臨床研修ブログ

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鑑別疾患のあげ方 その2

2018.12.08
カテゴリー: 初期研修

前回に引き続き鑑別疾患のあげ方を

紹介します。編集長が勧める鑑別疾患

の挙げ方は2つ。

 

一つ目は病因から攻める方法

二つ目は解剖学的に攻める方法です。

今回はこの解剖学的に攻める方法を

紹介します。

 

例えば「胸痛」の鑑別をあげてください

と言われたら、あなたはいくつ鑑別を

あげられますか?

 

狭心症、心筋梗塞、大動脈解離・・・・、

これで終わりなんてことはないと思いますが、

病名を覚えていても、すぐに思い出す

のは難しいですよね。何かと紐づけ

しておくと、思い出しやすいものです。

 

この時、解剖学的に近い臓器や組織を

考えていくと思い出しやすくなります。

 

具体的には

皮膚:帯状疱疹

 

乳房:乳癌、乳腺炎

 

:肋骨骨折、圧迫骨折、骨転移

 

筋肉:筋肉炎

 

肺(さらに胸膜、肺胞、間質、気管支、

気管と分けて考えましょう)

気胸、胸膜炎、肺癌、肺炎、気管支炎

 

心臓(冠動脈、心外膜、心筋、弁)

狭心症、心筋梗塞、急性心外膜炎、

心筋炎、肥大型心筋症、大動脈弁狭窄症、

 

大血管(大動脈とその分枝、大静脈)

大動脈解離、大動脈瘤破裂

 

縦隔:縦隔炎、縦隔気腫、縦隔腫瘍

 

食道:逆流性食道炎、食道破裂、食道腫瘍

 

:胃炎、胃潰瘍、胃癌

 

肝臓:肝膿瘍、肝腫瘍

 

胆嚢・胆道:胆石、胆嚢炎、胆管炎

 

甲状腺:甲状腺炎

 

神経:肋間神経痛、帯状疱疹後神経痛

 

横隔膜:横隔膜下膿瘍

 

まだまだあると思いますが、このように

解剖学的に近いものを順に頭に浮かべて、

それに関する疾患をあげていくと

意外とたくさん出てきますね。

 

臨床の現場では、前回紹介した

VINDICATE!!!+Pと、この解剖学的に

攻める方法を無意識に組み合わせて

鑑別疾患を考えていると思います。

 

医学生や研修医のうちは、鑑別疾患を

たくさんあげるトレーニングを意識しましょう。

と同時に、鑑別疾患を広げるだけでなく、

目の前の患者さんの診断に至るように

鑑別を絞り込むトレーニングも大事な

ことを忘れないようにして下さい。

(編集長)

こちらも中学生の職場体験の一コマ

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