臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
アステリキシスを認めた時は・・・徳田先生のカンファより
アステリキシス(asterixis)は、以前は
「羽ばたき振戦」と呼ばれていたものです。
でも、厳密な意味で「振戦」ではないので、
アステリキシスと呼びます。
原因としては、
・尿毒症
・肝性脳症
・CO2ナルコーシス
この3つを覚えておけばほぼ大丈夫
他に、薬剤性もありますが、
フェニトインの過量で見られる
そうですが、マレです。
ポイントは、いずれも代謝性脳症
(Metabolic encephalopathy)による
もので、脳血管障害では見られません。
ということは、CTなどの画像では
原因が判断できません。
診察では、患者さんの両腕を前に
まっすぐ伸ばしてもらい、手指もピンと
伸ばして、手の甲を反り返らせて
もらいます。
手関節の伸展を維持できないので、
ピクッ、ピクッと手関節が不随意に
戻る動きがあります。
ちなみに意識のない患者では、
検者が、片手で患者さんの手首を
つかんで、もう片方の手で患者さんの
手のひらを反り返らせます。上記の
不随意運動が出ればアリと判断します。
(編集長)
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第4回
小児救急はこわくない
~こども達の未来を救おう~
2019年12月7日(土)
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定員まで、残り1名です!
予想を上回るペースでお申込みいただき、
定員が残り1名となりました。
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比較的徐脈・・・徳田先生のカンファより
前回のブログ記事で、台風19号の件を
取り上げたところ、予想外に多くの方に
読んでいただきました。
週が明けて、院内の業務は通常通り
ですが、病院スタッフの関係者とか、
外来患者さんにも浸水の被害にあった
方が多くいました。テレビなどで報道は
ごく一部でしかなく、被害の大きさを
改めて認識しています。
1日でも早く落ち着いた生活に戻れる
ように、お祈り申し上げます。
さて、先日の徳田先生カンファからです。
「比較的徐脈」という言葉を聞いたことが
あると思いますが、何のことだか
説明できますか?
↓
↓
比較的徐脈とは、高熱時に脈拍が増加
するのが通常の生体反応ですが、
高熱にもかかわらず、それに見合った
脈拍増加がみられない場合に言います。
一般的には
39度で脈拍<110bpm
40度で脈拍<130bpm
であれば、比較的徐脈と判断します。
ただし、37~38度では判断できません。
比較的徐脈を来す疾患には
以下のようなのもがあります。
細菌感染症
・腸チフス、パラチフス
・マイコプラズマ肺炎
・レジオネラ
・ブルセラ症
・オウム病
・野兎病
・リケッチア(ツツガムシ病など)
・スピロヘータ(ワイル病など)
薬剤熱
腫瘍熱
比較的徐脈を来す細菌感染症は、
たくさんありますが、細胞内に寄生する
タイプの細菌が多い、と覚えておくと
ラクです。
(編集長)
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第4回
小児救急はこわくない
~こども達の未来を救おう~
2019年12月7日(土)
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定員まで、あと2名です!
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肺炎患者の対応 その8
今回もNHCAPの続きで。
誤嚥のリスクについてです。
誤嚥と言うと、「誤嚥性肺炎」と
ほぼ同義に用いられているのが、
実情だと思います。あなたも、
聞いたり、使ったことがあると
思います。
では、誤嚥性肺炎の定義が
どうなっているのか
あなたは知っていますか?
実は誤嚥性肺炎の明確な定義は
ないのですが、一般的には、
「ADLや全身機能の低下、特に
脳血管障害を有する場合に認め
られやすい嚥下機能障害を背景に
起きる肺炎で、高齢者の食事摂取に
関連して発症する」
と理解されています。
実際のところNHCAPの患者さんは、
高齢でADLの低下を来しており、
脳血管疾患の既往も多いなど、
誤嚥性肺炎とかなりオーバーラップ
しているというのは、あなたも
直感的に理解できると思います。
HAPでも、免疫能が低下した
耐性菌リスクの高い肺炎と、
脳血管障害を背景とする誤嚥が
関与する肺炎との二面性を
併せ持っているのも理解できます。
実際、誤嚥のリスクが多いほど
急性期や慢性期の死亡率、
さらに再入院率の上昇に関連しており、
そのリスク因子を考慮することで
急性期死亡率を低下させる可能性が
あります。
そこで、NHCAPでもHAPでも、
最初に患者背景のアセスメントで
誤嚥のリスク評価をしましょうと、
ガイドラインで推奨しています。
ただし、ここで注意点があります。
誤嚥性肺炎の明確な定義はないと
先述しましたが、誤嚥のリスクが
多いから、誤嚥性肺炎を起こす
という訳ではありません。
つまり、
誤嚥のリスクが多い≠誤嚥性肺炎
ということです。
編集長も、ガイドラインなどの文献を
読みながら、モヤモヤが解消されま
せんでした。なので、このブログでも
今まで記事にできずにいたのです。
でも、高齢者の肺炎だから抗菌薬は
ABPC/SBTと、何も考えずに機械的に
選択するのではなく、患者さんの
状態をよく把握して、「どこで?何が?」を
考えながら治療にあたることが
大事だと思います。
*このシリーズは今回で終了します。
(編集長)
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◆水戸済生会総合病院の
内科専門研修について
10月から登録開始がうわさされている
専門研修ですが、当院には内科の
基幹型研修プログラムがあります。
ご質問・お問い合わせは下記の
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肺炎患者の対応 その7
今回は医療介護関連肺炎
(NHCAP:Nursing and Health-Care
Associated Pneumonia)です。
NHCAPの定義は、
医療ケアや介護を受けている人に
発症した肺炎で、以下の1つ以上を
満たすもの
①療養病床、介護施設、精神病床に
入所している
②90日以内に病院を退院した
③介護を必要とする高齢者、身体障害者
④通院にて継続的に血管内治療(透析、
抗菌薬、化学療法、免疫抑制剤等)を
受けている
NHCAPの評価はHAPと同様に
まず「患者背景のアセスメント」を
行います。
具体的には
・誤嚥のリスクが高いか?
・癌患者の終末期や老衰などの状況か?
これらを評価して、状況によっては
肺炎の治療を行わないという選択肢も
検討します。
続いて、
①敗血症の有無の判断
②重症度の判断
③耐性菌リスクの判断
具体的に
敗血症はqSOFAやSOFAで
重症度はA-Dropで評価します。
ちなみに院内肺炎(HAP)では
I-ROADを用いますが、NHCAPでは
市中肺炎(CAP)同様にA-Dropを
用いて評価します。
耐性菌のリスク評価については
以下のようになっています。
HAPと似ていますが、90日以内の入院歴や、
胃酸分泌抑制薬、つまりPPIの使用が
耐性菌のリスクに挙げられており、興味深い
ところです。
次回は誤嚥のリスクについて紹介します。
(編集長)
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肺炎患者の対応 その6
今回は呼吸器関連肺炎(VAP)です。
VAPはHAPの一つですが、
「気管挿管下人工呼吸を開始して
48時間以降に発症した肺炎」
と定義されます。
ICUにおける主要な感染性合併症であり、
全挿管患者の9~27%に発生すると
されています。
起炎菌は緑膿菌が最多ですが、
エンテロバクターやセラチア、
マルトフィリアなど、治療に
難渋するグラム陰性桿菌も多く、
黄色ブドウ球菌やMRSAの割合も
高いようです。
さて、ここで質問です。
あなたはどうやって
VAPと診断していますか?
そもそも、挿管されるくらい
原疾患の状態が悪い、
抜管できないという状況な訳ですから、
CAPのようにレントゲンで肺炎像が
はっきり見えるとは限りません。
欧米のガイドラインなどでも
確立した診断基準はないようですが、
成人肺炎診療ガイドライン2017では
以下のようになっています。
こうしてみると、もっともな
ことばかりですが、臨床では
はっきりしない、モヤモヤが
残ることも多いのが実際の
ところ。
挿管されている患者さんでは、
発熱の原因として、VAP以外に
尿路感染症やCLABSI(ライン感染)など
いくらでもあるので、VAPの診断は
簡単ではないのです。
VAPは早期の治療開始は大事ですが、
熱が出たからVAPと簡単に決めないで
他の熱源の検索も忘れないようにしましょう。
そして、治療もさることながら、
大事なのは予防です。
具体的には
①手指衛生
②仰臥位の回避
③呼吸器回路を頻回に交換しない
④過剰な鎮静を避ける
⑤人工呼吸器からの離脱
⑥声門下腔吸引孔付きチューブの使用
⑦口腔ケア
ちなみに、②のために頭部を
30~45度挙上するだけで、
VAPリスクが67%も減少します。
⑥はメタ解析でVAPの発症を低下
させることが示されているそうです。
(編集長)
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◆松永先生の感染症カンファ
松永先生の感染症カンファを
下記日程で開催します。
院外からの参加も歓迎します!
令和元年9月10日(火)13時より
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肺炎患者の対応 その5
院内肺炎(HAP)の続きです。
HAPの治療の流れは、
①敗血症の有無の判断
②重症度の判断
③耐性菌リスクの判断
特に、重症度の判断は、
A-DROPではなく、
I-ROADと、2つの重症度
規定因子を用いて評価します。
では、③の耐性菌のリスクは
どう考えればいいのでしょうか?
成人肺炎診療ガイドライン2017では、
次のようなものを、耐性菌のリスク
因子に挙げています。
さらに考慮すべき起炎菌はとして
下記のようなものを挙げています。
こう考えると、「HAPだから、
緑膿菌もカバーしなければ」と
いうのは、必ずしも正しくありません。
さらに、現実問題として、緑膿菌や
ESBLを考慮して、ペネム系抗菌薬を
最初から使ってしまうと、次の手が
なくなってしまい、非常に困ります。
「HAPだから緑膿菌も、ESBLもカバー」
ではなく、起炎菌は何なのか?
ホントにカバーする必要があるのか?
この点を意識しながら抗菌薬を
考えてみてください。
次回はVAPを紹介します。
(編集長)
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肺炎患者の対応 その4
今回から院内肺炎(HAP)です。
HAPの定義は
入院48時間以上経過した患者に
新たに発症した肺炎、でした。
また、HAPには人工呼吸器関連
肺炎(VAP)も含まれます。
さて、HAPに遭遇した際に
まず行うことは何でしょう?
成人肺炎診療ガイドライン2017
によれば、まず「患者背景の
アセスメント」を提唱しています。
具体的には
・誤嚥のリスクが高いか?
・癌患者の終末期や老衰などの状況か?
などを評価して、状況によっては、
肺炎の治療を行わないという選択肢も
検討します。
さて、治療をするなら、次にすることは?
CAPと同様に、
①敗血症の有無の判断
②重症度の判断
これらを行ったうえで、さらに
③耐性菌リスクの判断
を行っていきます。
敗血症の有無については
CAPと同様で、qSOFAとSOFAを
用います。
重症度の判断は、
CAPではA-DROPでしたが、
HAPでは使えません。
代わりにI-ROADと、
2つの重症度規定因子を用いて
評価を行います。
軽症群は
I-ROADが2項目以下+重症度規定因子なし
中等症群は
I-ROADが2項目以下+重症度規定因子あり
重症群は
I-ROAD3項目以上
となっています。
ちなみにI-ROADに含まれている
FiO2>35%は、だいたいカヌラで4L以上の
酸素流量に相当します。
(編集長)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆病院見学はもうお済みですか?
どうやって研修病院を決めたらいいのか
分からない・・・。
それには病院見学をするのが一番です。
さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。
実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が
違うことに気づくでしょう。
ぜひ夏休みを利用して、当院へ見学に
お越しください。あなたの目でリアルな
研修生活をのぞいてみて下さい。
◆病院見学や、ご質問・お問い合わせは
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肺炎患者の対応 その3
市中肺炎(CAP)の続きです。
敗血症の有無や重症度の
評価を行った後は、抗菌薬の
選択を考えます。
抗菌薬を選択する際は、大きく
・定型肺炎
・非定型肺炎
の2つに分けて考えます。
定型肺炎とは、肺炎球菌や
インフルエンザ桿菌、
モレキセラ・カタラーリス
などによる肺炎のことです。
一方の、非定型肺炎は
マイコプラズマやクラミドフィラ
(クラミジア)による肺炎の
ことを指します。
青木眞先生の「レジデントの
ための感染症診療マニュアル」
によれば、定型肺炎は、肺に
病像が限定される傾向あるそう
ですが、一方の非定型肺炎
では、頭痛や筋肉痛、皮疹、
関節痛など、肺外の臨床像が
目立つ傾向にあることから
名づけられたそうです。
とはいっても、青木先生も
書いているように、定型肺炎と
非定型肺炎を臨床的に
区別することは難しいのです。
そこで編集長のおススメは、
・定型肺炎
ペニシリン系やセフェム系が効く肺炎。
・非定型肺炎
ペニシリンやセフェムが効かない肺炎
と覚えておくと便利です。
非定型肺炎の起炎菌である
マイコプラズマとかクラミドフィラ
(クラミジア)では、ペニシリンや
セフェムが効きませんので
マクロライド系やキノロン系を選択
します。
この、定型肺炎と非定型肺炎を
どうやって見分けるかは
スコアがあったりしますが、
実際にはどうかな?という印象です。
参考までに・・・
編集長的に一番役に立つのは
グラム染色です。(もちろん良質の
喀痰を染色するのが前提です)
グラム染色で
・起炎菌が分かれば定型肺炎
・何も見えなければ非定型肺炎
と推定できます。
一番よくないのが、
CAP=セフトリアキソン(第3セフェム)
とワンパターンになってしまうこと。
非定型肺炎のことなど、これっぽっちも
考えていないのはNGです。
患者の話をよく聞いて、マクロライドを
選択するのか、セフェムにするのかを
症例ごとに、よーく悩んでください。
そのほか、定型肺炎の起炎菌として
黄色ブドウ球菌やクレブシエラ、
緑膿菌も記載されていることもあります。
ですが、
黄色ブドウ球菌はインフルエンザ罹患後
クレブシエラはアルコール依存患者
緑膿菌は気管支拡張症の患者
といった、限られた状況で起炎菌と
なるので、CAP患者さんで、毎回
全部をカバーする必要はありません。
定型肺炎か?非定型肺炎か?
抗菌薬の選択をどうするか?
基本通り、病歴や既往を確認して
決めていきましょう。
(編集長)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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どうやって研修病院を決めたらいいのか
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肺炎患者の対応 その2
前回に続いて、肺炎についての
ポイントを整理していきます。
今回は市中肺炎(CAP)です。
最初に質問です。
CAPの患者さんをみた時に
最初にすることは何でしょう?
↓
↓
↓
最初にすることは
①敗血症の有無の評価
②重症度の評価
の2つです。
敗血症の有無は、
quick SOFAで評価します。
2点以上なら敗血症疑いとして、
さらにSOFAスコアで評価します。
では、重症度の評価は?
↓
↓
↓
この時に用いられるのが、
A-DROPです。
入院させるのか、それとも
外来で治療するのかの
判断材料になります。
各項目を1点としてスコア化します。
それを基に治療方針を判断します。
0点なら軽症:外来治療
1~2点なら中等症:外来もしくは入院
3点なら重症:入院
4~5点なら最重症:ICU入院
ポイントは、レントゲン所見が
入っていないことに注意しましょう。
例えばレントゲン所見が大したこと
なくとも、SpO2が低ければ
ヤバいと判断する必要があります。
これを頭に入れておいて、
指導医の先生に上手にプレゼン
して下さい。
例えばこんな感じで・・。
「71歳の男性のCAPで、
qSOFAは0点ですが、
A-Dropが2点(年齢・脱水)でした。
SpO2も92~94%と低めなので
入院させた方がいいと思いますが・・・。」
とプレゼンできればイイですね。
(編集長)
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どうやって研修病院を決めたらいいのか
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それには病院見学をするのが一番です。
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肺炎患者の対応 その1
肺炎は日常的に遭遇する疾患です。
たぶんあなたも担当したことが
あると思います。
ですが、よく遭遇するので、診療も
ついついワンパターンになりがちです。
例えば、肺炎ならA-Dropで評価して、
入院させたらセフトリアキソン(CTRX)
を開始。
他にも、高齢者でちょっとでも誤嚥が
疑われるなら、絶食にして
アンピシリン/スルバクタム(ABPC/SBT)
呼吸器関連肺炎(VAP)ならメロペネム
(MEPM)
まあ、間違っていませんが
色々なツールやガイドラインを
きちんと利用できているでしょうか?
このへんで、もう一度要点を整理
してみようと思います。
今回は肺炎の分類から。
肺炎患者を見た時は、まず
下記の3つの分類の、どれに
該当するのかを考えます。
・市中肺炎
(CAP:Community Acquired Pneumonia)
・院内肺炎
(HAP:Hospital Acquired Pneumonia)
・医療介護関連肺炎
(NHCAP:Nursing and Health-Care
Associated Pneumonia)
それぞれの定義を確認しておきましょう。
CAPは
・病院外で日常生活を送っている人に
発症した肺炎
HAPは
・入院48時間以上経過した患者に
新たに発症した肺炎
NHCAPは
・医療ケアや介護を受けている人に
発症した肺炎で、以下の1つ以上を
満たすもの
①療養病床、介護施設、精神病床に
入所している
②90日以内に病院を退院した
③介護を必要とする高齢者、身体障害者
④通院にて継続的に血管内治療
(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制剤
等)を受けている
ちなみに、ここでの介護の定義は
PS(Performance status)≧3が該当します。
PS3とは、限られた身の周りのことしか
できない、日中の50%以上をベッドか
椅子で暮らしている、とされています。
次回は、CAPについて紹介します。
(編集長)
肺炎患者さんにPICC挿入中
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それには病院見学をするのが一番です。
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