臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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「睡眠剤を下さい」と言われたら

2019.04.25
カテゴリー: カンファレンス 内科

少し長く入院している患者さんの

ことで、ある日担当の看護師から

「このところ眠れていないようなので、

睡眠剤を処方はどうでしょう?

検討してください」と言われました。

 

こんな時あなたはどう対応しますか?

きっと仕事の早いあなたは

すぐに睡眠剤を処方して

看護師さんに感謝されます。

 

でも、これでいいのでしょうか?

 

「眠れない」と言われたときは、

反射的に睡眠剤を処方する前に

することがあります。

 

まず、どんなタイプの睡眠障害なのか?

入眠障害?中途覚醒?早期覚醒?

それとも熟眠障害?

 

それから、就寝時間や起床時間など

生活リズムを必ず聞きましょう。

 

例えば、ご高齢の方だと、17時には

夕食を摂って、18時には入浴し、

19時には就寝するという人に

しばしば遭遇します。

 

こんな生活パターンの方が、夜中の

1時に目が覚めて、その後は眠れない

と言っても当たり前です。6時間は

眠っているわけですから・・・・。

こんな時は、まず就寝時間を

遅くしてもらうのが先です。

 

入院中の患者さんで、今まで訴えが

なかったのに不眠を訴えるのであれば、

ほかの理由が隠れているかもしれません。

 

同室者がうるさい、手術前で緊張している、

といった環境の影響かもしれません。

他には、心不全の悪化で苦しくなるので

眠れない、などです。

 

このあたりを確認しないで、睡眠剤を

処方するのは何の解決につながらない

こともあります。

 

実際に患者さんから話を聞くだけで

安心してくれて、結果的に睡眠剤は

不要ということもよくあります。

 

ですから、冒頭のように看護師さんに

言われたら、まず患者さんのところに

行って、話を聞いてみてください。

(編集長) 

*実は睡眠障害は奥が深い分野で、

睡眠障害国際分類(ICSD-3)などでは

睡眠障害が7つのカテゴリーに分類され、

不眠症だけでも原因別に11個に

分類されています。睡眠医学に

興味のある方は「極論シリーズ」も

おすすめです。

 

山中先生の身体診察レクチャー

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今年度第1回目が下記日程で開催されます。

平成31年4月30日(火)13時~

 

院外からの参加を歓迎します!

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