臨床研修ブログ

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象の背中・・・告知の難しさ

2021.09.16
カテゴリー: 初期研修

まだまだ若手な自分ですが、今よりもうちょっと若かった何年か前の頃の話です。

 

末期のすい臓がんの患者さんを入院させ何度かICに望みましたが、本人も家族も既に治療困難な状況であることに理解を示してくれず、病院に対しても無理難題を要求してくるような状況になりました。イライラしてスタッフステーションで愚痴をこぼしていたところ、ある看護師が象の背中」というアニメを紹介してくれました。

https://youtu.be/zb35TtsQncU

 

誤解を招く表現になってしまいますが、医者ってある意味、神様のような側面があることは事実だと思います。ただ、神は神でも癌告知を受ける患者さんにとっては死神なんだ。自分はこの患者さんにとって、今まで大事にしてきた家族、生活、仕事、趣味があって、自分はそれらとのお別れが来ることを伝える死神なんだな。

 

オスキーで習ったとおり、ちゃんとPHSの電源は切るか誰かに預けて用意周到に癌告知に向き合っていましたが、告知することや患者さんの死に慣れてくると、自分が期待しているような素直な反応をしてくれない患者さんの心に寄り添うということができなくなっていたことに気付きました。

 

そこから、患者さんの心に本当に寄り添うICが始まったと思います。まだまだ未熟なので、すぐその気持ちを忘れてしまうため、重いICの前には象の背中をみて、心を落ち着けてICに望んでいます。

(Nao)

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