臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

食事とクスリ

2020.10.03
カテゴリー: 初期研修

10月になりました。

ローテーションが変わって、新しい

診療科のことを覚えるのに精いっぱい

だと思います。

 

編集長自身の経験でも、研修医たちを

観察していても、ローテーションが

変わると、慣れるまでには2週間ほど

かかります。

 

最初の週は何が何だか分かりませんが、

2週目にはすこし動きもわかってきて、

3週目には自分で先を読んで行動できる

ようになるはずです。焦らずに

頑張ってください。

 

さて、そんな慣れない状況なのに、

PHSには病棟の看護師から連絡が

じゃんじゃん入ってきます。

 

仕方ないとあきらめるのは簡単ですが

減らせるものなら、減らしたいですよね。

そんな時に役立つコツを伝授しましょう。

 

看護師さんが、必ずと言っていいほど

確認してくる2つのポイントがあるのを

知っていますか?

 

そう、食事とクスリです。

 

検査や手術前に食事を止めるのか?

いつ再開するのか?

 

同様にクスリは飲ませていいのか?

中止するのか?

 

看護師は、ここを必ず確認してきます。

 

逆に考えると、この点を指示簿に明記

しておけば、PHSが鳴る回数は確実に

減らせます。

 

食事とクスリの指示を忘れないように

してください。

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水戸済生会総合病院の臨床研修は

『総合診断能力を有するスペシャリスト』

を目指します

 

◆レジナビ動画で当院が紹介されています!

先日開催された

「レジナビオンライン東日本」での

病院紹介動画がアップされています。

ぜひご覧ください。

 

当院紹介動画@レジナビオンライン

 

◆病院見学に来ませんか?

当院の研修医が

どんなふうに仕事しているのか?

どんな生活を送っているのか?

あなたの目で確かめてみてください!

 

病院見学をご希望の方は、

こちらからご連絡ください。

https://recruit-mito-saisei.jp/entry

 

◆感想やコメントはFacebookページから

お願いします!

https://www.facebook.com/mitosaiseikai/

 

ERで黙々と仕事中

—–

コレステロール塞栓症(CCE) その2

2020.10.01
カテゴリー: カンファレンス循環器

SuzuのまとめてくれたCCEの続きです。

 

⭐️予後不良因子
腎不全が進行する場合は予後が悪い

とされ,透析を要した場合の死亡率は,

33.3% に及ぶ 。本症は,除去不能の

コレステリン結晶により引き起こされる

局所の炎症,微小循環障害が病態の

原因であるため,根治治療がなく

 NSAIDs やモルヒネによる 疼痛の軽減,

輸液・プロスタグランジン 製剤による

微小循環の改善等 の,保存的治療が

中心となる.。


 

また、本症は塞栓症ではあるものの

抗凝固療法・血栓溶解療法は禁忌

とされ, 特に注意しなくてはならない。
これは抗凝固療法が複雑潰瘍性

アテローム硬化病変を被覆する

ような血栓形 成を妨げ,粥状物質が

はがれて飛散しやすくなるため と

考えられている。そのため、他の

末梢動脈硬化性疾患 との鑑別が

重要となる。

(Suzu)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水戸済生会総合病院の臨床研修は

『総合診断能力を有するスペシャリスト』

を目指します

 

◆レジナビ動画で当院が紹介されています!

先日開催された

「レジナビオンライン東日本」での

病院紹介動画がアップされています。

ぜひご覧ください。

 

当院紹介動画@レジナビオンライン

 

◆病院見学に来ませんか?

当院の研修医が

どんなふうに仕事しているのか?

どんな生活を送っているのか?

あなたの目で確かめてみてください!

 

病院見学をご希望の方は、

こちらからご連絡ください。

https://recruit-mito-saisei.jp/entry

 

◆感想やコメントはFacebookページから

お願いします!

https://www.facebook.com/mitosaiseikai/

 

—–

コレステロール塞栓症(CCE) その1

2020.09.29
カテゴリー: カンファレンス循環器

70歳代の男性が、急性冠症候群

のため右鼠経部アプローチでの

PCIを施行しました。

 

PCIは問題なく終了しましたが、術後に

腎機能の悪化を来してしまいました。

 

普通なら、ヨード造影剤を使用したこと

による造影剤腎症が一番考えやすい

のですが、もう一つ鑑別をおさえておく

必要があります。

 

あなたは何だか分かりますか?

 

それはコレステロール塞栓症(CCE::

Cholesterol Crystal Emboli)です。

 

今回はSuzuがCCEについてまとめて

くれたのでシェアします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

CCE は血管内操作や抗凝固療法などの

誘因を契機 に,大動脈内の粥腫が破綻し,

コレステリン結晶がシ ャワー様に散布され,

腎,皮膚など全身の末梢動脈を閉塞する

ことにより発症する。.特に足趾動脈に

塞栓し た場合,その皮膚の色調の

特徴から Blue toe syndro- me(BTS)

ともいわれ,CCE と同義語として

用いら れている.。

⭐️BTS の主徴
1. 下肢痛

2. 網状皮斑

3. 末梢動脈触知可能

この 3 徴が挙げられているが、

さらに

4. 進行性腎不全

5. 血管内操作の既往

を加え た5 徴も提唱されている。

⭐️発生頻度
心血管造影を行った1,500 例のうち

 3 例(0.2%)で本症を発症したという報告

 がある。
 

剖検では生前にカテーテル検査を施行

し ている症例の 25~30% で本症が証明

されるとの報告 もあり,原因不明の

腎機能障害をみたら本症を疑う必 要

がある。

⭐️危険因子
・60 歳以上の高齢者

・男性

・高血圧

・喫煙

・糖尿病

が本症の危険因子として挙げられ,
虚血性心疾 患,脳血管障害,腹部

大動脈瘤を有する症例で特に発症頻度が高い。.

(Suzu)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水戸済生会総合病院の臨床研修は

『総合診断能力を有するスペシャリスト』

を目指します

 

◆レジナビ動画で当院が紹介されています!

先日開催された

「レジナビオンライン東日本」での

病院紹介動画がアップされています。

ぜひご覧ください。

 

当院紹介動画@レジナビオンライン

 

◆病院見学に来ませんか?

当院の研修医が

どんなふうに仕事しているのか?

どんな生活を送っているのか?

あなたの目で確かめてみてください!

 

病院見学をご希望の方は、

こちらからご連絡ください。

https://recruit-mito-saisei.jp/entry

 

◆感想やコメントはFacebookページから

お願いします!

https://www.facebook.com/mitosaiseikai/

—–

研修医の声の追加とレジナビ動画です!

2020.09.26
カテゴリー: 初期研修

当院のリクルートサイトにある

「研修医の声、インタビュー」の

ページには、すべての研修医

たちを掲載する予定でいますが、

今回もJ2の大場先生の記事を

追加しました。

 

大場先生は患者さんからも

すごくよく声をかけてもらえる

愛されキャラです♪

ぜひご覧ください。

病院サイトはこちら 

 

それから、先日開催された

レジナビオンライン東日本での

病院紹介動画がアップされました。

 

編集長的には、もう少しスマートに

プレゼンしたかったのですが、病院

説明としては、大事なところに触れて

います。ぜひご覧ください。

当院紹介動画@レジナビオンライン

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水戸済生会総合病院の臨床研修は

『総合診断能力を有するスペシャリスト』

を目指します

 

◆病院見学に来ませんか?

当院の研修医が

どんなふうに仕事しているのか?

どんな生活を送っているのか?

あなたの目で確かめてみてください!

 

病院見学をご希望の方は、

こちらからご連絡ください。

https://recruit-mito-saisei.jp/entry

 

◆感想やコメントはFacebookページから

お願いします!

https://www.facebook.com/mitosaiseikai/

—–

栄養評価の指標・・・・SGA・MUST

2020.09.24
カテゴリー: カンファレンス 内科

栄養評価の最後になります。

今回はSGAとMUST。たくさん

ありすぎて、とても覚えきれ

ませんね(苦笑)。このブログを

メモ代わりにご使用ください。

 

SGA(subjective global assessment)

主観的包括的栄養評価ともいう。

簡便であり、適応範囲が広いことから、

栄養評価スクリーニングによく使用

される全世界共通の栄養評価法である。

病歴(体重変化、食事摂取状況、

基礎疾患と必要カロリーのバランス等)と

身体所見(浮腫、腹水等)の2項目について

チェックし、それらをふまえて観察者が

主観により患者の栄養状態を判定する。
 

MUST(Malnutrition Universal Screening Tool )

化学療法中の患者さんの栄養評価。 

BMI、体重減少、急性疾患と栄養摂取

不足(5日以上の摂食なし)の3項目から

リスク評価を行う。元々は在宅の患者

向けに推奨されていたが、近年では

急性期の予後予測因子としても有効

であるとの報告があり、入院時の

栄養評価スクリーニングにも使用されている。

(Megu)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水戸済生会総合病院の臨床研修は

『総合診断能力を有するスペシャリスト』

を目指します

 

◆病院見学に来ませんか?

当院の研修医が

どんなふうに仕事しているのか?

どんな生活を送っているのか?

あなたの目で確かめてみてください!

 

病院見学をご希望の方は、

こちらからご連絡ください。

https://recruit-mito-saisei.jp/entry

 

◆感想やコメントはFacebookページから

お願いします!

https://www.facebook.com/mitosaiseikai/

 

先日のレジナビオンラインでの一コマ

—–

栄養評価の指標・・・・GPS・PNI・GLIM

2020.09.22
カテゴリー: カンファレンス 内科

栄養評価の続きです。

いろいろあるのですが、文献などで

見かけたときに「なんのこっちゃ?」

とならないように、ざっくりでいいので

覚えておくといいですよ。

 

 

GPS(Glasgow Prognostic Score)

血清アルブミン値とCRPを用いた指標。

非小細胞肺癌等の悪液質の評価に有用。

PNI(Prognostic Nutritional Index)

古くはBuzbyらが提唱した指標があるが、

現在はより簡便化されたOnoderaらが

提唱したものが使われている。

血清アルブミンと総リンパ球数を用いて

評価し、術前の予後予測因子に使う。

この数値が低い(PNI≦40)と吻合不全が

起きる可能性が高く、手術は難しいことが

多い。
 

GLIM criteria(Global Leadership 

Initiative on Malnutrition )

2018年に提唱された、全世界統一の

低栄養の診断基準。評価方法は2段階に

分かれており、1段階めでは、MUST等の

現在使用されている評価項目を用いて

評価を行う。1段階めで問題ありと評価

されると2段階めに移り、現症(体重減少、

BMI低値、筋肉量減少)と病因(摂食量低下

or吸収能低下、疾患・炎症の程度)の

それぞれ一つ以上に該当すれば低栄養の

診断となる。診断後は現象に基づいて

重症度を判定する。

(Megu)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水戸済生会総合病院の臨床研修は

『総合診断能力を有するスペシャリスト』

を目指します

 

◆当院へ病院見学に来ませんか?

当院の研修医が

どんなふうに仕事しているのか?

どんな生活を送っているのか?

あなたの目で確かめてみてください!

 

病院見学をご希望の方は、

こちらからご連絡ください。

https://recruit-mito-saisei.jp/entry

 

◆感想やコメントはFacebookページから

お願いします!

https://www.facebook.com/mitosaiseikai/

これから診察

—–

ご参加いただき有難うございました!

2020.09.19
カテゴリー: 初期研修

9月18日に、レジナビFair オンライン

東日本Week 2020 に参加しました。

 

編集者が予想していたよりずっと多くの

方にご参加いただきました。

誠に有難うございました。

 

限られた時間と、録画されているという

緊張感で、編集長もカミカミでした。

しかも予定より長くプレゼンしてしまい

ました(練習が足りなかったです・・・)。

 

ホントは二人の研修医に、いろいろ

話してもらうつもりでしたが、彼らが

話す時間が少なくなってしまいました。

あなたも聞きたかったですよね。

 

幸い、病院見学を再開しています。

見学の際は、研修医たちと話す時間を

できるだけとれるようにしています。

あなたの目で、研修の実際を確かめて

みてください!

お問い合わせをお待ちしています!!

 

見学申し込みはこちら

その他のお問い合わせはこちら

(編集長)

 

—–

栄養評価の指標・・・・CONUT

2020.09.17
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回の記事で、特に高齢の入院患者では

栄養とADLが大事だと紹介しました。

 

そこで栄養評価について、Meguが

まとめてくれました。なかなかの

ボリュームになったので、3回に分けて

シェアします。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
患者さんの栄養評価の指標となる

検査値はいくつかあるが、その一つに

CONUT score (Controlling Nutrition

Status) がある。
 

2003年に欧州の学会で提唱された指標

であるが、CONUT scoreは、日常よく

測定される採血項目であるアルブミン値、

総リンパ球数、総コレステロール値

用いた、簡便に栄養状態のスクリーニングを

行えるスコアリングシステムである。
 

総リンパ球は、低栄養状態や異化

亢進状態では、免疫細胞の産生低下が

起こる事が知られていることから、

免疫能の指標としてこのスコアリングに

組み込まれている。
 

CONUT scoreは膵臓癌、消化器癌術後の

予後予測因子として有用とされているが、

心不全の予後予測因子としても有効という

報告もある。
 

CONUT score以外にも、次回以降に

紹介するような栄養評価指標がある。

施設により使用される指標は様々だが、

特にがん治療の際、がんのステージ分類と

組み合わせて使用すると、より正確な

予後の評価が可能となる。

(Megu)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【いよいよ明日です!】

レジナビFair オンライン

東日本Week 2020 に

参加します!

 

当院は9月18日(金)18:30から

ライブ配信です。

レジナビのページはこちら

 

病院説明と質疑応答がそれぞれ10分間の

計20分間です。

ぜひご参加ください!

ERの一コマ

—–

栄養とADL

2020.09.15
カテゴリー: カンファレンス 内科

例えば、80歳代の男性でADLは自立、

敷地内の別棟に息子さん家族が

住んでいる(茨城はこのパターンが

多いんです)方が、肺炎で入院しま

した。

 

幸い、順調に経過し、血ガスも

胸部レントゲンも、WBCやCRPも

改善しています。

 

では、そろそろ退院してもらおうと

家族に話をしたら、

「こんなんじゃ、おじいちゃんを

連れて帰れません!」

と言われてしまいました。

 

なぜだか分かりますか?

 

食事は食べれるけどむせ込まないように

誰かがついてないといけません。

摂取量も十分とは言えない。ADLも

歩けているけど歩行器を使用していて

自宅で一人での移動は無理。

 

家族からすれば、今まで全く手が

かからなかったのに、常にだれか

家にいなくてはいけないなんて、

家族みんな仕事しているから無理! 

となる訳です。

 

こんなことは、あなたもこの先必ず

経験するハズです。

 

特に高齢者では、入院を契機に急速に

ADLの低下を来します。脳梗塞を

起こしたわけでもないのに、嚥下機能が

落ちたり、食事量も激減することは

しばしば日常で遭遇します。

 

すべての入院患者さんについて

「栄養とADL」を意識しておきましょう。

 

入院前の生活に戻れるのか?

転院や施設を考慮した方がいいのか?

 

早い段階で、家族に見通しを伝え

退院に向けての準備を始めないと

退院直前になって、冒頭のような

ことになってしまいます。

 

疾患のことばかりでなく、いろいろ

目配せが大事ですが、特に

「栄養とADL」はキモになる

ことを覚えておくとイイですよ。

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

レジナビFair オンライン

東日本Week 2020 に

参加します!

 

当院は9月18日(金)18:30から

ライブ配信です。

レジナビのページはこちら

 

病院説明と質疑応答がそれぞれ10分間の

計20分間です。

ぜひご参加ください!

ちょっと慌ただしいERの一コマ

—–

ACT (Activated Clotting Time)

2020.09.12
カテゴリー: カンファレンス循環器

カテ室とか手術室で

「ACTチェックして」とか

「ACTいくつ?」といった会話を

聞いたことがありませんか?

 

このACTとは、何を見る検査なのか、

知っているでしょうか?

 

いつものようにMeguがまとめてくれた

ので、シェアします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ACTは:活性化凝固時間のことで
開胸手術、透析等で体外循環を

行う際のヘパリンのモニターとなる。

 

ヘパリンのモニターにはAPTTと

このACTとが使用されるが、ACTは

全血に活性化剤を添加することで

凝固能を測定可能なため、ベッド

サイドで簡便に実施することができる

ことから使われる。
 

内因性凝固因子のみを反映する

APTTと比較して、ACTは全血検査の

ため、凝固因子に加えて血小板機能も

反映する。

 

正常値は90〜120秒で、ヘパリン

投与中の管理目標値は180〜220程度

である。
 

貧血、フィブリノゲン、Plt、低体温、

血液希釈により測定誤差が大きくなる。
 

個人差や測定誤差が大きいため、

低用量でのヘパリン管理は、APTTの方が

有用であるとの報告もある。

(Megu)

ERでの処置が、やっと一段落

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

レジナビFair オンライン

東日本Week 2020 に

参加します!

 

当院は9月18日(金)18:30から

ライブ配信です。

レジナビのページはこちら

 

病院説明と質疑応答がそれぞれ10分間の

計20分間です。

ぜひご参加ください!

—–