臨床研修ブログ
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水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
【新シリーズ】小児科から
こんにちは。4月から小児科に赴任しました貴達(きたつ)と申します。今後、定期的に小児科からも情報発信させていただきます。
水戸済生会総合病院の隣には茨城県立こども病院に隣接しており、密に連携をとりながら診療にあたっています。
水戸済生会総合病院で初期研修をすると、こども病院で研修することも可能なのですが、全国的にみても、初期研修のうちからこども病院で研修できる病院というのは数が少なく、当院の特徴だと思います。こども病院で毎週のように行っているレクチャーにもいつでも参加可能です。
こども病院に隣接した小児科で何をしているかというと、、、アレルギー診療に熱心に取り組んでいます。つい先日も鶏卵アレルギーの子に対して食物経口負荷試験を行いました。
アレルギーを疑われた場合、よく採血で特異的IgEの値が上がっているかどうかを確認すると思います。スギ花粉症が疑われたときにスギの数値が高い、低いと言っているものです。食物アレルギーでも同様に特異的IgEを測ります。しかし、特異的IgE値が高くても、イコール食物アレルギーではありません。特異的IgEが陽性となっても、食べられることが少なくありません。例えば、卵白特異的IgEの値が最大のclass6となっていても、少量であれば、約半数の子が摂取することができます。それを確認するのが食物経口負荷試験です。
病棟でアレルギー症状が起きても良い環境で摂取をしてもらいます。今回ってくれている初期研修の先生にも手伝ってもらっています。今後どんどん食物経口負荷試験を増やしていく予定ですので、是非見学の際には見ていっていただければと思います。
(貴達)
食物経口負荷試験の風景
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
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◆ 5月15日(土)マイナビ合同Webセミナー全国版に出展します!
5月15日(土)午後に開催されるマイナビ合同Webセミナーに出展します。
編集長と研修医らがあなたの質問にお答えします!ぜひご参加ください!!
1回目:13:00~13:40 病院紹介
13:45~14:15 Zoomでの個別質疑応答
2回目:14:30~15:10 病院紹介
15:15~15:45 Zoomでの個別質疑応答
3回目:16:00~16:40 病院紹介
16:40~ Zoomでの個別質疑応答
*病院紹介は3回とも同一内容です。
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5月10日~5月28日まで開催します!
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感染症【治療】の2つの軸・・・化学的と物理的
4月に開催された松永先生の感染症レクチャーから、基本の復習です。
前回は感染症【診断】の2つの軸を紹介しましたが、今回も2年前のブログから感染症【治療】の2つの軸についてです。
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60歳代の女性が発熱で入院。CVA叩打痛と尿所見から尿路感染症と診断しました。尿培養と血液培養を採取後に抗菌薬(CTRX)を開始。培養結果は、尿も血液も素直なE.coliでした。感受性をみても抗菌薬は当たっているはず。なのに、解熱しないし、CRPも良くならない。あなたにはこんな経験はありませんか?今回は松永先生のカンファから感染症治療の2つの軸を紹介します。
感染症治療=抗菌薬
というイメージを持っている人は多くいます。もちろん抗菌薬が感染症治療の重要な位置を占めているのは間違いありません。そもそも、抗菌薬の役割は微生物を「化学的に除去する」ことですが、用量が少なすぎたり、目的のところに十分到達しなければ効果は得られません。
こんな時に、二つ目の大事な治療の軸があります。それは、「物理的に除去する」ということです。
ドレナージや洗浄、切除(切断)、人工物の除去など、外科医など他の診療科とも協力して治療を行う必要があることを忘れてはいけません。
物理的に微生物を排除するのは具体的に以下のようなものがあります。
-膿瘍
-「うっ滞性」感染症
・胆石・腫瘍による胆道閉塞 ⇒ 胆管炎
・尿路結石による尿路閉塞 ⇒ 尿路感染症
-人工物
・中心静脈ライン
・動脈ライン
・人工呼吸器
・胃管
・尿カテ
・人工弁
・人工関節 など
-壊死組織
冒頭の症例は、腎周囲膿瘍を来していたため、単なる抗菌薬の点滴のみでは改善に時間がかかった症例です。幸いドレナージなどせずに、保存的治療のみで治癒しました。
あなたも抗菌薬のオーダーをしただけで安心してはいけません。化学的と物理的の2つの治療の軸を忘れないようにしましょう。
(編集長)
手際の良さが光ります♪
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感染症診断の2つの軸・・・どこで?なにが?
4月にZoomで松永先生の感染症レクチャーがありましたが、感染症診療の基本は日常臨床において、とても大事です。編集長は、もう10回以上聴講しているのでだいぶ覚えてきたように思いますが、毎回何かしらの発見があります。そして、良く分からない時ほど基本に立ち返ることが必要です。
今回は2年前のブログの再掲になりますが、感染症診断の2つの軸について紹介しているので、ぜひご覧ください。
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あなたがER当直をしていると高齢の女性で、施設入所中の患者さんが発熱を主訴に搬送されてきました。血液検査ではWBCが1万、CRPは18と炎症反応が上昇していましたが、それ以外は明らかな異常はありません。尿所見は白血球も細菌もなし、腹部は圧痛なしでした。胸部レントゲンは明らかな肺炎像はないけれど、施設のスタッフの話では食事の際にむせこむこともあったらしい。
以前に肺炎で入院歴があるので、今回もきっと誤嚥性肺炎だろう。そう考えて、血液培養を2セット採取後に抗菌薬(ABPC/SBT)を開始しました。よくありそうな症例ですよね。
ところが翌日に細菌検査室から「4本中4本でグラム陽性球菌です」と連絡がありました。さらにその翌日には「G群溶連菌(GGS)でした!」こんな報告が届きました。
この症例の診断は、肺炎で良かったでしょうか?
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松永先生は「感染症診断の二つの軸」を強調しています。感染症を診断する時は、同時に2つことを考えるということです。
その2つとは感染巣(解剖学的診断)と起炎菌(微生物学的診断)。言い換えると、どこで(Where?) なにが?(What?)悪さをしているのかを考えましょうということです。
冒頭の症例は、血液培養からGGSが検出されたら、「肺炎ではなさそうだぞ」と違和感を持つ必要があります。
微生物学的診断(なにが?)はGGSと判明しているので、どこを探すか?
GGSが起炎菌となりそうな臓器、例えば口腔内、皮膚軟部組織、血液を思い浮かべて探しに行きます。この症例は、背部や臀部も含めて皮膚軟部組織には異常なく、感染性心内膜炎も否定されました。最終的に口腔内の所見から化膿性耳下腺炎と診断されました。
診断は違っていましたが、当初の抗菌薬でカバーされていたので、結果は同じだったかもしれません。でも、もし感染性心内膜炎だったら、中途半端な治療になってしまうことも十分あり得ます。感染性心内膜炎の再燃で再入院なんて経験したくないですよね。
感染巣が分かれば、起炎菌も絞られます。 微生物が分かれば、感染巣も絞られます。
どこで?(=感染巣) なにが?(=微生物)をおさえながら診療に取り組んでいきましょう!
(編集長)
カテの助手として奮闘中
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Clinical Prediction Rule(CPR)を活用しよう!
めまいを主訴とする患者さんが夜のERを受診しました。
詳細に病歴を聴取して、丁寧に身体所見や神経所見を見て、どうやら、中枢性のめまいではなさそう。説明して、帰宅を指示しよう…と思っていたら患者さんがド派手に嘔吐!症状の訴えも強く、家族も心配そうに「大丈夫なのでしょうか?」と聞いてくるし、緊急でCT/MRIを撮ったほうが良いのか迷う…、こんな経験、研修医なら誰しもあるのではないでしょうか?
そんなふうに判断に迷うとき、Clinical Prediction Rule(CPR)が役に立つことがあります。CPRとは、臨床現場で得られる複数の情報を組み合わせて、ある疾病の有無や将来起こりうるイベントを予測するための指標です。有名どころでは、SOFA scoreやA-DROPシステムなどは国家試験でも頻出ですよね。
2021年3月に出版された舩越拓先生(東京ベイ・浦安市川医療センター救急外来部門部長)の著書『救急検査ケースファイル』はそんなCPRの原則を勉強するのに最適な1冊です。15種類の判断に迷うケース(主訴)に対してそれぞれいくつかのCPRが紹介されています。
詳細はぜひ購入して読んでいただければと思いますが、上記の様なケースは「acute vestibular syndrome(AVS)」と呼ばれます。AVSのうち25%は脳血管障害を原因としていることが報告されていますが、めまい以外の神経症状を呈さないこともあり、ERでは必ず中枢性であることを否定しなくてはなりません。
では、ERでめまい患者(特にAVS)に対して全例MRIを撮るのか?少なくとも当院のERでは、そんなことをしていたら当直がまともに機能しません。そんな時に研修医の強い味方になってくれるのが「HINTS法」です。
HINTS法とは、Head Impulse Test(HIT)、Nystagmus、Test of Skew deviationを組み合わせてAVSにおける脳血管障害の有無を判別するためのCPRです。上記3項目の陰性が確認されれば、MRI拡散強調像よりも正確に(!)中枢性めまいを否定できるとされています。(HINTS法に聴力検査を組み合わせるとその感度は何と100%!)もちろん正しく手技が行えることが前提条件ですが、使いこなせるようになればベッドサイドでほんの数分でヤバイめまいがバッチリ鑑別できる様になること請け合いです。
この本の素晴らしいところは、主訴ごとのCPRを網羅的に紹介したのち、「そのCPRはどういう意味なのか?」「実臨床で(筆者・舩越先生が)どの様に活用しているのか?」が記されている点だと思います。
この世には数多のCPRが溢れているわけですが、その解釈や有用性に疑問が呈されているものも多く、間違った使い方をすると痛い目を見ることになる危険性もあります。(そうならないようにひとつひとつが徹底的に分析されていて、読むほど嘆息が漏れます。。。)「巨人の肩に『正しく』乗って」ERでの診療をテンポ良く安全に楽しんでいきたいなーと思いました。救急医療のフィールドを志す人にはおすすめの一冊です!
(Dr.K)
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【御礼】6年目に突入します!
いつも当ブログをご覧いただき有難うございます。
2016年の5月から始めたこのブログですが、今月で5周年を迎えました!そして、6年目に突入です!!こうして長いこと続けてこれたのも、あなたが読んでくれているからです。改めて御礼申し上げます。
このブログでは、当院のイベントはもちろんのこと、初期研修医や医学生のあなたに知ってもらいたいこと、病棟やERで役立つ知識などを記事にしています。
お気づきの方も多いと思いますが、最近では当院の研修医たちのアウトプットの場としても活用させてもらっています。
彼らには、あまり難しい説明ではなく、自分の後輩や一緒に仕事する看護師さんたちに説明するような感じで書いてもらっています。難しい内容を分かりやすく説明するスキルは思っている以上に難しいものですが、患者さんへの説明する時にも間違いなく役立ちますからね。
これからも当院の研修をもっと知ってもらい、なおかつ、あなたに役立つ内容をお伝えできるように、このブログを続けていますので引き続きご愛読をお願いいたします。
(編集長)
水戸済生会は研修医がヘリに乗る!
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約2年ぶりです♪ 周産期センターから
大変長らくお待たせしました。最終更新から気がつけば2年以上過ぎてしまいましたが、チームさんば、健在です。
新型コロナウイルス感染症の流行のせいで、人生で一番大切な誕生の瞬間に、現在は夫立ち会いができません。里帰りしてきてくださった妊婦さんには自宅待機を2週間お願いしています。当初、都会からのコロナ流入が無いように,,,と思っての対応でしたが、県内もとより水戸市でも患者さんが出てしまっているので日々感染予防に努めながら妊産婦さんが心細くならないよう、助産師と力を合わせて盛り立てています。
さて、チームさんばですが今年度になってスタッフが代わりました。現在、男性医師3名、女性医師7名で働いております。(女子率が高くなりました。)産婦人科専門医が7名、後期研修医3名なので後期研修医は手術に分娩に経験値高めるために症例の取り合い、、、かと思いきや、すでに概ね研修の終わっている後期研修医なので当院での特色である周産期医療の研修に励んでいただいております。当院での夜間、休日の緊急CSも経験していただき、即戦力としてチームを支えてくれております。
新しい風が入ってきたところですが、寂しいことに長らく外来を担当してくださっていた非常勤のM先生が異動となってしまいました。婦人科外来を担当していただいていたので90代前後のご婦人が外来で落胆されておりました。先生に会うのを楽しみにしていたのに、と。高齢であると、良性疾患であれば経過観察も終了して良いのでは?と考えてしまいがちですが、こういう方々は病院で医師と会話をすることが生きがいで、半年ごとの受診であっても受診という一大イベントを目標に生活しているところがあります。異動の多い若い医師には想定しにくい状況ですが外来で長期に関わると年に数回出会うだけであってもその方の人生にかかわっていることを痛感させられます。今回M先生の異動で、ご婦人方のM先生ロスを埋められるようチームで頑張っていくことが大切だと思いました。
産科メインで、どちらかというと若い患者様と対応することの多い病院ではありますが、婦人科良性疾患で様々な年代のご婦人と対峙します。それぞれの年代に沿った対応を心がけ、女性であればどんな相談にも乗れる産婦人科医になれるよう、その育成機関として成熟していかなければならないなあと感じた新年度の始まりでした。
頑張ってブログ継続させていきますので今後ともよろしくお願いします。
(チームさんば)
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そろそろ1か月です
J1のあなたが病棟にデビューして、そろそろ1か月がたちます。恐らく、あっという間だったと思います。学生時代と大きく環境が変わって、目の前のことを覚えるのが精いっぱいで、ろくに昼食もとれなかったかもしれません。1か月近くたつと、ようやく昼食を食べるタイミングとか、それこそトイレに行くタイミングが分かってきたのではないでしょうか?
編集長の研修医時代を思い返すと、最初の1か月間は、たしかコンサルテーションの書き方がまずくて、チーフレジデントに怒られたことがぼんやり残っていますが、それ以外はまったくと言っていいほど記憶がありません・・・。
研修医の労働環境は非常にストレスフルであることは、過去の調査や研究でも明らかになっていますが、そんなストレスフルな状況の時だからこそ、体調管理をしていきましょう。以下の3つのポイントは、月並みですが実際にやれていないことが多いことばかりですよ。
・朝食をしっかり食べる
当直明けでも、何か食べないと力も出ないし、頭も回りません。タイミングによっては昼食が摂れるとは限りません。しっかり食べましょう。
・睡眠時間をしっかりとる
医学部を卒業したあなたにとって、睡眠時間を削って勉強することはそれほど苦痛ではないかもしれません。人より多く勉強するにはそれくらいのことは大丈夫と思っていたでしょう。でも、いくら若いあなたでも睡眠不足だと間違いなくパフォーマンスが落ちます。ミスにつながり、患者さんや看護師さんに迷惑がかかる事態になります。当直の時はやむを得ませんが、それ以外の日は睡眠時間をしっかり確保しましょう。
・体を動かす
まだまだペースがつかめないということは、常に緊張して張り詰めたままということです。ほんの15分でも20分でもいいので、体を動かす時間を週に何度か確保しましょう。運動することで仕事の緊張がほぐれます。時間の使い方もうまくなります。
あなたのような真面目な研修医は、あれもこれもやらないと!と思いがちですが、それと同じくらい体調管理に気を配る必要があります。まだ始まったばかりです。焦らずにいきましょう。
(編集長)
緊張しながらのER当直
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今年度も始まりました!・・・感染症 松永先生のZoomレクチャー
4月22日に本年度1回目の松永先生のZoomレクチャーを開催しました。新型コロナの影響で、昨年度同様にZoom開催となりました。
松永先生の感染症レクチャーのことはこのブログでは何度も紹介していますが、今年で13年目となる、当院のコアなレクチャーの一つです。
松永先生は帝京大学医学部付属病院の感染制御部の准教授です。東大医学部を卒業後に在沖縄米国海軍病院インターン、東大医学部附属病院内科研修医、そして茨城県立中央病院内科研修医を経て、2002年から米国コロンビア大学関連病院St.Luke’s-Roosevelt Hospital Center内科レジデント、2005年からUCLA関連フェローシッププログラム感染症科臨床フェローを修了されています。帰国後は東京医科大学病院感染制御部を経て、2010年から現職を務めています。当院には平成21年から感染症カンファや院内講演会などでお越しいただいており、現在は年5回の研修医向けの感染症レクチャーをお願いしています。
年度初めのテーマは、例年通り「感染症診療の基本」ですが、さらに「新型コロナウイルス感染症」についても話していただきました。
感染症診療の基本は非常に重要な内容なので、このブログのオープン当初からネタとして何度も紹介してきましたが、今後も復習もかねて紹介していきます。
新型コロナについては、現在の流行状況や予防策、症状、治療など全体をレビューしていただき、研修医たちの断片的だった知識がすっきり整理されたようです。
今回のZoomには外部の医学生や当院で実習中の医学生も参加してくれました。感想を聞くと、初期研修の雰囲気を少し味わえたようです。
さて、松永先生の新型コロナの話の中から一つ紹介しましょう。松永先生が一番有効な感染対策として強調していたのは、例年なら「手指衛生」ですが、新型コロナに関していえば、「体調不良のときは休む」。この点を何度も強調していました。
医療関係者に限らず、日本の文化(?)で解熱剤を服用しながら出勤する人がいますが、新型コロナに関しては完全にNGです。これは新型コロナウイルスが発症の2日前から感染力を有しており、新型コロナであれば何らかの症状がある時には、既にばらまいていることになるからです。
休むと迷惑がかかると思いがちですが、もし体調不良を隠してまで出勤してコロナを拡大させてしまっては何十倍、何百倍も迷惑をかけることになるので、あたなはやらないで下さいね。
松永先生のレクチャーは、次回は6月に予定しています。ご都合のつく方は、ぜひご参加ください!
(編集長)
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病棟での問診のコツ その2
病棟で問診する際のコツの続きです。
3.場所に配慮する
個室に入院している場合は問題ないかもしれませんが、大部屋の場合は周囲の患者さんに全部話を聞かれてしまいます。病気のことは誰でも聞かれたくないものですから、動ける患者さんの場合は、病棟内のICするスペースなどに場所を変えて話を聞くと良いでしょう。
また、場所を代えるということは患者さんが「ちゃんと先生と話が出来た」と認識してくれるきっかけになります。特に女性の研修医は看護師さんと勘違いされていて、十分話をしたはずなのに、「まだ先生が来てくれていません」なんて言われることが残念ながら時々あります。こんな時は場所を代えて、改めて自己紹介して話をすると上手くいきます。
4.雰囲気や態度で共感的理解を示す
入院してくる患者さんは、いろいろ不安を抱えています。不安に思っていることを全部話せて、しっかりと話を聞いてもらった(=共感的理解)という安心感はとても大事です。
ここで重要なのは、共感的理解というのは、言葉よりも、むしろ言葉以外の態度が大きく影響する、ということです。具体的に言えば、患者さんから話を聞くときは、患者さんと視線を合わせて、少し前かがみの姿勢で話を聞く、ベッドサイドなら、サッとしゃがんで患者さんと目線の高さを合わせて話をする、などです。
こういった態度が自然にできると患者さんにも家族にも、そして看護師さんなどのスタッフにも好印象を持ってもらえます。ぜひやってみて下さい。
(編集長)
毎週開催される研修医講義の一コマ
今回は循環器内科 長谷川先生のレクチャー
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病棟での問診のコツ その1
病棟デビューして、あっという間に2週間が過ぎましたね。
担当患者さんも割り当てられたけど、全然把握できない・・・、というあなた。心配いりません。最初からできる人はほとんどいません。大きく環境が変わったばかりですので、あせらずにやっていきましょう。
さて、病棟では担当患者さんのところに行って話を聞きます。病歴、既往歴、生活歴などを改めて聞き出すことは基本です。さらに高齢者の場合は、ADLはもちろん、家族の状況や介護保険の有無、現在利用している介護サービスを把握しましょう。
本来は家族からも話を聞きたいところですが、この1年は、コロナの影響で病棟に家族が立ち入ることが制限されており、家族からの情報収集はかなり困難な状況です。でも、機会があれば家族からもいろいろ聞き出しましょう。
とは言っても、患者さんと何となく話しにくい、うまく聞き出せないなんてことがありますよね。家族だとなおさらかもしれません。患者さんや家族から話を聞きだすには、どんなことに注意したら良いでしょう?ここでは病棟での問診のコツを紹介します。
1.挨拶と自己紹介
病棟に入院してきた患者さんのところへ行ったら、まずは挨拶です。「こんにちは。入院中に□□先生と一緒に担当します研修医の○○です。」
この時に患者さんの名前を確認を忘れないように。編集長も話していたら、じつは全然別の患者さんだった、という経験があります。特に慣れていない時ほど注意しましょう。
また、もし家族がいれば家族にも挨拶すると同時に、患者さんとの関係を聞いておきます。「失礼ですが、ご関係は?」と言えばOK
これも編集長の経験談ですが、明らかに奥さんと思われる女性が入院に付き添ってきたので、「奥さまですね。今回の入院では・・・」などと話し始めたら、、奥さんは亡くなっていて、年の近い妹さんが一緒に来ていたなんてこともあります。
家族のことは後で聞こうと思っても、何となく聞きにくくなるので、最初の時点で聞き出しておくのがポイントです。家族がいない時は、患者さんに誰に電話など連絡をとるのが良いのか確認しておきましょう
2.患者さんの状態を尋ねる
病棟には、基本的に具合の悪い患者さんが入院してきます。そこで、いろいろ問診する前に「今のお加減はいかがですか?」「少し話を伺ってもいいですか?」と一言尋ねてください。
もちろん検査入院などでは体調も悪くない場合もありますが、外来受診から入院までの間に状態の変化がないかを、最初に聞きましょう。その後で「今日はどうしましたか?」など、患者さんが自由に話せるような質問から始めて、最初の数分間だけでも、こちらから言葉を挟まずに聞くことに徹しましょう。
続きは次回に
(編集長)
カンファ中(ちょっと密ですが・・・・)
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