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水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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小児科専門医が教える医師国家試験のポイント1 解説編
こんにちは。小児科の貴達です。
今回から、「小児科専門医が教える医師国家試験のポイント」を始めてみようと思います。私の専門が小児アレルギーなので、関連したものから過去問と今後出題が予想されるオリジナル問題を作成しましたので、ぜひ参考にしてください。
例えば医師国家試験には、こんな問題が出題されています。
【111D01】
食物アレルギーで正しいのはどれか。
a. アトピー性皮膚炎と関係ない。
b. 消化管アレルギーはIgEを介して発症する。
c. 口腔アレルギー症候群は乳児期から発症する。
d. 即時型食物アレルギーの原因として最も多いのは鶏卵である。
e. 食物依存性運動誘発アナフィラキシーは乳児期から発症する。
食物アレルギーは小児アレルギーの分野の中でも気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの疾患と並び、重要な疾患の1つであり、増加傾向であるため、今後とも出題が続くと思います。まず、上記の過去問について解説していきたいと思います。
a. アレルギー疾患の発症の様子は「アレルギーマーチ」という言葉で表現されますが、(図1参照)、これは遺伝的にアレルギーになりやすい素質(アトピー素因)のある人が、年齢を経るごとにアレルギー性疾患を次から次へと発症してくる様子を表したものです。もちろん全員がそうなるわけではなく、一つの疾患だけの人もいますが、多くの場合、こうした経過をたどります(図1)(1)。アトピー性皮膚炎と食物アレルギーはもちろん、その他のアレルギー性疾患とも関係があると言えます。

図1)アレルギーマーチの概念図
b. 免疫学の講義でGellとCoombsの分類を一度は見たことがあるかと思います(図2) (2)。小児科で診療するほとんどのアレルギー疾患はⅠ型アレルギーで、IgE抗体を介していますが、消化管アレルギーは例外的にIgEを介さないことがポイントとなります(3)

図2)GellとCoombsの分類
c. 口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome, OAS)とは、口唇、口腔、咽頭粘膜を中心として誘発される、IgE抗体を介した即時型アレルギー症状です(4)。IgE抗体を介した即時型アレルギー症状で、食物摂取直後から始まり、口唇、口腔、咽頭の痒み、イガイガなどを来します。口腔、咽頭粘膜から局所的に吸収されたアレルゲンによって誘発されるものであり、アナフィラキシーにおける全身症状の一部として発症する粘膜症状とは区別されます。また、花粉–食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome, PFAS)という花粉に感作された後に果物や生野菜や豆類などで口唇、口腔、咽頭の痒みなどを認めることもあります。
d. 原因食物の割合は第1位が鶏卵で7%、第2位が牛乳で22.0%、第3位は小麦で10.6%となっています。続いて、木の実類が8.2%で第4位となっており、特にクルミ、カシューナッツが増えています(4)。2014年に発表されていたガイドラインでは、木の実類は2%で第9位だったので、他の抗原と比較して、とても増えています。年齢別の新規発症の割合を見れば、1-2歳、3-6歳、7-17歳でもでランクインしています(図3)。今後も注目されています。

図3)食物アレルギーの原因食物
e. 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis, FDEIA)とは特定の食物摂取後の運動負荷によって、アナフィラキシーが誘発される病態です。初回発症の年齢のピークは10-20歳代で発症頻度は中学生で約6,000人に1人とされています。原因食物としては、小麦が62%, 甲殻類が28%と言われており、ほとんどがこの2種類となっています。診断のためには原因と考えられる食物摂取後、トレッドミルで走ったり、エアロバイクを漕いだりして、運動負荷をかけて、症状が誘発されるかどうかを確認する「運動誘発負荷試験」が必要となります。
次回はオリジナル問題に挑戦してみてください。
参考文献
(1)保育所におけるアレルギー対応ガイドライン2019 厚生労働省
(2)病気がみえる6 免疫・膠原病・感染症 MEDIC MEDIA
(3)新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症診療ガイドライン 厚生労働省好酸球性消化管疾患研究班
(4)食物アレルギー診療ガイドライン 2021
(貴達)
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CPC開催報告
先週のことですが、院内でCPCが開催されました。
当院のCPCは、毎月開催されている水戸市医師会病棟検討会という地域の先生方にも参加いただく症例検討会の場を利用して、年に数回開催しています。コロナの蔓延をうけて、今回からZoomを用いたハイブリッド開催で行いました。
ハイブリッドというのは、地域の先生方にはZoomで参加いただき、症例提示をする研修医や院内の指導医らは院内の会場にいるという形式です。それから今回の症例提示をする研修医の一人が育休中のため自宅からZoomで症例提示をしてくれました。途中で子どもの泣き声が聞こえてきて会場もちょっと和みました♪

ハイブリッド開催♪
2症例の検討を行いましたが、1例目が腎細胞癌、2例目が拡張型心筋症でどちらも経過が速く、診断が難しかった症例です。
いくら画像診断が進んだとはいえ、剖検や病理と臨床経過を突き合わせると新たな発見があります。当院では剖検の際に研修医にも助手として参加してもらいますが、たとえ直接の担当患者でなくとも剖検に参加することで学びがあり、また、似たような状況に遭遇した時
次はどう対応すべきかをじっくり考えるきっかけとなります。そういった点で、剖検やCPCは非常に貴重な学びの場になっています。
(編集長)

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先日のことですが・・・・
先日のことですが、編集長が休日にジョギングをしていたら、救急車やパトカー数台がサイレンを鳴らしながら近くを通り過ぎて、比較的広い道の交差点に止まりました。交通事故だなと思って、そのままジョギングを続けようとしたのですが、ちょうど事故現場が見える位置に差し掛かったところ歩道に傷病者が1名横たわっているのが見えました。
「たぶん大丈夫だろうけど・・・・・」と思いつつ、何となく気になって近づいて行くと、交差点内での右折車と直進車の衝突事故で傷病者1名が歩道に横になって、これから救急隊がバックボードに載せて救急車内に搬入するところでした。
救急車の近くで見ていたら、救急隊の一人が編集長に気付いて、「あ、もしかして済生会の○○先生ですか」と見つかってしまいました。思わず「大丈夫ですかね?」と聞いたら、「車内で診察をお願いします」と言われました。
こんな時、あなたはどうしますか?
そもそも事故現場に近づかないかもしれませんが、どうなったのかな?と気になってしまいますよね。でも、外傷の初期対応を知っていればそれほど怖がることではないのです。
実はコロナの影響で中断していますが、水戸済生会総合病院では水戸医学生セミナーという医学生向けのイベントを開催していました。これは、お隣の水戸協同病院との共催で両病院のいいところを体験してもらうセミナーなのですが、当院では救急対応、特に外傷患者の初期対応を扱うメディカルラリーをやっていました。
年2回開催で20回目まで続いたセミナーですが、編集長も医学生セミナーの企画で関わっており、外傷の初期対応の講義と実習を20回も受けてきたので、今回の交通事故でも、それほど戸惑うことことなく車内に入って診察して、水戸済生会の救命救急センターに収容の電話をかけて搬送してもらいました(編集長の見立て通り、傷病者も軽症でした♪)。
実はその2か月前にも交通事故の現場に遭遇して、車内に閉じ込められている傷病者が救出されるまで点滴ルートを確保して近くにいたことがありましたが、この時も外傷の初期対応の知識が役立ちました。
あなたも似たような状況に遭遇しないとは言えません。もちろんERに外傷患者が搬送されてきた時にまず何をしたらいいのか、どんなことに注意すべきか、知っておく必要があります。
コロナが始まって医学生セミナーの中止を決めた時に外傷の初期対応を学ぶ動画を作りました。動画は2つに分かれていて、1つ目は外傷初療の講義、2つ目は実際にシュミレーション体験してもらった時のものです。
この動画で講師役として登場する楠先生はこの春から救急医の道に進みます。学生の時に参加してくれた大久保先生も4月からJ2として後輩たちのお手本になるべく頑張っています。
見て見ぬふりをしても、気になってしまうくらいなら、この動画を見て初期対応ができるようになってください!
*水戸医学生セミナーは再開したいのですが・・・・、今のところ予定は立っていません。
(編集長)

動画の一コマ
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忘れられない患者さん
どんな医師にも、忘れられない患者さんというのがいると思います。僕はどうやって医者になったのか、というほど記憶力が弱く、ほとんどの患者さんを忘れてしまうのですが、そんな僕でも名前を忘れずにいる患者さんがいます。僕はこの患者さんの主治医をする中で、「医療は誰のために、何のためにあるか」ということを学びました。
ある消化器系の癌の最終ステージと診断したとき、その患者さんに言われました。
「私は会社の社長で、従業員を抱えています。できる限りの治療をして、生きていくための努力を最後までしたい。でも、残す家族と従業員のためにやらなければならないことがある、責任を果たすことを治療より優先したい。」
治療の方針の決定権は完全に患者さんが持ち、患者さんの希望に合わせて治療を行いました。大事な商談前や取引先との重要な決定の局面では、「病人」に見えないよう治療のペースをコントロールし、医学的ベストではなく患者さん的ベストを追う治療を続けました。
全身状態が悪化し入院した日にこう言われました。
「おかげ様でやるべきことは全部じゃないけど、もうあとは任せても大丈夫なところまで終わった。もう先生に診てもらうステージも終わり。ここから先は次のステージに行くよ。緩和の先生に連絡してほしい。」
そう言って、自らの意思で消化器病棟から緩和ケア病棟に移っていきました。
これからもAIには負けない、血の通った医療を届けたいですね!
(Nao)

ERの一コマ
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ほうれんそうのおひたし
あなたがさっきまで病棟にいたのに、医局の自分の部屋に戻った途端に病棟からコールがありました。患者さんのバイタルがおかしいとの連絡。よく聞くと、数時間前から看護師さんたちは気にしていたらしい・・・・。
病棟にいたのになんで言ってくれなかったのか? なんて経験はありませんか? どうしてこんなことが起こるのでしょう?
もし分からなければ、逆の状況を考えてみましょう。例えば、あなたが指導医の先生に相談しやすいのはどんな時でしょう? 逆に相談しにくいのはどんな時ですか?
こんな時に参考になるのが「ほうれんそうのおひたし」です。
「ほうれんそう」は、ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)のことで、あなたも聞いたことがあると思います。
「おひたし」とは
お:怒らない
ひ:否定しない
た:(必要があれば)助ける
し:指示する
つまり安心して報告、連絡、相談できるように、あなたが現場の雰囲気を作ることが必要です。
看護師さんからの連絡を「そんな(つまらない)こと・・・」とか、「いま忙しいのに・・・」という感じで、たとえ言葉に出さなくとも、そんな雰囲気を看護師さんは敏感に感じ取って話しにくくなります。
そのうちに誰も重要な情報をくれなり、「なんでこんなことになるまで連絡くれないの!」と、あなたも、そして患者さんも不幸に
なってしまいます。
これは春から一緒に仕事をすることになる後輩にも当てはまります。普段から報告、連絡、相談をしても大丈夫な先生だと思ってもらえるように気を配ってみて下さい。
(編集長)

さっそく第1助手@カテ室
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合格祈願2022
医師国家試験も、いよいよ今週末となりました。受験生のあなたは最後の追い込みですね。
2年前からのコロナ流行で、大学での実習も大きく影響を受け、さらにこのところの感染患者の激増と、受験環境は決して良いとは言えません。しかし、そんな中であなたは幾多の試験を乗り越えて、コツコツと勉強を続けてきた訳ですから、必ずや合格するはずです。
もちろん試験では何が起こるか分かりませんので、あと少し、最後まで気を抜かずに頑張ってください!
合格を手にして、春から臨床の現場で一緒に人のために役立つ仕事をしましょう!
当院スタッフ一同、あなたの合格を心よりお祈り申し上げます。
(編集長)

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胃潰瘍とピロリ(2)
前回の続きで、ここからはH.pyloriに関してです。
・H.pylori除菌
従来はPPI+アモキシシリン+クラリスロマイシンの7日間投与が一次除菌のレジメンとして普及していましたが、近年はPPIよりも強力な酸分泌抑制薬であるボノプラザン(VPZ)の使用が可能になり、VPZとアモキシシリン、クラリスロマイシンの併用療法がガイドラインでも推奨されています。また本邦ではクラリスロマイシン耐性菌が35%~40%ほどに増加しているという報告もあり、除菌療法に対する考え方は近年変化しています。一次除菌無効例では二次除菌としてメトロニダゾールが用いられ、二次除菌まで保険適応があります。一次除菌の成功率は92.6%、二次除菌の成功率は98.0%とされています。ちなみに三次除菌のレジメンも存在します。
・H.pyloriの診断法
胃生検材料を用いる侵襲的検査としては培養法・組織鏡検法・迅速ウレアーゼ試験。非侵襲的診断法としては、抗体測定法・尿素呼気試験・便中抗原測定法があります。除菌終了後4週間以降に尿素呼気試験や便中抗原法で治療効果判定を行います。除菌後でも胃がんの発生リスクを考え、定期的内視鏡検査は必要です。
・H.pyloriと胃癌
胃潰瘍との関係は明らかですが、もう一つ胃癌との関係も有名です。機序としては、H.pyloriが感染した胃では小さな炎症が常に起こっている状態(萎縮性胃炎)なので、「持続する炎症」は遺伝子に傷をつけやすくなり、これが癌のリスクを高めます。
実際にピロリ菌感染者1246人を10年間観察したところ、36人(約2.9%)が胃癌を発症したと報告されています。非感染者では胃癌は認められませんでした。(Uemura N.: N. Engl. J. Med. 345, 784, 2001)。また早期胃がんの患者さんを対象に行った研究では、ピロリ菌除菌により、胃癌のリスクは3分の1にまで抑えられる(Fukase K.: Lancet 372, 392, 2008)ことが分かったため、2013年2月から日本では萎縮性胃炎患者さんのピロリ除菌が可能となっています。
以上になります。胃潰瘍は非常にコモンな疾患でありどの診療科に進んでも目にすることは多いと思います。H.pylori除菌のレジメンとして耐性菌の増加やVPZの登場など、知らない知識も多くとても勉強になりました。
(Dr. Muscle)

PICCは一人でも大丈夫♪
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胃潰瘍とピロリ(1)
コロナのせいでジムに行けてないDr. Muscleの記事です。今回も自分の経験症例からのまとめです。
今回は胃潰瘍について。Commonな疾患ですが、研修医に質問すると、歯切れのよい答えが返ってこないことが意外と多いと思います。ぜひ読んでみてください。
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今回は入院中の担当患者さんで黒色便を認め、内視鏡検査で多発性の胃潰瘍を認めた症例を経験したので胃潰瘍について簡単にまとめてみました。
・胃潰瘍の原因としては、ほとんどはNSAIDs内服、H.pylori感染です。
そのほかの原因としては、組織血行障害を起こす基礎疾患(肝硬変による門脈圧亢進や糖尿病、狭心症)やビスホスホネート製剤、Zolinger-Ellison症候群、サイトメガロウイルスや単純ヘルペスウイルス感染によるものなどが稀ではありますが挙げられます。
・症状としては心窩部痛、上腹部不快感、胸やけ、げっぷ、呑酸と多様な症状がありますが、どれも特異度は低く、高齢者では消化管出血や穿孔などの合併症が起こるまで全く無症状ということも多くあります。
・重篤な合併症としては吐血・下血・穿通・穿孔・狭窄があげられます。
出血が大量にあれば血圧低下や頻脈をきたしますが、少量の場合は症状がみられず動悸、息切れ、めまいで来院することもあります。穿通・穿孔は十二指腸潰瘍に多く、穿通が起こると疼痛は限局し背部に放散し、強度の疼痛を訴えます。突然腹部全体に重度のびまん性の腹痛が生じた場合は穿孔が示唆されます。
・次に胃潰瘍ステージ分類についてです。
胃潰瘍は内視鏡検査の所見によってActive stage(A1,A2), healing stage(H1,H2), scarring stage(S1,S2)に分類されます。

(日本医師会ホームページ 健康の森より)
A1では潰瘍辺縁に浮腫を伴い、潰瘍底は一般に白苔または黒苔でおおわれています。
A2ステージに移行すると辺縁の浮腫が改善し潰瘍底は白苔に覆われます。
これらの時期には悪性腫瘍との鑑別が難しいため、潰瘍辺縁からの生検が鑑別診断に有効です。
H1・H2ステージでは潰瘍辺縁に再生上皮を認め、白苔を伴う潰瘍底の面積は減少します。白苔が残存している場合はhealing stageとされます。
Scarring stageでは白苔は消失。赤色瘢痕を認めるS1と白色瘢痕を認めるS2に分類されます。
・内視鏡にて活動性の出血を認める場合や非出血性の露出血管を認める場合には内視鏡的止血術の適応となります。内視鏡的止血術としてはクリップ法や凝固法、血管収縮剤や硬化剤の局注法が存在します。
・薬物治療としてPPI・H2RA・ボノプラザン(VPZ)内服、H.pylori除菌などがあります。
次回はピロリについてです。
(Dr. Muscle)

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茨城県臨床研修病院合同説明会 on Web
これからの時期は、研修病院説明会などが多く開催される時期です。特に春休み中の病院見学を考えている人にとっては、できるだけ効率よく病院見学をして情報を集めたいと思っているのではないでしょうか?
そんなあなたのために、茨城県では毎年3月に県内の臨床研修病院の合同説明会を開催しています。コロナの影響で、昨年度からWebでの開催となっていますが、今年度も3月13日(日)にWeb開催することになりました(下記のチラシをご覧ください)。
もちろん当院も参加しますので、他の研修病院と合わせて効率よく情報収集をしてください!あなたのご参加をお待ちしています!!
(編集長)
<茨城県臨床研修病院合同説明会のチラシ>


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基本的臨床能力評価試験2022
毎年この時期になると基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)というものがあります。日本医療教育プログラム推進機構(JAMEP)というNPOが行っている研修医向けのテストです。研修医の客観的な臨床能力の実力を知ることができ、研修指導や臨床研修プログラムの評価・改善にも使えるというのがウリです。
編集長も経験がありますが、初期研修中はホントに自分は実力がついているのか?と不安になることがあります。自分の実力を知る方法としては、他の研修病院に行った同期の研修医と会話する時くらいで「奴はスゲーな!」とか、「自分は結構できてるかも」と勝手に判断するくらいしかありませんでした。でも、このテストを受ければ自分の実力が全国でどのあたりなのかが分かるので、とても良い機会だと思っています。
毎年当院のマッチング研修医には受けてもらっていますが、今年の試験を昨日院内で行いました。今年の試験の特徴は、CBT方式になったこと。なので、研修医部屋の自分の机でみんなで受験でした。今後はいろいろな試験もCBT方式が導入されるのでしょうね。
さて、試験の内容ですが、基本的臨床能力と言っても幅広い分野から出題されます。編集長も何問か見たのですが、結構難しい・・・。
英文の問題も去年より若干増えたかも。ただ、臨床で経験したことをまめに振り返っておけば、そこそこできる印象です。
昨年の個人の成績は上下に分散していましたが、病院全体の成績としては偏差値50を超えていました。今年の結果が楽しみです♪
(編集長)

あまりテスト中らしく見えませんが・・・・、
真剣にやっています
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