臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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Feverphobia(発熱恐怖症)・・・・第26回鑑別診断道場より
前回に引き続き、第26回
茨城県央レジデントセミナー
~鑑別診断道場~ からです。
レジデントセミナーでは、毎回
症例検討に加えて特別講演を
行っています。
今回の特別講演は水戸協同病院
腎臓内科の鈴木竜太郎先生に
「一歩先を行く当直小児科診療
〜小児も診られる内科当直医を目指して~」
のタイトルで話をしてもらいました。
なぜ腎臓内科医が小児科の話かと言うと
実は鈴木先生は当院で初期研修を
終えてから、お隣の県立こども病院で
研修を続け、腎臓病専門医を取得する
ために、今年度の9月までは当院で、
そして10月から水戸協同病院の
腎臓内科に所属しています。もとが
小児科医なので、当直での小児診療の
話をしてもらいました。
すぐに役立つ話が満載だったのですが、
今回はFeverphobia(発熱恐怖症)
を紹介します。
小児のER受診で最も多い主訴は発熱
ですが、親などの養育者の91%が、
発熱そのものが有害だと考えていた、
21%の養育者が発熱により脳に障害を来す、
14%の養育者は発熱により死を来す
と考えていたそうです。
Pediatrics 2001; 107: 1241-1246
確かにERでは発熱に対する不安を
聞きます。そして、その対処を詳しく
話しておかないと、いつまでも納得
してくれないことがあります。
同じデータでは、52%の養育者が1時間
ごとに熱を測っており、85%の親が、
子どもを起こしてでも解熱剤を与えていた
そうです。そして、人種や国籍にほとんど
差がみられなかったとのこと。
我々からすると、小児であっても高齢者
であっても、発熱していても他のバイタルが
安定していれば慌てませんよね。
でもERで小児の発熱を診察する時、
こういったFeverphobiaのことを踏まえて
発熱に対する恐怖感を取り除くように
丁寧に説明する必要がありそうです。
(編集長)
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