臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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2つの治療計画を考える
春から研修が始まって半年が経過しました。初めは何が何だか分からなかったと思いますが、あなたも今では指導医に言われたことに要領が良く対応できるようになってきたはずです。
一方で、患者さんがなかなか退院しないので、いつの間にか担当患者さんが増えているなんてことも経験しているはずです。
そこで今回は、段取りよくスムーズに退院に結び付けるためのコツを紹介します。そのコツとは、「2つの治療計画を考えておく」ことです。
どういうことかというと、1つ目は「その日1日の計画」。例えば術後の患者さんなら、今日はドレーンを抜くとか、糖尿病の人なら今日中に眼科コンサルトをするとか。ICUの患者さんなら、何とかバイタルを安定化させようとか、抜管しようとか、カテコラミンをこの辺まで減量しようとか。
そして、多くの人に欠けているのが2つ目の「退院までの計画」です。例えば感染性心内膜炎と診断されたら、4週間は抗菌薬の投与が必要ですから、それまでに何を済ませるとかは、時間的な余裕があります。
ところが高齢者の肺炎なら、抗菌剤の投与は2週間程度としても、すぐに退院できるように、リハビリの介入をして、ADLを落とさないようにする。退院担当の看護師さんやソーシャルワーカーさんと相談して、自宅退院なのか?施設なのかを手配しておかないといけません。さらに家族にも退院に向けて、準備してもらわないといけません。意外とやることがあります。
このように疾患と直接関係ないことも、先読みして計画を立ててスムーズな退院に持ち込むのは、必須のスキルになります。
研修医の間は指導医の先生に言われたことを片付けようと必死になるは仕方ないことですが、指導医と議論しながら退院までの全体の治療計画を意識して仕事をしていくと、格段に段取りが良くなります。ぜひ意識して診療にあたってみてください。
(編集長)
精度のあがったPICC挿入
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