臨床研修ブログ
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進行性核上性麻痺(PSP)はhummig birdだけじゃない! その2
前回に引き続き、J1のホナミンのPSPのまとめです。今回はPSPの診断基準を紹介します。
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③PSPの診断基準
前回の記事で紹介した鑑別疾患を踏まえた厚労省作成の診断基準が以下になります。
1.主要項目
(1)40歳以降で発症することが多く、また緩徐進行性である。
(2)主要症候
①垂直性核上性眼球運動障害(初期には垂直性衝動性眼球運動の緩徐化であるが、進行するにつれ上下方向への注視麻痺が顕著になってくる。)
②発症早期(おおむね1~2年以内)から姿勢の不安定さや易転倒性(すくみ足、立直り反射障害、突進現象)が目立つ。
③無動あるいは筋強剛があり、四肢末梢よりも体幹部や頸部に目立つ。
(3) 除外項目
①レボドパが著効(パーキンソン病の除外)
②初期から高度の自律神経障害の存在(多系統萎縮症の除外)
③顕著な多発ニューロパチー(末梢神経障害による運動障害や眼球運動障害の除外)
④肢節運動失行、皮質性感覚障害、他人の手徴候、神経症状の著しい左右差の存在(大脳皮質基底核変性症の除外)
⑤脳血管障害、脳炎、外傷など明らかな原因による疾患
(4) 診断のカテゴリー
次の3条件を満たすものを進行性核上性麻痺と診断する。
①(1)を満たす。
②(2)の2項目以上がある。
③(3)を満たす(他の疾患を除外できる。)
私が今回経験した症例は、元々Parkinson病と近医で診断されレボドパを内服されていましたが、発症3年にして歩行不可とPDにしては進行が速い点、入院時にレボドパを数日中止しても症状の増悪がなかった点(レボドパは半減期が非常に短いため、1日飲まなかっただけでも症状悪くなるそう)、身体所見として上肢の筋強剛は左右差なくごく軽度だが体幹の無動が高度(瞬きや表情筋の動きが全くない)である点から、PSPかもしれない!と臨床的に診断。MIBGシンチを施行したところ、取り込みの低下陰性であり、PDの除外ができました。
(ホナミン)
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