臨床研修ブログ

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骨髄異形成症候群 その2

2024.07.25
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回も医学生のしかまる先生が書いてくれたレポートからの続きです。

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前述の通り、MDSは前白血病状態でありAMLへの進展を特徴とするが、MDSとAMLを区分するのは芽球の割合である。末梢血と骨髄の芽球比率が20%未満(WHO分類第5版)ではMDS、20%以上になるとAMLに分類される。本例は末梢血芽球18.5%、骨髄芽球17%と、発見時点でちょうどその境界域にあったと考えられる。異常造血幹細胞の遺伝子不安定性のため、遺伝子変異の蓄積が起こり、病期の進行や芽球の増殖に関与するとされる。

 

血液所見と骨髄所見に加え、骨髄染色体検査が診断・予後予測・治療方針決定のために重要である。MDS患者の約半数に染色体異常が認められ、代表的なものに第5染色体長腕欠失(5q−)が挙げられる。本例は正常核型であった。

 

MDSは、異形成のある系統数や芽球の割合、染色体異常などによって様々な病型に分類される。例えば、5q−症候群の場合はそれ自体でMDSの病型診断に直結する。ただし、同じ病型であっても予後を含む病態は症例間に差がある。

 

したがって、治療方針は予後予測によるリスク分類に基づく。予後予測システムとして、ここでは国際予後スコア化システム改訂版(Revised International Prognostic Scoring System, IPSS-R)を紹介する。

 

Very low と Low が低リスク、High と Very high が高リスクとなる。

 

本例は赤枠のようになり、5.5点のHighであった。

参考文献:骨髄異形成症候群診療の参照ガイド 令和 4 年度改訂版

(しかまる)

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