臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

糖尿病のお薬・・・・GLP1受容体作動薬

2021.09.14
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回はGLP1受容体作動薬についてです。

 

GLP1作動薬は注射薬として登場しましたが、2020年になって内服薬も発売されて選択肢が増えました。

 

【機序】

・インスリン分泌を促進する消化管ホルモン(インクレチン)の一つであるGLP1のアミノ酸配列を変化させて、DPP4で分解されにくくした薬剤。

 

【特徴】

DPP4阻害薬同様に、

・体重増加を来しにくい。

・空腹時に低血糖を来しにくい(GLP1は腸管に食べ物が入る刺激で分泌され、空腹時は分泌されない)。

 

さらに、

・長時間分解されなくても低血糖を起こさないので週1回投与の注射薬がある。

・当初は注射薬だけでしたが、2020年に経口薬も登場(1日1回服用です)

 

【禁忌】

特別なものはありません。腎機能低下例でも使用可能。

 

【副作用】

・消化器症状:嘔気、胃部不快感、便秘、下痢、腸閉塞

(DPP4阻害薬と同様に、消化管ホルモンの作用を増強し、腸管蠕動や食欲抑制する方向に作用します)

 

週1回の注射で済むので、アドヒアランスが保てない患者に向きます。例えば高齢者なら、家族や訪問看護師さんが週1回打つだけになるので、コントロールが安定するケースを良く経験します。一方、食欲低下作用があるので、高齢者では脱水や低栄養、サルコペニアや骨量減少など、マイナスの面が出ることがあります。体重の推移に十分注意を払う必要があります。

 

なお、Webで検索するとダイエット目的のGLP1受容体作動薬の広告が出てきますが、ダイエット目的の使用は薬機法違反になります!!当たり前ですが、やったら捕まります。

(編集長)

今夜は忙しめのER当直

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水戸済生会総合病院の臨床研修は

総合診断能力を有するスペシャリスト

を目指します

 

◆レジナビFairでの病院紹介動画が見れます!

6月21日に開催されたレジナビFairでの紹介動画(11分)を、こちらからご覧いただけます。ぜひご覧ください!

初期研修紹介動画

 

◆水戸済生会の内科専門研修説明動画はこちら

「レジナビFair 専門研修(内科)プログラム」で紹介された説明動画がご覧いただけます。

内科専門研修プログラム動画