臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

MCLSのキモ(3)・・・第19回水戸医学生セミナー

2019.04.09
カテゴリー: 水戸医学生セミナー

少し間があいてしまいましたが、

第19回水戸医学生セミナーから、

MCLSを紹介しています。

 

MCLS(Mass Casualty Life Support)

は、大規模災害や多重事故など、

多数傷病者への対応標準化トレー

ニングコースのことで、そのキモは

「すしあんじょうほうよう場所取りTTT」

です。

 

前回は、よう:要請までをやりました。

今回は最後のところです。

 

場所取り:活動場所の設定

傷病者の安全や診療の効率化を考え、

集積所や救護所などの場所を確保、

設定を行います。

 

現場では、傷病者が何名なのか?

使える移動手段は何があるのか?

どの程度の応援を呼べばよいのか?

といった情報が錯綜します。場所を

設定して、情報を集約化する作業は

とても重要になります。

 

T:Triageトリアージ

最近のことですが、東日本大震災の時に

トリアージ後に亡くなった方の裁判が

ニュースで出ていました。ご家族には

大変残念ですが、災害現場は通常の

病院での診療とは異なります。

 

一人の診療に医療資源を投じるのでは

なく、最大多数の傷病者に最善の医療を

提供するために、限られた人的・物的

資源を最大限に活用するという

切り替えが大事です。

 

1人の患者に100点満点の診療をするより

も、多数の患者に50-60点の診療をして

一人でも多く生き延びてもらうことを

優先します。

 

個々の患者さんには申し訳ないと思う

ところもありますが、傷病の緊急度や

重症度を迅速に評価し、治療や搬送の

優先順位決定を行うのも我々の役目です。

 

T:Treatment治療

トリアージ後に、患者をさらに詳しく

診察し、切迫する外傷に対して現場で

できる処置・治療を行い、バイタルサインを

安定させて搬送につなげます。

 

当然現場でする処置や治療は、

病院で行う処置とは大きく異なります。

そして、それを効率的に行うのが

JATECです。

 

T:Transport搬送

使用できる搬送手段も限られています。

どの患者を何で、どの順番で搬送するか、

どこの医療機関に運ぶか?

その判断も重要です。

 

メディカルラリーの一コマ

 

編集長はMCLSで最も大事なのは

「スイッチを入れる」ことだと思います。

人的にも物的にも資源が限られ、

通常の救急診療とは異なることを

受け入れるのは、医療関係者ほど

容易なことではないからです。

 

水戸医学生セミナーでは、そんな

非日常での対応をラリーで経験できます。

 

そして次回の夏のセミナーは記念すべき

20回目です。いろいろ企画を計画して

いますので、お楽しみに!

(編集長)

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◆昨年に続き、山中先生の

 レクチャーを開催します!

 

ドクターGにも出演されたことのある

福島県立医大会津医療センター

総合内科教授の山中克郎先生が、

昨年に引き続き当院にお越しに

なります。

 

昨年好評だったベッドサイドでの

身体診察や、レクチャーを予定して

います。

 

院外からの参加も歓迎しますので、

ご連絡ください!

 

平成31年4月12日(金)午後~

参加希望のご連絡はこちらへ!

http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html 

 

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