臨床研修ブログ
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下部尿路障害 その4
アラレちゃんの下部尿路障害の解説。
今回は畜尿障害の治療に関してです。
<治療・蓄尿障害に対するアプローチ>
①生活指導
・水分摂取量・総尿量の確認
体重×25-30mlの尿量となるように
飲水量を調整する。夜間頻尿がある
場合は夕方以降の飲水量を制限する。
・カフェイン・アルコール・内服薬の調整
カフェインやアルコールによる利尿
効果で症状を悪化させるため、
摂取の制限が必要。特に夜間頻尿が
ある場合は夕方の摂取を控える。
利尿薬や糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)
なども多尿の原因となりうる。
②行動療法
・膀胱訓練
排尿を我慢して、蓄尿量を上げる
ことが目的。強い尿意を感じた時に
気を紛らわせ、尿意がさったところで
トイレへ行く。最初は5分からはじめ
徐々に時間を延ばしていく。
・骨盤底筋体操
女性の場合は骨盤臓器を骨盤底筋で
支えているため、お産や加齢の影響で
腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱の原因と
なる。目標は50回/day。
③薬物療法
β3刺激薬と抗コリン薬がある。
抗コリン薬は、膀胱にあるムスカリン
受容体に作用して膀胱を弛緩させる。
ムスカリン受容体は全身に存在する
ため、副作用として口腔内乾燥や
便秘の症状に注意が必要である。
β3刺激薬は膀胱の平滑筋にある
受容体へ作用し弛緩させることで
蓄尿量を増やす。抗コリン薬のような
副作用は認めないが、不整脈患者
への使用は注意を要する
(新規薬剤のビベグロンはそういった
副作用はない)。
また男性の場合、前立腺肥大症の
影響による過活動膀胱の場合は
まずは前立腺肥大症の治療薬を
優先する。
(アラレちゃん)
第28回茨城県央レジデントセミナーより
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