臨床研修ブログ

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SSI (Surgical site infection) その3・抗菌薬の選択

2021.03.27

今回はSSI予防のための抗菌薬をどう選択するかについて紹介します。

SSI予防目的の抗菌薬は、原則として手術部位の常在細菌叢に抗菌活性を有する薬剤を選択します。どういう事かと言うと、

 

1.皮膚常在菌のみを抗菌薬のターゲットとする手術

心臓血管外科、整形外科、脳神経外科、眼科などが該当します。

黄色ブドウ球菌、連鎖球菌をターゲットにCEZ(セファゾリン)、SBT/ABPC(アンピシリン/スルバクタム)が主な抗菌薬となります。

 

2.皮膚常在菌+臓器特有の常在菌を抗菌薬のターゲットとする手術

上部消化管手術では大腸菌、肺炎桿菌目的をターゲットにCEZを使用します。

下部消化管手術や婦人科手術ではB fragilisや腸内細菌など嫌気性菌をターゲットにCMZ(セフメタゾール)、FMOX(フロモキセフ)、CEZ+MNZ(セファゾリン+メトロニダゾール)などを使用します。

 

3.臓器に常在菌はいないが、隣接する消化管の常在菌を抗菌薬のターゲットとする手術

泌尿器外科手術、肝胆膵手術では、①術前からの尿路、胆道への腸内細菌科細菌のコロニー形成の可能性、②術中操作においての隣接消化管常在菌が術中汚染菌となる可能性、を考慮しCEZ、CTM(セフォチアム)を使用します。

胸部外科(気道が胸腔内に開放される場合)では口腔内嫌気性菌、連鎖球菌をターゲットにSBT/ABPCを使用します。

(Hiro)

ICUでベンチレーターの設定を議論中

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