臨床研修ブログ
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呼吸器内科専門医と読む胸部X線写真4 井上先生のZoomレクチャーより
山形大学の井上純人先生による「呼吸器専門医と読む胸部X線写真」からのシェアです。前回までで、井上先生が教えてくれた17個のチェックポイントのうち7つ目までを紹介しました。
今回は8つ目から11番目のルールまで一気に紹介します。
⑧縦隔は気管、食道、下行大動脈を評価
⑨気管の分岐は右がより直線状
⑩食道は通常見えない
⑪下行大動脈の線が追えるはず
編集長が研修医の時は、胸部レントゲンで縦隔陰影を見ると言っても、どこを見ればよいか分かりませんでした。縦隔陰影と心陰影とを何となくごまかして使い分けていました。でも、井上先生は縦隔を見るときのポイントは気管、食道、大動脈という縦隔にある臓器を追いかけるようにみることを強調していました。
気管の分岐角についてはあなたも聞いたことがあるかもしれませが、その他のポイントも知っておくと役立ちます。
食道は壁が薄く、ペタッとつぶれた状態が正常ですから、内部にエアが見えればおかしいということになります。特に下の写真のように心臓の裏にエアが見えるときは、重度の食道裂孔ヘルニアと診断できます。
矢印が胃内のエア
最後に下行大動脈の線を探しに行きましょう。椎体と重なっていても、それらしい線が追えるのですが、追えないときは心臓の後に何かあるのかも?と疑う必要が出てきます。
A) 正常な下行大動脈の線が追えます(矢印)
B-1)下行大動脈の線が追えない
B-2)CTで左肺下葉腺癌が指摘されました
繰り返しになりますが、縦隔陰影の確認の際は気管支、食道、下行大動脈を確認しましょう。
(編集長)
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