臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
2つの治療計画を考える
研修が始まって、ようやく1週間です。
何が何だか、わからない1週間
だったと思います。
とりあえず、指導医に言われた
通りに、病棟業務を覚えるのに
精いっぱい。
一体、担当患者さんが何人いるのか
すら、よくわからない。
当然、患者さんの病名も把握が
できていない・・・、
というかんじですよね?
まあ、焦ることはありません。
ちょっと肩の力を抜いてみてください。
とはいっても、少し慣れてきたら、
段取りよく計画を立てて、
スムーズな退院に結び付けると、
担当患者さんが増えすぎて困る
ということが無くなります。
今回は仕事をスムーズに進める
上でのポイントを紹介します。
それは2つの治療計画を考えて
置くことです。
どういうことかというと、1つは、
その日1日の計画。
例えば術後の患者さんなら、
今日はドレーンを抜くとか、
糖尿病の人なら今日中に眼科
コンサルトをするとか。ICUの患者
さんなら、何とかバイタルを安定化
させようとか、抜管しようとか、
カテコラミンをこの辺まで減量
しようとか。
2つ目は退院までの計画です。
例えば感染性心内膜炎と診断
されたら、4週間は抗菌薬の
投与が必要ですから、それまでに
何を済ませるとかは、時間的な
余裕がありますね。
ところが高齢者の肺炎なら、
抗菌剤の投与は2週間程度としても、
すぐに退院できるように、リハビリの
介入をして、ADLを落とさないように
する。退院担当の看護師さんや
ソーシャルワーカーさんと相談して、
自宅退院なのか?施設なのかを
手配しておかないといけません。
さらに家族にも退院に向けて、
準備してもらわないといけません。
意外とやることがあります。
このように病気と直接関係ない
ことも、先読みして計画を立てて、
スムーズな退院に持ち込むのは、
必須のスキルです。
研修医の間は指導医の先生に
言われたことを片付けようと、
必死なのは仕方ありません。
指導医と議論しながら、退院までの
全体の治療計画を意識して
仕事をしていくと、格段に段取りが
良くなります。
すぐには無理かもしれませんが、
ちょっと意識してみるといいですよ。
(編集長)
ERで先輩研修医と議論中
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