臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

心臓の聴診その2 山中克郎先生のレクチャーから

2019.04.23
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回は大動脈弁狭窄症(AS)の聴診

について紹介しました。今回は

大動脈弁閉鎖不全症(AR)についてです。

 

ARの雑音は、

「第3肋間胸骨左縁を最強点とする

拡張期灌水様雑音」

と表現されます。

 

ARで聴取される拡張期雑音は

簡単に聞き逃してしまいます。

しかも、拡張期灌水様雑音と言っても

ピンときませんが、拡張期に

早期漸減型の雑音を聴取します。

 

これを聞き逃さないためのコツは、

正しい体位をとることです。

患者さんを前傾姿勢にして、

胸壁と心臓を近づけると聴取

しやすくなります。

 

それからARで聴取される、

早期漸減型の拡張期雑音が

どんなものなのかを知っておく

必要があります。

 

前回同様に、山中先生から

こんな方法を教えていただきました。

  

①自分で聴診器を耳にかけて、

②膜型を自分の頸部に当てます。

③そっと「はーっ」と声を出してみてください。

これがARの拡張期雑音です。

実際の患者さんでは、Ⅰ音とⅡ音を

同定したら、Ⅱ音のあとにこの音を

探してみてください。

 

この拡張期雑音が分かるようになれば、

あなたの聴診スキルはかなり上達して

いるのは間違いありません。

自信を持って、どんどんやってみてください。

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

松永先生の感染症カンファ

今年度で11年目となる伝統(?)の

感染症カンファです。年5回開催のうち

今年度第1回目が下記日程で開催されます。

平成31年4月30日(火)13時~

 

院外からの参加を歓迎します!

参加を希望される方はこちらにご連絡ください!

http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html 

 

◆病院見学や、ご質問・お問い合わせは

こちらからご連絡ください。

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心臓の聴診その1 山中克郎先生のレクチャーから

2019.04.20
カテゴリー: カンファレンス 内科

先日お越しいただいた山中先生から

身体診察法を教えていただきました。

その中からイイところをご紹介します。

 

心臓の聴診は全然わからない、

という人は多いと思います。

 

でも、大動脈弁狭窄症(AS)の心雑音は

分かりやすいので、聴診器を当てれば、

診断できなくとも「何かへんだぞ?」と

気づくはずです。

 

ASの聴診は

「第2肋間胸骨右縁(2RSB)を最強点と

するダイヤモンドシェイプの駆出性雑音

で頸部に放散する」

と表現されます。

 

もし、プレゼンテーションでこう言われれば、

これはASのことだと理解してください。

 

実際の患者さんで聴診できれば、

きっと忘れないのですが、いつでも

できる訳ではありませんよね。

そこで山中先生はこんな方法を教えて

くれました。

 

初の動画使用です!

 

①自分で聴診器を耳にかけて、

②膜型を手のひらにおいて握ります。

③その手の甲を動画のように指1本でたたいて

すぐ丸を書きます。

 

これがASの心雑音

編集長は知らなかった技ですが、

実際の心雑音によく似ています。

ぜひやってみてください。

 (編集長)

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松永先生の感染症カンファ

今年度で11年目となる伝統(?)の

感染症カンファです。年5回開催のうち

今年度第1回目が下記日程で開催されます。

平成31年4月30日(火)13時~

 

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糖尿病の患者さんを診る時は・・・

2019.04.18
カテゴリー: カンファレンス 内科

どの診療科に行っても糖尿病の

患者さんに関わらないことは

ありえません。

 

でも、糖尿病は耐糖能異常と呼ばれる

ような状態から、網膜症や腎症などの

糖尿病性合併症を来した状態まで

非常に幅広い病態を含んでいます。

 

血糖が高いだけで全く無症状の期間が

非常に長いので、症状が出現した時は

すでに手遅れ・・・・、という怖い病気です。

合併症だけでなく、心血管イベントも多いし、

感染症も重症化しやすい。いろいろと

マネジメントも大変なことが多いですね。

 

さて、あなたの担当患者さんの中にも

糖尿病の人はいるはずです。では、

糖尿病を持っている患者さんを問診する時、

または指導医の前でプレゼンする時は

どんなポイントを押さえればよいでしょう?

ちょっと考えてみてください。

編集長は普段から以下の4点を把握する

ようにしています。

 

・罹病期間 

10年以上か10年未満か ざっくりした把握で

OKです。患者さん自身が合併症のことを

把握していなくとも、10年以上の罹病期間

があれば、なにか合併症があっても

おかしくないと捉えておきましょう。

 

・現在の治療内容 

インスリン? SU剤? など、当然把握して

おくことが必須ですし、低血糖などの合併症

への対応も変わってきます。

 

・最近のコントロール 

HbA1cを確認しましょう。最近は患者さんも

クリニックで教えてもらっていたり、糖尿病

手帳に書いてあったりします。コントロール

が悪いのも心配ですが、コントロールが

良すぎるのも心配です。治療内容と

照らし合わせましょう。

 

・合併症の有無 

腎症は何期?網膜症は?神経障害は?

コントロールされていない網膜症がある時に

急に厳格な血糖コントロールをすると、

網膜症が悪化すると言われています。

3大合併症以外にも、脳梗塞や虚血性

心臓病などの心血管イベントの把握は

大事です。

ERで朝のブリーフィング

 

例えばER当直で糖尿病の患者さんを

診察する時に、これらを4点を押さえておけば、

別の疾患で入院することになっても、

糖尿病への対応を絶対に外せない患者さん

なのか、慌てなくてよい患者さんなのかを

おおよそ掴むことができます。

 

また、これらのポイントを押さえておけば

プレゼンする時でも、指導医に突っ込まれた

時でも、慌てなくて済みますよ。

 (編集長)

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松永先生の感染症カンファ

今年度で11年目となる伝統(?)の

感染症カンファです。年5回開催のうち

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山中克郎先生にお越しいただきました

2019.04.13
カテゴリー: カンファレンス 内科

4月12日に福島県立医大会津医療

センター総合内科の山中克郎先生に

お越しいただきました。

 

山中先生は著書も多く、またNHKの

ドクターGにも出演されたことがあるので

ご存知の方も多いと思います。

 

 

以前は藤田保健衛生大学の救急総合

内科教授として、その後は諏訪中央病院

総合内科でお仕事をされていましたが、

この春から会津医療センターに移られました。

 

昨年も当院にお越しいただき、研修医に

大変好評だったので、今年もお願いして

来ていただきました。

 

今回も、ベッドサイドを含めた症例検討と、

診察の心構えや身体診察のレクチャーを

していただきました。

 

症例検討では、入院して日が浅い、

まだ診断のついていない患者さんを

ベッドサイドでの時間を長くとりながら、

検討していきました。

 

その後のレクチャーもスライドを使わない

インタラクティブな内容で、みんなを

飽きさせない素晴らしいものでした。

 

夜は研修医たちと一緒に会食にも

お付き合いいただき、とても楽しく

あっという間に時間が過ぎていました。

 

山中先生どうも有り難うございました!

(編集長)

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◆次は、松永先生の

 感染症カンファ

今年度で11年目となる伝統(?)の

感染症カンファです。年5回開催のうち

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平成31年4月30日(火)13時~

 

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嘔気の鑑別  その2

2019.01.19
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回は嘔気の鑑別を紹介しました。

「嘔気」をキーワードにすると

鑑別が非常に多くなってしまいますが、

カテゴリーで考えていくと、少し楽に

なります。

 

では今回は提示した症例について

考えてみましょう。

 

前回提示した症例は60歳代の女性で、

それまで医療機関にかかったことが

無い元気な方が、2週間前から嘔気と

食欲低下を訴え外来受診しました。

 

この時の外来ではバイタルも身体所見も

問題なかったので、メトクロプラミド

(プリンペラン®)を処方されたけど

その後も症状が改善せず、再度受診し

たので、これからあなたが診察する

という設定です。

 

どんなことを聞き出せばよいか?

鑑別疾患を想定しながら問診を

進めていきます。

 

例えば

消化管疾患なら、

・下痢や嘔吐はあるか?

・腹痛の有無、

・開腹手術歴

・健診歴(胆石の有無など)

・食事や旅行歴

 

全身性疾患や内分泌代謝疾患

・発熱の有無

・体重の増加・減少

・皮膚や関節の症状

・嘔気の増悪、寛解因子

・顔貌

 

中枢神経疾患

・頭痛の有無や体位での変化

・歩行障害

・意識変容などの有無

 

泌尿器・産婦人科疾患

・腰痛や血尿の有無

・妊娠歴

・月経周期

・月経困難症の有無

 

 薬剤・中毒

・服薬歴

・職業歴

・居住地域

 

他にもいろいろありますが、

少なくともこの辺は確認したいところです。

さらにOPQRSTを加味しながら鑑別を

絞っていきます。

OPQRSTとは?

 

しかし、この症例は喫煙歴がある程度で

あまり病歴から絞り込みができず、

神経学的所見も含めて、身体所見でも

明らかな異常は見当たりませんでした。

 

採血検査も軽度の脱水がありそう

でしたが、2週間持続する嘔気を

説明できる異常はなしでした。

 

ところがルーチン検査として施行した

胸部レントゲンで左肺野に異常陰影を

認めたのでCTを施行すると・・・・、

肺に腫瘤影が・・・・。

となると、採血で高Ca血症はなかったので、

頭部CTを施行しました。

 

右小脳に怪しい影を認めました。

造影MRIを施行すると、

 

診断としては肺癌と転移性脳腫瘍でした。

 

脳腫瘍であれば、頭蓋内圧が上昇する

臥位で頭痛が増強してもよさそうですが、

この症例では認めず、絞り込みが

上手くいかなかったケースです。

 

一般に、嘔気というと消化管疾患を

考えますが、鑑別は幅広く、中には

脳腫瘍や心筋梗塞など重篤な疾患が

隠れていることがあります。

 

よくよく病歴を聞き出して、少ない検査で

診断にたどり着けるように意識しながら

診察してみてください。

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆第19回水戸医学生セミナー 

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平成31年3月2日(土) 、3日(日) 

2日間で開催します。

 

多発外傷患者が搬送されて来た時、

初めに何をしますか?

 

もし多数傷病者が発生する多重事故や

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大学では教えてくれない現場での対応を、

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身に付けてください!

 

現在参加者募集中です。

開催概要はこちらから

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いくつ言えますか? 嘔気の鑑別

2019.01.15
カテゴリー: カンファレンス 内科

60歳代の女性

それまで元気で医療機関にかかった

ことが無い方でしたが、約2週間前から

嘔気を訴えるようになり、徐々に食欲

低下を来しました。外出もしなくなった

ので家族が心配して外来を受診しました。

 

この時の外来ではバイタルも身体所見も

問題なかったので、メトクロプラミド(プリン

ペラン®)を処方され経過観察となりました。

しかしその後も症状が改善せず、再度

受診しました。

 

さて、もしあなたがこの患者さんを診察

することになったら鑑別は何を考えるでしょう?

 

ご存知の通り、鑑別を考えていくうえで

何をキーワードにするかは重要です。

キーワードの設定で鑑別疾患の数が

大きく変わってくるからです。

 

「嘔気」は鑑別疾患が多すぎるので、通常は

別のキーワードと組み合わせて考えます。

 

ただ、この症例が最初に受診した時は

嘔気以外のよいキーワードが見つけ

られませんでした。

 

2度目の受診では鑑別を絞るための

問診をしなければいけませんが、

その時に鑑別疾患が頭に浮かんで

いないと上手く聞き出せません。

 

「嘔気」の鑑別カテゴリーとしては

・消化管疾患

・全身性疾患

・中枢神経疾患

・内分泌・代謝疾患

・泌尿器・産婦人科疾患

・薬剤・中毒

・その他

 

ここで全部書くことは無理なので、

ごく一部だけを紹介します

 

・消化管疾患

閉塞性と非閉塞性に分けられます。

非閉塞性なら、胃炎、消化性潰瘍、

胆石発作、肝炎、腹膜炎などなど

 

・全身性疾患

急性感染症、心不全、急性心筋梗塞、

強皮症、アミロイドーシスなどなど

 

・中枢神経疾患

頭蓋内圧が亢進する疾患(脳腫瘍、外傷)

めまいを呈する疾患(メニエル病)

眼科疾患(緑内障)

片頭痛・てんかんなどに分けて考えます。

 

・内分泌・代謝疾患

糖尿病性ケトアシドーシス、尿毒症、

高カルシウム血症などなど

 

・泌尿器・産婦人科疾患

腎盂腎炎、尿路結石、子宮内膜症など

 

・薬剤・中毒

抗がん剤、アルコール、抗コリン剤、

モルヒネ、一酸化炭素、重金属、

NSAIDSなどなど

 

・その他

妊娠、妊娠中毒症など

 

嘔気だけで考えると、鑑別があまり

思いつきませんが、カテゴリーで

考えると、意外と多くの鑑別疾患を

挙げることができます。

 

さて、あなたはいくつの鑑別を挙げる

ことができたでしょか?

(編集長)

 

水戸医学生セミナーでの一コマ

(ラリー前にお手伝いの救急隊員とシナリオの確認中)

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◆第19回水戸医学生セミナー 

~内科と救急のエッセンスを体験しよう~

 

平成31年3月2日(土) 3日(日) 

2日間で開催します。

開催概要はこちら

 

五感をフルに使って真剣に身体診察に取り組み、

身体診察後の詳細なフィードバックを受ける。

 

すると、あなたはもう一度ベッドサイドに

行ってみたくなるはずです。

 

あなたは身体診察のみで、どこまで診断に

迫れるのか?ぜひ挑戦してみて下さい!

 

水戸医学生セミナーは、大学の授業で

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お急ぎお申し込みください!

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過換気を見たら・・・第26回鑑別診断道場より

2018.11.13
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回に引き続き、第26回

茨城県央レジデントセミナー

~鑑別診断道場~ からです。

 

もう一例の症例提示をしてくれたのは

ひたちなか総合病院の木下先生。

そしてファシリテーターを

同じくひたちなか総合病院の

柴崎先生にお願いしました。

 

とても勉強になる症例でしたが、

その中の一部をあなたとシェア

したいと思います。

 

症例は30歳台の女性

主訴は嘔吐と過換気

既往は特記なし、内服薬もなし

現病歴は、2日前から嘔吐するようになり

段々息苦しくなったので救急要請しました。

 

救急隊からのバイタルは

意識レベル:JCSⅠ-1

体温:37.1℃

血圧:160/112mmHg,

心拍数:130bpm 整, 

呼吸数:32/min,

SpO2:95%(ambient air)

 

来院後に聴取した追加の現病歴は

1か月前から倦怠感あり 

体重減少あり

嘔吐と過換気は初のエピソード

嘔吐の前後から過換気が出現

咳嗽・痰・動悸・腹痛などなし

過去に心療内科・精神科の通院なし

2-3か月前は日常生活動作で息切なし

最近の長時間旅行なし

 

さて、これらの情報からあなたは

何を考えますか?

病歴では過換気の誘因がイマイチ

はっきりしません。随伴症状も

典型的ではありません。

単なる過換気症候群として

片付けてはダメそうです。

 

さらにバイタルで気になるところは

ありませんか?

SpO2が低いのに気づきましたか?

通常の過換気ならSpO2の低下を

来すことはありません。

この症例の血液ガスは以下の通りでした。

pH 7.091   pCO2 6.3Torr   pO2 131Torr   

HCO3- 1.8mEq/L 

さらに血糖が488㎎/dlと高値で

診断は糖尿病性ケトアシドーシスでした。

 

ポイントは

SpO2≦95%は過換気症候群としては

いけない ということです。

 

編集長も過換気で痛い経験があります。

あなたも過換気だと安易に診断

しないように気を付けてください!

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆病院見学に来ませんか?

どうやって研修病院を決めたらいいのか

分からない・・・。

 

それには病院見学をするのが一番です。

さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。

実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が

違うことに気づくでしょう。

 

ぜひ冬休みを利用して、当院へ見学に

お越しください。あなたの目でリアルな

研修生活をのぞいてみて下さい。

 

病院見学や、その他のご質問・お問い合わせは

こちらからご連絡ください。

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慢性の便秘・・・第26回鑑別診断道場より

2018.11.10
カテゴリー: カンファレンス 内科

11月1日に

第26回茨城県央レジデントセミナー

  ~鑑別診断道場~ 

 が当院で開催されました。

 

このセミナーは水戸地区の研修病院

(当院の他に水戸協同病院、ひたちなか

総合病院、水戸医療センター)の研修医が

集まって、年に3回のペースで開催して

いるものです。

 

サブタイトルの「鑑別診断道場」

あるように、研修医が経験した症例を

提示し、グループで鑑別診断を考えながら

症例を検討していきます。

 

同じ研修医同士なので恥ずかしがらずに

どんどん発言して、素朴な疑問を解決

できる場になっています。

今回はその中からシェアしたいと思います。

 

症例提示をしてくれたのは

水戸医療センターの塚田先生。

 

症例は60歳台の男性

主訴は便秘・腹部膨満感

既往は高血圧でアムロジピン服用中

現病歴は、半年前から腹部膨満感

2か月前から便秘が出現し、近医で

腹部レントゲンとエコー検査を受けたが

異常なしで下剤を処方された。しかし、

症状改善せずに水戸医療センターを

受診しました。

 

内服はアムロジピンのみ

喫煙なし、飲酒なし

 

いろいろ確認したいことがあるとは

思いますが、あなたはどうアプローチ

していきますか?考えてみて下さい。

年齢を考えると大腸癌などの悪性腫瘍を

考えておく必要がありますよね。

なので、CTや下部消化管内視鏡は

チェックしたいところです。

 

当日も各グループから指摘されていました。

幸い、CTでも内視鏡でも特に異常は

なかったそうです。

 

こんな時、次はどうアプローチしましょう?

 

こんな時は便秘の原因を4つに分類して

考えると良いそうです。

 

①器質性便秘

  大腸癌やイレウスなど

 

②機能性便秘

蠕動運動異常 直腸の反射低下など。

長期間にわたって刺激性下剤を使用して

いると起こることがあります。また過敏性

腸症候群も含まれます

 

③症候性便秘

内分泌疾患(糖尿病など)、神経疾患

(パーキンソン病など)、精神疾患、

脳脊髄疾患などに伴ってみられるもの

 

④薬剤性便秘

抗コリン薬やモルヒネなどが有名ですね。

 

さて、この症例では器質性や薬剤性は

否定的で、長期の刺激性下剤使用も

ありませんでした。結論としては、

甲状腺機能低下症による便秘で、

甲状腺ホルモンの補充で症状が改善し、

下剤も不要になったそうです。

 

便秘の多くは慢性に経過するので、

正直なところ、下剤を処方しておしまい

ということが多々あります。

しかし塚田先生の素晴らしいところは

きちんとシステムレビューをやっており、

腹部膨満感や便秘の症状が現れた時期に

一致して寒がりになったと聞き出して、

これが診断のきっかけになったそうです。

 

塚田先生のTake home messageとしては

・便秘=消化器内科ではない

・プロブレムリストを挙げて

    きちんと鑑別を行う

・問診が重要

ということでした。

 

次回も鑑別診断道場について紹介します。

(編集長)

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◆第3回

水戸医学生“小児科”セミナー 

小児救急はこわくない

~こども達の未来を救おう~

 

2018年12月15日(土)

当院で開催します!詳細はこちらから!!

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特典期間は終了しましたが、

定員まで、あと2名です!

お急ぎお申し込みください!

 

 

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トルーソー症候群・・・・徳田先生カンファより

2018.11.08
カテゴリー: カンファレンス 内科

徳田先生カンファの症例に関連して

前回は奇異性塞栓の補足説明をしました。

 

今回はトルーソー症候についてです。

トルーソー(Trousseau)症候群とは

悪性腫瘍に関連した血液凝固異常、

あるいはそれに起因した血栓症の

ことです。この場合の血栓症は

動脈血栓症でも静脈血栓症でも

良いようです。

 

日本ではトルーソー症候群と言うと

悪性腫瘍患者に発生した多発性脳梗塞

のことを指すようですが、国際的に

受け入れられている疾患の定義は

まだないようです。

 

徳田先生カンファで取り上げた症例は

あとから判明したと言え、癌患者さんで

脳梗塞と下肢DVTがあったので

トルーソー症候群と考えてよいと

思います。

 

ちなみに、癌の中でも血栓症を

起こしやすいものがあるのを

知っていますか?

 

特に膵癌や胃癌、肺癌、卵巣癌、

乳癌が血栓症を起こしやすい癌と

して有名です。

 

逆に前立腺癌はDICによる出血

イベントを起こしやすいことで有名です。

(編集長)

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◆第3回

水戸医学生“小児科”セミナー 

小児救急はこわくない

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2018年12月15日(土)

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奇異性塞栓症・・・徳田先生カンファより

2018.11.06
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回は徳田先生カンファで検討した

症例をシェアしました。

 

そこで鑑別に挙げたのが、

奇異性塞栓トルーソー症候群でした。

今回は奇異性塞栓の補足説明です。

 

奇異性塞栓とは、

心房細動など塞栓症の原因となる

ものがないにもかかわらず、脳塞栓症など

動脈系の塞栓症を引き起こすものです。

 

DVTなどで静脈系に生じた血栓が、

心房中隔にある卵円孔(卵円孔開存:PFO)や

肺動静脈奇形(AVM)などの右左シャントを介して

動脈系に入り込むことで起こります。

 

ちなみにPFOは正常健常人でも

20%前後の頻度で見られると言われて

おり、決して稀なものではありません。

 

よく心房中隔欠損(ASD)と混同されて

いますが、PFOは普段は穴が開いて

いない(=シャントがない)のですが、

完全に閉鎖していないために、

重いものを持ち上げるとか、排便など

息こらえる時(=バルサルバ手技)などで

右房圧が上がった時に右左シャントが

生じるものです。

 

一方ASDは欠損孔が開いているので、

通常は左右シャントがあります。

 

もう一つの肺AVMは、肺動脈と肺静脈が

直接つながっているものです。本来は

肺がフィルターとして血栓や細菌などを

動脈系に入らないようにしているのに、

そこをすり抜けて動脈系に入り込んで

しまうのです。

左下葉の肺AVM

 

肺AVMがある患者さんでは奇異性塞栓症

の他に、脳膿瘍などが多くみられます。

 

ちなみに治療としては流入血管径が

3㎜以上で治療適応となり、手術的に

切除したり、コイル塞栓でAVMを塞いで

しまいます。

肺動脈造影

 

コイル塞栓後

 

最近は原因の良くわからない脳塞栓症を

ESUS(Embolic Stroke of Undetermined Sources)

と言ったりしますが、いずれにせよ

比較的若年者の脳梗塞や、心房細動が

捕まらないけど、画像上は塞栓症が

疑われる時に奇異性塞栓症を考えて下さい。

(編集長)

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◆第3回

水戸医学生“小児科”セミナー 

小児救急はこわくない

~こども達の未来を救おう~

 

2018年12月15日(土)

当院で開催します!詳細はこちらから!!

http://www.mito-saisei.jp/resident/mitoigakuseiseminar201812.html

 

特典期間は終了しましたが、

定員まで、あと2名です!

お急ぎお申し込みください!

 

 

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http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html 

 

 

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