臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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職業歴の聞き出し方
あなたは問診の際に、患者さんの職業(もしくは職業歴)を聞いていますか?
職業歴の重要性は、このブログで何度も紹介していますが、診断と治療、そしてコミュニケーションに役立つので、必ず把握すべき項目だと思います。
ただ、職業歴を聞き出すのは、なんだか職務質問をしているみたいで、患者さんやご家族を不愉快にさせてしまうのではないかと、ちょっと気が引けてしまいませんか?
編集長も、以前は職業歴を聞き出すのが苦手でしたが、今は外来でもERでも、ほぼ全例で患者さんだけでなく、ご家族の職業も聞き出すようにしています。今回は、聞き出すときに使えるフレーズを伝授します。
・「皆さんに伺っているのですが」
職業歴に限らず、聞き出しにくいことを聞く時には、「皆さんに伺っているのですが・・・」と始めて見ると、スムーズに入りやすくなります。患者さんやご家族も答えやすくなるフレーズです。編集長は梅毒などのSTIを疑ったとき、性交歴などを聞き出すときにも使っています。
・「夜勤とか、シフト勤務はありますか?」
会社名を知りたいのではなく、あくまで健康面の情報として職業を把握したいという意図が伝わると、患者さんもご家族も答えやすくなります。そんなニュアンスを含ませながら、このフレーズを使うと患者さんスムーズに答えてくれることがほとんどです。これに患者さんが答えてくれたら、さらに具体的な仕事内容を質問してみると良いでしょう。
繰り返しになりますが、体調を崩した原因を探る、服薬のタイミングなど治療のアドヒアランスを上げる、という目的が伝わることが大事です。
・「ご家族にご連絡するとしたら、どの時間帯が良いでしょうか」
患者さんが入院した時には、ご家族に連絡する場面が出てきます。そんな時に、このフレーズを使うと、ご家族の職業を把握しやすくなります。
例えば、週末の土日は仕事でちょっと無理ということが分かれば、「ご家族は、もしかして自営業なのですか?」と続けて、家庭の状況を把握するきっかけにしやすくなります。
そして、ご家族の職業を把握しておくと、病状を説明する時に役立つことが多くあります。例えば、金融関係や経理などをやっているご家族なら、具体的な数値を入れて説明すると理解してくれることがあります。そうでない場合は、数値をあまり入れずに、分かりやすい例えを用いた方が伝わります。
患者さんやご家族の職業歴を把握することは、患者さんを理解する重要なヒントをくれるだけでなく、円滑なコミュニケーションにも役立ちます。ぜひ、紹介したフレーズを使ってみて下さい。
(編集長)

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