するスペシャリスト

を目指します

 

◆Web版・個別病院説明会を開催しています!

直接研修医からホントのところを聞いてみませんか?

8月2日~8月31日まで開催します!

詳細はこちらから

 

◆レジナビFairでの病院紹介動画が見れます!

6月21日に開催されたレジナビFairでの紹介動画(11分)を、こちらからご覧いただけます。ぜひご覧ください!

初期研修紹介動画

 

◆水戸済生会の内科専門研修説明動画はこちら

「レジナビFair 専門研修(内科)プログラム」で紹介された説明動画がご覧いただけます。

内科専門研修プログラム動画