
臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
茨城県修学生サマーセミナー2025 @水戸済生会総合病院
茨城県では、修学生や地域枠の医学生を対象に各種のイベントが企画されていますが、毎年夏休み中にはサマーセミナーを開催しています。
このサマーセミナーは、低学年を対象に県内各地の医療機関の見学などが主な内容で、昨日当院に14名の医学生が来てくれました。編集長から病院の概要や初期研修の説明、研修医との情報交換、そして院内見学を、午前中の短い時間でこなしてもらいました。
参加してくれたのは1~3年生でしたので、今まで病院見学の経験もなく、診療科のことや初期研修のことも、イマイチ想像しにくかったと思いますが、熱心に研修医の先生に質問していました。
そして、ドクターカーとドクヘリの見学もしましたが、ドクヘリの離着陸も間近で見ることができてラッキーでした♪
低学年と言え、実際に病院に足を運んで、研修医から直接話を聞くと、少し視界がクリアになるはずです。次は、ゆっくり時間を取って病院見学にお越しください!
(編集長)
研修医に質問中♪
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
を目指します
◆病院見学に来ませんか?
当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?
どんな生活を送っているのか?
あなたの目で確かめてみてください!
病院見学をご希望の方は、下のフォームからご連絡ください。
なお、病院見学がむずかしい時は、Zoomで個別説明会を行っていますので、
下のフォームに「Zoom希望」と記入してご連絡ください。
↓
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お酒は飲んで良いですか?
あなたがER当直をしていると、夕方からの動悸を主訴に50歳台の男性が受診しました。
モニター波形は心拍数が140~150bpmの頻脈で、12誘導心電図では心房細動のようです。今回が初めての動悸発作で、特に既往もありません。循環器の先生の指示で抗不整脈薬(ピルジカイニド)の点滴を行ったところ、比較的速やかに洞調律に戻りました。次回受診のことをお伝えして、帰宅してもらおうとしたら、一緒に来た奥様から「お酒は飲んでも良いのでしょうか?(飲んではダメですよねというニュアンス)」と質問されました。
あなたなら何と答えますか?
↓
↓
↓
心房細動に限らず、患者さんからよく質問されることの一つに「アルコール」があります。患者さんにとっては毎日の大事な楽しみですから、医師からのアドバイスは重要で、決してテキトーなことを言ってその場をごまかしてはいけません。
実はアルコールの過剰摂取は心房細動誘発の危険因子です。編集長の患者さんでも、飲酒した翌日には、毎回心房細動になる患者さんがいました。さらにアルコールの過剰摂取は、抗凝固療法中の出血の危険因子にもなるし、血栓塞栓症の発症や死亡リスクも増加させることが知られています。
一方で、常用飲酒している心房細動患者において、禁酒が心房細動再発を抑制するという報告があり、ガイドラインでも、心房細動発症予防および抗凝固療法を考慮する心房細動患者においてはアルコールの過剰摂取を避けるための助言と管理を行うべき(Class IIa)となっています。
冒頭の患者さんでは、今回の心房細動の誘因になったものがないかを問診で聞き出すことをしつつ、「アルコールは禁止まではいかないけど、飲みすぎはダメですね。飲む機会は控えた方がよいと思いますよ」などとアドバイスするのが良いかもしれません。
(参考文献:2024JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療)
(編集長)
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巨人の肩に乗る・・・舩越先生のレクチャー
昨日のことですが、東京ベイ浦安市川医療センターの救命救急センター長の舩越拓先生にZoomでレクチャーを行っていただきました。
舩越先生のことは、このブログで何度も紹介していますが、救急領域では名が知られた存在の先生で、多くの監訳や著書があり、レジデントノートなどの雑誌の企画も行っています。
今回は「巨人の肩に乗る」というテーマで、CPRについてレクチャーしていただきました。ただし、CPRと言っても心肺蘇生法(Cardiopulmonary Resuscitation)のことではありません。今回の話は臨床予測ルール(Clinical Prediction Rule)の方のCPRです。
具体的には、
・小児の頭部外傷でCTを撮影するかを判断するときのPRCARN
・成人の頭部外傷でCTを撮影するかを判断するときのNew Orleans CriteriaやCanadian CT Head rule
・成人の膝関節や足関節外傷でレントゲン撮影をするかを判断するときのOttawa Knee ruleやOttawa anckle rule
といったものが、今回のレクチャーで取り上げられていました。
さて、「巨人の肩に乗る」という話ですが、臨床判断は経験を積んだベテランになるほど良くなるというデータがあるそうです。とは言っても一人で経験する症例には限りがあります。例えば、小児の頭部外傷も一人の救急医が見るのは、数百人とかせいぜい千人台と言ったところではないでしょうか。
でも上述のPECARNは4万人以上のデータから作られたものなので、はるかに精度が高くなります。当然、使わない手はありません。これが「巨人の肩に乗る」ということ。うまくCPRを使うことで、未熟な経験を先人に補ってもらう、疲れた夜間でも判断がぶれないという利点があります。
注意点としては、対象患者(除外されている患者)は誰なのか?何をアウトカムとしているのか?を確認する必要があると舩越先生は強調していました。
あなたもさっそく次のER当直からCPRを用いて、信頼性の高い診療につなげてみてください。
(編集長)
追伸
ちなみに舩越先生はこのCPRについての著書もあります。
「救急検査ケースファイル:Clinical Prediction ruleのオモテウラ」
分かりやすいので、ご覧になってみてください♪
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よく雰囲気が良いと言われます
先日のことですが、エムスリーのオンライン座談会に当院も参加しました。ご参加いただき有難うございました。
7月にも<救急に強い>というテーマでエムスリーの座談会に参加しましたが、今回は<フルマッチ>がテーマでした。
エムスリーは司会者がいて、40分と余裕のある構成が特徴です。今回は研修を始めて5か月たったJ1の田中先生と、すっかり風格すら漂うになったJ2の太田先生の2人に参加してもらいました。
4年生や5年生が参加してくれましたが、顔出しで質問もしていただき、大変うれしかったですね。当院のイメージを少しはお伝えできたのではないかと思います。
今回のテーマであるフルマッチに関してですが、見学に来た医学生からも、当院を希望して面接を受けてくれた方からも、よく雰囲気が良いと言われます。ずっと前から言われ続けていますし、フルマッチも続いているので、おそらく雰囲気の良さがフルマッチの理由の一つであることは間違いないと思います。
ただ、編集長的には、もちろん雰囲気が良いのは分かるのですが、当たり前すぎてどこがどう良いのかをうまく言語化できないという悩み(?)がありました。でも、当院の採用サイトのこのページを読んでいただくと、少しわかっていただけると思い、座談会の中でも紹介しました。
あなたも是非読んでいただき、そのうえで病院見学にお越しいただくと良いと思います。病院見学は、このページの下段のリンクからお申込みいただけます。あなたのお越しをお待ちしています♪
(編集長)
今回はこの二人♪
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NURSE・・・患者さんやご家族に話をする時
前回までは患者さんに話をする時に役に立つSPIKESプロトコールを紹介しましたが、もう一つ使えるツールを紹介します。
今回紹介するのは感情に対応するスキルの一つであるNURSEです。看護師さん、特にがん看護の領域でよく知られているものですが、ドクターにとっても非常に有用です。
SPIKESで紹介したE:感情の把握と共感と言っても、ちょっと分かりにくくて難しいところがあります。例えば患者さんが怒り出したとか、泣き出した、何も話してくれなくなった、という時にNURSEが役立ちます。
NURSEとは、
N: Name
U: Understand
R: Respect
S: Support
E: Explore
N:Name(感情を言葉で表す)
患者さんの感情を想像して言葉で表現することで、患者に共感していることを示します。これによって、患者自身が感情の中にいることを認識し、気持ちを静めるきっかけにできます。例えば「こんな話を聞いて驚かれたと思います」「こんな話をされては辛いですよね」と声をかけます。
この時は感情を正確に感情を言葉にすることが目的にではないので、あまりに気にする必要はないそうです。共感を示そうと努力していることが伝わるだけでも、気持ちを静めるきっかけになるそうです。
U:Understand(理解を示す)
良くない知らせを聞かされて、様々な感情が生じるのは当然のことと理解を示します。例えば怒り出した患者に「いきなりこのような話を聞かされて、お気持ちをお察しします」と理解を示すことで、心を開いてくれるきっかけになります。
R:Respect(敬意を示す)
患者や家族に、現在の状況に至るまでの苦労をねぎらいます。こうすることでつらい気持ちから救われたように感じて、心を開いてくれるきっかけになります。例えば「大変な治療を頑張って続けてこられたのですね」とか、加須に「毎回病院に付き添うだけでも大変だったでしょう」といった声掛けが患者に敬意を示すことにつながります。
S:Support(支持する)
とてもがっかりしている患者や家族に対して「医師としてできる限りのことをします」といった言葉をかけましょう。辛い状況でも、あなたに見捨てられることなくサポートが得られると分かれば、救われたような気持ちになります。
E:Explore(さらに掘り下げて聞く)
患者がなかなか感情を抑えられない時でも、発する一言一言に耳を傾けて、掘り下げて聞いてみます。特に、繰り返し発する言葉の裏に、患者の真意が隠されていることが多いように思います。例えば会話の中で「家族には迷惑をかけたくない」といった発言から、家族の状況を掘り下げて聞き出し、家族のサポートを提案することで気持ちを静めることができるかもしれません。
実際にはSPIKEで話を進めていく途中で、患者や家族の感情にNURSEを使って対応し、再びSPIKESに戻って話を進めるという感じで使うのが良いようです。患者や家族とのコミュニケーションが主目的ですから、SPIKESもNURSEもあくまでツールとして考えましょう。最初から全部型通りにやろうと思わずに、使えるところから使ってみてください。
(編集長)
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どんな生活を送っているのか?
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SPIKES(2)・・・患者さんやご家族に話をする時
前回に続いてSPIKESプロトコールを紹介します。
SPIKESとは、
S:Setting(インタビュー環境のセッティング)
P:Perception(患者の認識の把握する)
I:Invitation(話への導入)
K:Knowledge(事実を伝える)
E:Explore emotions and empathize(感情の把握と共感)
S:Strategy and summary(治療戦略とまとめ)
今回はKnowledgeからです。
K: Knowledge giving medical facts(事実を伝える)
説明する時は医学用語を避けて、患者や家族が理解できる言葉で話しましょう。「Perception」で把握した患者や家族の理解と医学的事実のギャップを埋めていくようにします。説明する時はまとめて話さないで、少しずつ区切って話し、区切りごとに「私の話についてこれていますか?」と、患者の理解度を確認すると良いでしょう。
E: Explore emotions and empathize as patient responds(感情の把握と共感)
患者の感情を探って、認識して、それに応答していきます。例えば患者さんが泣き出したり、怒り出したら、それ以上話しても相手の頭に入っていきません。まずは感情に対応して、信頼関係を築くことが優先です。
具体的には、「あなたがどう感じているのか話してもらえませんか?」と、患者の感情を探るためにOpen questionで、かつ直接的な問いかけを使います。その後に「あなたはこれを期待していなかったようですね」「たいていの人は、これが見つかると怒ります」このような言葉で、患者の感情に対して共感的に反応します。さらに、「もっと話してみて下さい」といったフレーズを使って患者に話をしてもらいます。
S: Strategy and summary(治療戦略とまとめ)
Strategy(医学的な戦略を立てて患者に提示する)
1.医学的にベストな戦略を考える
2.患者の状態や治療とその結果についての期待を考慮する
3.戦略を提案する
4.患者の反応を見る
5.患者の同意を得る
まとめ(インタビューの終わりは3つの要素を含めるとよい)
1.話し合ったメインの話題についての正確なサマリー
2.患者の理解度を確認し、疑問や質問がないか尋ねる
3.次に会う約束をする
SPIKESは、もともとテキサス大学MDアンダーセンCancer centerで用いられていたもので、主に癌の患者さんに悪いニュースを伝える時を想定したプロトコールですが、もちろん癌の患者さん以外にも使えるツールです。
大事なことは、自分が話す前に患者が何を知っているのか?どんな気持ちなのか?を話してもらうことです。自分だけ話すのではなく、患者と対話するのがポイントですね。
(編集長)
EHCUでの一コマ
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SPIKES(1)・・・患者さんやご家族に話をする時
病棟でもERでも、患者さんやご家族に病状や今後の見通しを説明する場面が必ずあります。しかもこの手の話は、患者さんにとってあまり良くない内容のことが多いですが、あなたはうまく伝えられているでしょうか?
水戸済生会の総合内科では、患者さんの病状や疾患の説明を研修医にやってもらっています。もちろん重要な話の時は指導医が脇についているし、こんな感じで話しましょうとシナリオを事前に打ち合わせしています。でも、いざ話始めると頭が真っ白になって・・・・、という感じで、思ったように上手くいきません。
初めから上手くいく訳はないので、ガッカリする必要はありません。これは練習あるのみです。ですが、セリフを全部覚えて臨むというより、話すフレームワークをおさえておくと、イザという時に混乱しません。こんな時に使えるのがSPIKESです。
編集長はこのSPIKESを知ったのは医師になってだいぶ経ってからでした。すごく実践的で役に立つもので、それまでモヤモヤしていたのがすっきりしたのを覚えています。だいぶ前から国試にも出題されているものですから、あなたも使いこなせるようになって欲しいので、もう一度確認したいと思います。
SPIKESとは、
S:Setting(インタビュー環境のセッティング)
P:Perception(患者の認識の把握する)
I:Invitation(話への導入)
K:Knowledge(事実を伝える)
E:Explore emotions and empathize(感情の把握と共感)
S:Strategy and summary(治療戦略とまとめ)
一つずつ見ていくと、
S: Setting and listening skills(インタビュー環境のセッティングと傾聴のスキル)
要点としては、邪魔されない静かな環境で話をする。家族も同席させて、患者とあなたの間に何も無いようにそばに座って、アイコンタクトをとりながら話をしましょう。もちろんカルテの内容や説明に使う画像の準備も含まれます。
P: Patient’s Perception of condition and seriousness(患者がどの程度まで自分の状態や重症度を理解しているかを認識する)
「他のドクターはあなたの病状について何と言っていましたか?」とか、「あなたが自分の病状についてどの程度知っているのか教えてくれませんか?」と患者に聞いてみましょう。患者や家族が現在の(医学的)状況について、すでにどの程知っているのかを、あなたが話す前に質問します。そのことで患者や家族の理解のレベルが分かります。
患者や家族の理解と現実の状況とで乖離があることや、患者が(病気のことを)否定したい、聞きたくないと思っているサインに注意を払います。
I: Invitation from patient to give information(話への導入)
「今日はあなたの検査結果について話そうと思いますが、よろしいですか?」とか、「まずは今までの検査結果について整理して話しますね」などと言って、患者が自分の状況や治療について詳細を知りたがっているのかどうかを聞き出します。その上で、どこまで話をするのかというゴールを設定します。この際、患者の知りたくないという権利も受け入れましょう。
次回に続きます。
(編集長)
ERでの一コマ
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帯状疱疹は内服か? 点滴か?
ある日のあなたが日曜の日直をしている時に、体幹部の痛みを主訴に80歳台の患者さんが受診しました。3、4日前から右側腹部がピリピリ痛いことを自覚しており、本日になり発熱と発疹も出現してきたため心配になって受診しました。見ると水疱が集簇した紅斑が側腹部から帯状に見られ、典型的な帯状疱疹と分かりました。
さて、あなたは抗ウイルス薬を処方しよう考えましたが、内服にするか?それとも点滴にするか?
なにか判断の目安になるものはありますか?
↓
↓
帯状疱疹では、抗ウイルス薬を早期に開始することが大事なのはご存じだと思いますが、内服薬にも何種類かあるし、点滴もあって悩みます。
内服薬なら外来加療ですが、点滴なら原則として入院が必要になるので、どのような患者さんが入院した方が良いかを、皮膚科医でなくともおさえておく必要があります。
先日開催された水戸協同病院皮膚科の田口先生による皮膚科教育レクチャーでは、帯状疱疹をテーマにレクチャーしていただき、このあたりのモヤモヤをすっきり解消してもらいました。
まず、帯状疱疹で入院させる目安になるのが以下の項目です。
一つでも該当する場合は入院を勧めた方が良いとのことでした。
a.発熱と汎発疹(ウイルス血症)
b.80歳以上
c.痛みがハンパない
d.顔面・陰部に発症した
e.免疫抑制(血液疾患PSL内服)
そして、田口先生が推奨する治療には
・内服薬はアメナビル(アメナリーフ®)一択
理由は腎機能での用量調整が不要で、1日1回400㎎の7日間服用で済むから
・点滴は
①アシクロビル5mg/kg/回を1日3回
②ビダラビン(アラセナA®) 5-10mg/kg/回を1日1回
アラセナAの場合は外来での点滴も可能ですが、投与に2時間以上かける必要があります。
冒頭の症例は、80歳以上で、発熱を伴っていることから入院が望ましい症例と判断できます。お盆の後は疲れも出て、帯状疱疹の患者さんが増える傾向にあるそうです。あなたも入院が必要な患者さんをうまく拾い上げてください。
(編集長)
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呼吸困難?それとも胸痛?
あなたが当直をしているときに、ERに息苦しさ(呼吸困難)を主訴に70歳台の男性が受診しました。1週間前から息が苦しくなってきた、今日は夕食後に苦しくなったとのこと。
糖尿病と狭心症でPCIの既往がありましたが、バイタルは問題なし、SpO2の低下もなく、胸部レントゲンではうっ血も胸水もなしで、心電図もST変化や異常Q波もありません。採血ではトロポニンもNTproBNPとも上昇していませんでした。
あなたは患者さんの症状も消失していたので、その日は翌日の循環器外来を指示して帰宅としました。
その翌日、患者さんは循環器内科の外来を受診しましたが、循環器内科の先生は心電図が変化していないことを確認しただけで、不安定狭心症の診断で心カテ目的に当日入院にしました。
あなたは、なぜ循環器内科の先生がいきなり心カテ入院にしたのだと思いますか?
↓
↓
ここで重要なのは、患者さんの訴えである息苦しさ(呼吸困難)をどうとらえるかです。
息苦しさ(呼吸困難)と言っても、
・労作時なのか? ⇒心不全、狭心症、COPD
・安静時なのか? ⇒喘息、冠攣縮性狭心症
・起坐呼吸なのか? ⇒心不全
・早朝の呼吸困難なのか? ⇒喘息
という感じで鑑別が変わってきます。
指導医になぜ入院させたのかを聞いてみたところ、「OPQRST-LAを聞いたかい?」と言われました。
OPQRST-LAとは疼痛などの症状を聞く時の型で、
O:Onset(発症)
P:Provocative/Paliative factor(増悪/寛解因子)
Q:Quality(痛みの質・性状)
R:Radiation(放散)
S:Severity(重症度)
T:Time course(時間経過)
L:Location(場所)
A:Associated symptom(随伴症状)
のことです。
このOPQRST-LAを踏まえて、改めて患者さんの話を聞きなおしてみると
O:家の中で移動するとき
P:労作時のみで安静時や就寝時にはない
Q:胸全体を鉄板で押さえつけられるような
R:放散はなし
S:動きを止めてじっとしなければいけないくらい
T:数分から5分程度
L:前胸部全体
A:嘔気や発汗はない
こうしてみると患者さんの訴えは、「労作時に数分間持続する胸部圧迫感」を「息苦しい」と表現していたことが分かります。循環器内科の先生は、患者さんの訴えを1週間前から悪化傾向にある胸部圧迫感と解釈したので、不安定狭心症を疑って同日に心カテするという判断に至ったようです。実際のところ、心カテでは左冠動脈前下行枝の近位部に高度狭窄を認め、PCIを行ってから退院となりました。
患者さんの言葉は大事ですが、そのまま鵜呑みにするのではなく、OPQRST-LAなどのツールを使いながら、話を聞きだしてみてください。
(編集長)
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中学生の職場体験♪
夏休みは病院でもいろいろなイベントがありますが、先日は中学生の職場体験がありました。
主に水戸市内の中学生が、看護部やリハビリ、薬剤部などに分かれて病院でどんな仕事をしているのか体験します。ドクターの仕事を体験したいと希望してくれる中学生もいて、研修医たちにエスコートしてもらいました。
縫合の練習
2つの中学から参加してくれてた中学生に院内ツアーをした後で、ガウンや手袋の着用、糸結びと縫合を実際にやってもらいました。
今回の職場体験が、参加者の印象に残ってこれからの進路選択に役立ってくれると嬉しいですね。もちろん医学部に進んで、医学生として病院見学に来ていただけるのをお待ちしています♪
(編集長)
清潔操作でのガウンと手袋の着用
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